レ・ミゼラブル (ジュニア版・世界の文学 18)

著者 : ユーゴー 豊島与志雄 斎藤正直

• 金の星社 (1968年1月1日発売)

感想・レビュー・書評

[adlibさんの感想 · 2014年12月31日]

　
──　ユーゴー／依光 隆・豊島 与志雄・斎藤 正直・訳
《レ・ミゼラブル 1862 196801‥ 金の星社》ジュニア版・世界の文学18
http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4323007787
　
　Hugo, Victor, Marie 18020226 France 18850522　83 ／
　
……　『レ・ミゼラブル』が出版された直後、海外旅行に出かけたユー
ゴーはその売れ行きが心配で、出版社に一文字「？」と書いただけの手
紙を送ると、その後出版社から「！」とだけ書かれた返信が届いた。
「上々の売れ行きです！」というわけである。事実数日で完売・売切れ
の状態であったという。これが世界でもっとも短い手紙となっている。
（Wikipedia）
　
http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/search?idst=87518&key=%A5%EC%A1%A6%A5%DF%A5%BC%A5%E9%A5%D6%A5%EB
　「？」＋「！」＝疑問符＋感嘆符
http://q.hatena.ne.jp/1446652548#a1252705（No.3 20151105 04:45:02）
　
（20141231）（20151105）
　

[タテヨコさんの感想 · 2011年12月18日]

　確かに読んだ覚えがあるのにストーリーが思い出せず、手っ取り早くジュニア版で再読（かなり簡略化されているので、細かい心理描写は想像するしかないが）。
　パンを盗んだ上に冤罪を着せられ、更に脱獄の罪が重なって19年もを監獄で過ごしたジャン・バルジャン。司教さんの言動で生き方を変え、功徳を積んでも、過去の罪は永遠に拭われないのか。過去に犯した罪の重さを表すものが刑事ジャベルの存在だとすれば、現在のジャン・バルジャンが善良と改心により得たものがコゼットとその夫となるマリュスという存在。罪ゆえの存在ともいえるジャベルそのものには勝つことができても、「善」の存在はあまりに脆く、そして過去の罪はあまりに重く（それにしてもパンひとかけらで、というのはあまりにも可哀相だが）、命をかけて守った「善」はいとも簡単に離れていきそうになる。そしてやっと死の瞬間に彼は救われる。当時のフランスという時代背景があったからこそ、この報われない感と博愛の美しさが心に響くのかもしれない。
　それにしても、パリで「下水道博物館」を見た後に読むと、下水道で死ぬ思いをする場面が現実味を帯びる。今でも匂いを思い出せるほど。