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- / ISBN・EAN: 9784314011945
作品紹介・あらすじ
「消えたい」「もう終わりにしたい」あなたへ
日本の自殺死亡率は先進国(G7)で最も高く、特に女性の自殺死亡率は世界で2番目ときわだって高い。日本の子どもは「身体的な健康」では1位だが、「精神的な幸福」では38か国中ワースト2位と、日本人の「幸福感の低さ」との関連もうかがえる。
人気精神科医が、「消えてしまいたい」「もう終わりにしたい」と思いながら日々を送る人に向けて、自死を思いとどまり、生きづらさを和らげるためのヒントをやさしく説く。
【目次(予定)】1.自死のきっかけ/2.「消えてしまいたい」「もう終わりにしたい」という気持ち/3.「べき」を手放そう/4.できるだけ休養を/5.生きることに希望が感じられない方へ/6.自分は何をやってもダメだと絶望している方へ/7.自分には取り柄がないと感じている方へ/8.「自分を好きになろう!」という暴力/9.親との関係に悩んでいる若い方へ/おわりに 今、全部決めなくてよい
【著者】 水島広子
精神科医。慶應義塾大学医学部卒、同大学院修了(医学博士)。摂食障害をはじめとする思春期前後の問題や家族の病理が専門。うつ病などへの治療効果が実証されている「対人関係療法」の日本における第一人者であり、対人関係療法専門クリニックの院長。慶應義塾大学医学部非常勤講師(精神神経科)。元衆議院議員。著書に、細川貂々と共著の『それでいい。』シリーズ(創元社)、『女子の人間関係』(サンクチュアリ出版)、『10代のうちに知っておきたい折れない心の作り方』(紀伊國屋書店)など多数。
感想・レビュー・書評
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心が弱くなっているときに、手に取った本。本の中の言葉には癒されたり、納得したりで、それなりに効果はあるよう。
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全体としては、意味はわかるし、言いたいこともよくわかる。けど、ちょっとした表現、端々に、個人的には引っかかる…ような複雑な気分になったかな。
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「べき」思考が少しでも薄まると、生きやすくなるかもしれないと思いました。人それぞれの事情があることを忘れないようにしたいです。そして、もう少し肩の力の抜き方を覚えていこうと思います。
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「対人関係療法」で治療すると
回復される方が多いそうです。
「身近な人との関係」に注目して治療していくものです。
人間の心の健康を本質的に支えているのは、
身近な人との良好な関係であるということです。 -
辛いときほど自分を追い込んでしまう傾向があるので、高く積みあがった壁が突如崩れるようになる時期がある。
その状態を言葉にするならば「消えたい」という感覚なのかもしれない。
なぜそんな気持ちを抱くのか。精神科医の水島広子さんが温かみのある言葉で優しく説いてくれている1冊。今の私の心に染み入る表現がいくつかあり、救いになりそう。
「今は、これでいい」
辛い気持ちを引き起こす状況を根こそぎ解決しなれば、とか代替行為として私は掃除や家事について強迫的になって休む間もなく働こうとしてしまう。
生産的でなくても、いつもはやっている作業や家事であっても、まずは心と身体が休息や解放を必要としているので、いったん離れて脇に置く。
対人関係のあれやこれやはもちろんのこと、性急に解決を求めず、「まずはこれでいい」と念仏のように唱え、今の自分の辛さを受け容れる。
そしてできるときに小さな事柄から初めて、僅かな達成感を積み上げて生きながらえる。こんな感じかな。
水島さんが強調されているところの、「消えたい」の大元にある心の中に宿るいくつもの「べき論」。
「人は有益であるべき」「自分に甘くしてはいけない」「家族は仲良くなくてはいけない」「人間関係は広げなくてはいけない」等々、自分自身を縛って雁字搦めにしているものも多いのだな。
私は実家の実母ときょうだいのあれやこれやをずっと背負って来たので、人様に迷惑をかけてはいけない、感情は抑制できなければならないという「べき」がとても強いことに気づいた。しんどかったんだな。
生きることは不如意そのもの。みっともなさは誰でも同じ。
大好きな作家木内昇さんも生きることは殆どが理不尽で、実は思い通りになる事柄は少ないとエッセイのなかでおっしゃっていた。
調子が悪いときは「自分だけがなぜ」という思考に囚われがちなのだが、それは結局自分自身を孤立させさらに追い込んでいることにも気づく。
哀しいけど、寂しいけれど、虚しいけれど、「今は、これでいい」。時が何かを動かす、ぐらいに緩くぼんやり過ごせるといいのだけれど。 -
アティテューディナル・ヒーリングの研究者である水島先生の本。DOの自信ではなくBEの自信を持つこと、他人にもいろいろな事情があるのだと理解すること。「今は、これでいい」と思うこと。
子供を育てていく上でどうしても自分のできない部分に目が行きがちな私にとって、救いのような本だった。
温かい心を人に向けることは、自分を守ること。温かく挨拶をしたら、相手の反応という、私にはどうしようもないことは気にしないこと。
水島先生の「毒親の正体」も読みたい。 -
発売前から気になっていた一冊。
帯の『死にたいのではなく、こんなに生きづらい人生からおりたいのです』って表現が的確すぎて。
このしんどさを見事に言い表しているなあと。
そういうのを理解している人が書く文章は、柔らかいものが多い気がする。
経験上、頑張ることを強要されるのが一番キツい。
だから、逃げてもいいし、避けてもいい。
問題を先送りにして、どうにかやり過ごしてもいい。
そう言ってもらえるだけで救われる人はきっといる。 -
水島さんなりの自己肯定感の定義「自分に対して無条件の肯定的な関心をもち、ありのままの自分を優しく受け入れる」が分かりやすく腑に落ちました。そして自己肯定感を持つために必要なのは、「人にはそれぞれ事情がある」と理解すること、「自分にもいろいろな事情があって、現在のような状態になっているのだ」と理解することか重要だそうです。この考えを日々忘れないように生きていきたいと思いました。
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サクッと読めました。
浅く広く書いてある感じ。
著者プロフィール
水島広子の作品





