世界こわい話ふしぎな話傑作集 1 フランケンシュタイン (世界こわい話ふしぎな話傑作集 1 イギリス編)
- 金の星社 (1984年1月1日発売)
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- Amazon.co.jp ・本 (158ページ)
- / ISBN・EAN: 9784323006512
感想・レビュー・書評
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極寒の氷河の海を漂う衰弱した青年を救い上げた、北極探査船。その青年は、ビクター・フランケンシュタインという男だった。船員の懸命な看病により、回復しつつある彼はやがて、恐ろしく、そして悲しい怪物の話を始める。 怪物といったらフランケンシュタインといっても過言ではないぐらい有名な怪物の物語。だが、恥ずかしながらフランケンシュタインは初。 そもそもこの表紙にいる怪物がフランケンシュタインという名前だと思っていたが、作った人の名前だと言うことに、まず驚いた。更に怪物には名前がない。
読了後胸に残ったのはただひたすらな悲しさと寂しさだった。科学者を志すビクターが生命について考え始め、やがてその考えに囚われたときから、この悲しい運命たちは決定付けられていたのだろうか。どちらの気持ちもわからなくはない(身内を殺されれば誰でも相手を憎むだろう)、どちらかといえば私は怪物に同情する。勝手に作り出されその後の責任を放棄され、一人ぼっちの怪物は、どうに仲間を作ろうと、幾度となく人間に親切にしていた。しかし一度正体を現せば、悲鳴をあげられ、拒絶される彼の心境を思うとやりきれない。ビクターも怪物の手によって奪われた多くのものを考えると不幸ではあるが、自業自得ではあるだろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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