実践 エンベデッドファイナンス ――あらゆるサービスに溶け込む新しい金融のかたち

  • 金融財政事情研究会 (2025年3月3日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (192ページ) / ISBN・EAN: 9784322144994

作品紹介・あらすじ

金融サービスはもっとおもしろく、身近なものにできる!

★アップルの預金サービスはわずか4カ月で100億円を突破
☆メルカリが金融サービスを急拡大
★JR東日本の銀行サービスに申込みが殺到
☆ヤフーの「シナリオ保険」は開始4年で200万件を突破

非金融事業者が自らのサービスに金融サービスを組み込んで提供する「エンベデッドファイナンス」(組込型金融)が急速に広がりをみせている。大企業から中小企業までさまざまなエンベデッドファイナンスの事例を掘り下げ、新しい金融サービスのあり方を探る。

◎◎◎東京大学大学院経済学研究科教授 渡辺 努 氏 推薦!
「金融サービスは歴史的な転換点を迎えている。豊富な実例をビジネス、技術、規制の視点で鮮やかに整理し、変化をドライブする本質的な力が何なのかを著者独自の視点で解明。金融サービスのこれからに関心のあるすべての人に推薦したい。」

【主要目次】
第1章 エンベデッドファイナンスとは
・1 新しいプレイヤーによる金融サービスの台頭
・2 金融を組み込むとはどういうことか
・3 エンベデッドファイナンスの提供に必要な3つの役割
・4 各役割を担うプレイヤー
・5 国ごとに異なる役割分担
・6 金融業界の構造転換――流通チャネル革命
第2章 なぜいまエンベデッドファイナンスが注目されるのか
・1 金融業界のデジタル化の変遷
・2 差別化が困難になった金融サービス
・3 非金融事業者の顧客基盤を活用――アリババの成功
・4 アンバンドリングからリバンドリングへ
第3章 エンベデッドファイナンスを実現する仕組み
・1 エンベデッドファイナンスを支える3つのテクノロジー
・2 エンベデッドファイナンスのシステム
第4章 マスサービスにおけるエンベデッドファイナンス
・1 アップルによる金融業参入の衝撃
・2 データ活用で新たな金融サービスを切り拓くメルカリ
・3 JR東日本が銀行サービスに参入した理由
・4 キャッシュアップのクロスセル戦略
第5章 非金融事業者による組込みの3つの類型
・1 収益源の取込みによるマネタイズモデルの転換
・2 非金融事業者だからこそ実現できる新しい金融サービスの提供
・3 金融サービスを活用した顧客体験の向上
第6章 アメリカのBaaS業界で起きていること
・1 BaaSによって急成長した地域金融機関
・2 モニタリング対策等の不備が明らかに
・3 BaaSプラットフォーマーのリスク管理能力不足
・4 規制強化への動き
・5 新形態「ヘッドレスバンク」の登場
第7章 エンベデッドファイナンスのこれから
・1 新たな金融業界の地図
・2 エンベデッドファイナンスを導入するうえでの実務上の勘所

感想・レビュー・書評

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  • 1. エンベデッドファイナンスの概念
    - 定義: エンベデッドファイナンスとは、金融サービスが他のサービスやプラットフォームに統合されることを指す。
    - 背景: 近年、金融業界は変革を迎えており、特にテクノロジーの進化がこのトレンドを加速させている。

    2. 既存サービスの分析
    - フィナテキストの成功例: 無料で遊べるサービスを提供し、潜在的な顧客を獲得。
    - デザインと操作性: シンプルなデザインで操作が簡単なため、ユーザーの関心を引くことに成功。

    3. 今後の金融サービスの方向性
    - ターゲットの明確化: 特定のユーザー層に絞ったサービス提供が重要。
    - コストの削減: 初期投資を抑えた形で金融サービスを提供できる仕組みの必要性。

    4. スマートプラスの設立
    - 目的: APIベースで証券機能を提供すること。
    - パートナーシップ: 2019年にクレディセゾンと提携し、証券サービスを開始。

    5. エンベデッドファイナンスの拡大
    - 投資、保険、融資、預金: エンベデッドファイナンスの適用範囲が広がっている。
    - 新たな成長機会: フィナテキストグループが多様なサービスを提供するようになり、パートナー数も増加。

    6. テクノロジーの役割
    - API、モジュール化、クラウドプラットフォーム: エンベデッドファイナンスを実現するための重要な技術。
    - 課題の克服: 旧来の金融システムの制約を打破することが可能に。

    7. 各プレイヤーの役割
    - イネイプラーの重要性: ブランドとライセンスホルダーをつなぐ中間役。
    - ライセンスホルダーの役割: 法的な金融ライセンスを保有し、金融商品を組成。

    8. マスサービスとニッチサービス
    - 市場のすみ分け: マスサービスやニッチサービスがエンベデッドファイナンスによって区別され、各自の強みを活かした展開が期待される。

    9. 具体的な事例
    - JR東日本の金融サービス参入: 本業のアセットを活用し、顧客のデータを収集する戦略。
    - Shopifyの配送保険: 顧客体験を向上させる金融サービスの活用。

    10. 結論と今後の展望
    - 持続可能な成長: ニッチ市場から始め、オペレーションコストを抑えながら段階的に拡大する戦略の重要性。
    - 顧客ニーズへの対応: 特定の顧客層に焦点を当てたサービス提供が、エンベデッドファイナンスの成功につながる。

  • FinatextホールディングスCFOの伊藤さんによるエンベデッドファイナンスの本。
    伊藤CFOがPodcastでお話している内容をまとめたような形。
    ・2000年前後から「オンライン化」が進んだ金融業界は、皆同じような価格体系と機能を提供するなか差別化が難しく、テレビCMや比較サイトを通じて顧客獲得に莫大な広告費がかかるようになったという仮説がある
    ・エンベデッドファイナンスの進展に伴い、金融機関は商品の組成・管理に特化する一方で、販売機能は顧客の日常生活により密着した非金融事業者が担うようになると予想される
    ・エンベデッドファイナンスを支えるのは、3つのテクノロジー(API、モジュール化/マイクロアーキテクチャ、クラウドプラットフォーム/動的なスケーリング)
    ・正確かつ最新の個人情報は、広告ビジネスにおいて極めて高い価値を持つ(既に広告ビジネスを始めているAppleは大きな成長を想定し、J.P.モルガンも広告ビジネスへ取り組む方向性)
    ・ヤフーの「シナリオ保険」は開始4年で200万件を突破

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