五輪書: 武蔵二天一流剣法の極意 (教育社新書 原本現代訳 116)
- ニュートンプレス (1980年11月1日発売)
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- Amazon.co.jp ・本 (227ページ)
- / ISBN・EAN: 9784315401417
感想・レビュー・書評
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宮本武蔵の書というだけで好奇心が擽られるが、剣術についてが主な内容。商業主義的に読み手に色目を使っていないので、淡白にも感じるかも知れないが、だからこそ、純粋に武蔵の到達点に触れられるのかも知れない。また、武術だけではなく、そこから得られる人生の真理にまで話は及ぶのが有り難い。
致知格物。ありとあらゆる事の道理を知り尽くして、事を尽くす。すべてのことは知らないから不審に思う。知をつくし、物をつくす。その上で、訓練に始まり、訓練を忘れるに至る境地。
さまざまの訓練をし尽くして、習い稽古の修行を十分に積むと、手足、体を動かしても心が動かされることはなくなり、訓練のことは念頭になくなって、習ったすべての動きは自由になる。
一切の道理を理解しつくして、みな胸にとどめず、さらりと捨てて胸を空虚にし、ふだんの何事もないときの心で動作をする。
立ち合うや否や、先手の太刀を取ろうとするのを懸。敵の先手に厳しく用心するのを待ち。懸待。
心身における懸待は、心を待に、体を懸に。
日々の訓練で身につけたものは無意識にも作動する。人間との対峙は、先手を取るか、構えて反撃するか。二天一流には、そうした精神性も宿るのだろうか。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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