利己的な遺伝子 40周年記念版

  • 紀伊國屋書店
4.15
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感想 : 84
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  • Amazon.co.jp ・本 (584ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784314011532

作品紹介・あらすじ

ドーキンスによる「40周年記念版へのあとがき」が
新たに収録された、世界的ベストセラーの最新版
「英国史上最も影響力のある科学書」 第1位

私たちはなぜ、生き延びようと必死になり、なぜ恋をし、なぜ争うのか?――
本書で著者は、動物や人間の社会で見られる、親子間の対立や保護行為、夫婦間の争い、
攻撃やなわばり行動などがなぜ進化したかを、遺伝子の視点から解き明かす。

自らのコピーを増やすことを最優先とする遺伝子は、いかに生物を操るのか?
生物観を根底から揺るがす衝撃の事実を鮮やかに描き出した本書は、
1976年の刊行以来、分野を超えて多大な影響を及ぼし続けている古典的名著である。

【前の版からの変更点】
・ドーキンスによる「40周年記念版へのあとがき」を追加
・古くなった表現、表記を変更
・装幀と本文レイアウトを刷新


     *     *     *

『利己的な遺伝子』は世界を一変させた本である。
正確に言うと、世界に対するぼくたちの見方を一変させた本だ。
それは、まさに科学革命と呼ぶのにふさわしい。
この一冊の書物によって、温かくて親しみやすい生物の世界は、
ドライでクールなデジタル情報の世界に変換された。
これを読まずして、
生物やゲノムや脳科学やAIやロボットや社会や経済について、
語ることはできない。
――佐倉統(東京大学大学院情報学環・教授)

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感想・レビュー・書評

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  • 本書はリチャード・ドーキンス博士の古典的名著。
    生物の遺伝子がどのように進化していったかが論じられている。

    数年前に一度手に取ったのだが、その時はあまりに自分の知識のなさとじっくりと読める時間がなかったために挫折した。

    しかし、今回は以前比べ多少の知識武装(笑)をし、年末年始の休みを利用して、時間もそこそこあったので読了することができた。

    このような学術書というのは、年数が経つとその理論や主張が時代遅れとなったり、新しい理論が生まれ、主張が間違っていたことが判明するなどしてほぼ古い物は読まれなくなるのだが、本書は題名でも分かるように40年以上前に書かれたもので、その主張はまだ色あせていない。

    数多く学者からも引用されている本書である。
    遺伝子学の基本書として読んでおいて損はなかった。

  • うーむ。結局のところ、生命とは何か?って事が主題なのかな。そして、それは自己複製子であると言う事を長々と説明して来たと…

    人だったり、鳥だったり、虫を例にして観察の記録やら、ゲーム理論を用いて説明が続きますが、人や鳥や虫の観察記録については、NHKスペシャルの様々な特集やらで今となっては、概要レベルでは周知のものが多いと思われ、個人的にはなんか聞いたことあるような話と言う感覚。(この本が出版された頃で、ここまで網羅的なものが存在しなかったのがこの本の凄さなのかも知れない)

    生物と言う観点では「ボトルネックのある生活環を持つヴィークル」という言い方とか、西洋哲学では、スタートがあって終わりがあると言うベースの考え方がある中で、こう言う言い回しが新鮮だったのかもしれない?

    東洋哲学では、円と言うか、ここで言う環にあたるのか、生と死が繰り返されて生命は続いていくと言った考え方があるけど、ベーシックな考え方の違いとかが評価を分けることもあるし…

    この本を読むべき人ってどんな人なんだろうかと考えてしまう… 学者にでもなろうとしている人向けなのだろうか。少なくとも、サラリーマンは除外して良い感じがする。この本だけで理解した気になれることはまずないので、周辺知識を補うための多数の本を読まないと行けない本と言う感じ。私が読んできた本の中にはあまり無かったのかも知れない。

    40周年記念版への後書とかいれて、500ページ近い分量な上に、前半通じて難解な言い回しとかが多くて、難儀しました。

  • 名前も概要も知っているけど読んだことの無かった本。進化を考える時は「個体」ではなく、「遺伝子」を単位にして考えなくてはならない。

    我々がつい個体を単位として考えてしまうのは、人間は個体の境界がはっきりしているからではないかと思う。これが植物のように接木ができると、個体にそれほど意味はないことが分かる。あくまでも遺伝子がどのように増えるかが大事なのだ。

    「生命の目的は子孫を増やすこと」を比喩などではなく、心から言っている人をこの本で叩きたい。40年の重みを喰らえ。

  • 読み終わって、なんでもっと早く読まなかったんだろうかと思った。

    自然淘汰の単位を種や群れではなく、遺伝子という視点からとらえて説明した歴史的な名著。
    生物の行動や進化を遺伝子が生き残るという視点でとらえて、納得のいく説明をしてくれている。

    よく本書に対して、道徳や倫理への冒涜かのようや批判を聞いたことがあるけれど、
    そもそも、本書は道徳に対してなんらかの意見を加えるものではないことは、筆者自身が冒頭をはじめて、繰り返し述べられている。
    本書の妙は、道徳とは関係のないところで、遺伝子の視点から人間を含めたすべての生物の進化を見ているところにあると思う。

    本書を読み終えて思うのは、進化という歴史の中で、遺伝子がバリエーションを持って、様々な環境を経て、その中で生き残ってきた今があることのすばらしさだと思う。

    生物学だけでなく、ゲーム理論からの影響を受けて、利他性の説明をしている章や、今やネットでは普通に使われる「ミーム」という言葉を提案している章など、社会科学とのつながりもある本なので、本当に読んでいておもしろかった。

    読みやすい本なので、読んだことのない人は、抵抗を持たずに読んでほしい。

  • 「人間は、遺伝子の乗り物にすぎない❗」
    衝撃的で、めちゃ面白いです。
    ぜひぜひ、読んでみてください。

  • 生物を知る、人間を知るのとても興味深い本。

    「自己複製子」と「ヴィークル」、「ミーム」という考え方に驚嘆した。

  • 面白い。難しい。

  • すんげー面白い。難しいけど、直感的に面白さを感じる実験と考察が、頭の良い人によって述べられている。

  • 読み終わらなかった…

    抽象的な書き回しで先に進めなかった。

    人生の一冊になるよう、再チャレンジをいつかしよう。

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著者プロフィール

英国の進化生物学者。世界的ベストセラー『利己的な遺伝子』で知られる。ほかの著書に『盲目の時計職人』『神は妄想である』『遺伝子の川』『進化とは何か』など多数。

「2022年 『これが見納め』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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