カルマンフィルタ ―Rを使った時系列予測と状態空間モデル― (統計学One Point 2)

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  • Amazon.co.jp ・本 (168ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784320112537

作品紹介・あらすじ

カルマンフィルタは,もともとは工学分野における動的システム制御の手法として提案されたものであったが,その後,時系列解析手法としてのカルマンフィルタの有用性が見出され,現在に至るまで様々な派生形が生まれるとともに,その応用範囲を拡大してきている。時系列データを分析して予測する状況は枚挙に暇がないが,様々な時系列分析のニーズに応えられる柔軟な時系列モデルの枠組みとして状態空間モデルがあり,状態空間モデルの推定をコンピュータで高速に与える計算手法がカルマンフィルタである。
本書は,主にカルマンフィルタを用いた時系列解析の方法論と,データ解析の実践を解説する。特に,統計用フリーソフトRを用い,多種多様な時系列への対応を念頭に置いた解析例と,具体的な解析コードの例示に多くのページを割いている。身近なデータに対する解析例も盛り込み,内容の理解を助けている。
 まず事前準備として,多変量の確率分布と時系列の基礎知識および代表的な時系列モデルについて解説する。その後状態空間モデルを導入し,最も基本的な状態空間モデルであるローカルレベルモデルや,線形モデルと正規(ガウス)分布を仮定した状態空間モデルを扱い,それらの解析手法としてカルマンフィルタを導入していく。さらにそれらのモデルに対して観測分布を正規分布以外へと拡張した非ガウス状態空間モデルと,その解析手法を扱う。最後に,非線形かつ非ガウスな状態空間モデルの一般形を扱い,その解析手法として粒子フィルタを紹介する。なお,章が進むにつれて,扱うモデルがより一般化されていく構成となっている。
確率と統計の基礎を修めた学部生,大学院生,社会人であれば十分読みこなせる内容となっており,本書によって,状態空間モデルやカルマンフィルタを用いた実践的な解析までをも習得できるであろう。

感想・レビュー・書評

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著者プロフィール

野村俊一(のむら・しゅんいち)
1975年生まれ。東北大学大学院工学研究科都市・建築学専攻准教授、博士(工学)。
(主要業績)『建築遺産 保存と再生の思考―災害・空間・歴史』(共編、東北大学出版会、2012年)、「黎明期の五山叢林とその建築・行事」(共著、小島毅監修・島尾新編『東アジア海域に漕ぎだす4 東アジアのなかの五山文化』東京大学出版会、2013年)、「『建長寺指図』と仏殿・法堂・衆寮」(共著、村井章介編『東アジアのなかの建長寺 宗教・政治・文化が交叉する禅の聖地』勉誠出版、2014年)などがある。

「2022年 『伝達と変容の日本建築史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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