- Amazon.co.jp ・本 (1ページ)
- / ISBN・EAN: 9784323024516
作品紹介・あらすじ
やまのうえに1だいのでんわがおいてあります。きょうもだれかがやってきました。せんのつながっていないそのでんわではなしをするために。
感想・レビュー・書評
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〝山のうえに一台の電話が おいてあります。 今日も誰かが やってきます。 線の繋がっていない その電話で話をするために・・・〟「会えなくなった人に伝えたい・・ひとりっきりになって、電話をかけるように相手に想いを伝えたい・・」震災であまりにも多くの命が奪われました。ひとりになって、電話をかけるように、相手に想いを伝える空間で、心の復興のきっかけになればと、岩手県大槌町のガーデンデザイナ-佐々木格さんが、自宅の庭に<風の電話ボックス>を置きました。 絵本作家・いもとようこサンの、何度も涙がこみあげてくる絵本。
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いもとようこさんの柔らかく可愛い絵が良いです。
3.11後だからこそ、心に沁みます。
そうでなくても、こんな電話があったら…と思いました。 -
全然違う本を探していたのに、気になって、気になって、いもとさんの絵が久々で、買ってしまった。
きつねのおとうさんのシーンは、ウルウルきた。
こころを、ことばに。
ことばから、ことばへ。
内に留めてはいられないその感情を、伝える手段を私たちは持っている、そんなしあわせがある。
たくさんの人の、ありがとう、が、どれもが同じなのではないと、受け止めるこころを私たちは持っている、そんなしあわせがある。
読み聞かせしたいなあ、ほんとに、良かった。 -
東日本大震災10年の特集で紹介されていた本。動物たちが、電話線が繋がっていないけれど会えない人につながるという電話で、亡くなった家族に訴えかける言葉が切ない。
実際に岩手で個人の方が設置した電話がモデルらしいのだが、その設置場所はなんと岩手の吉里吉里吉里吉里といえば井上ひさしさんの「吉里吉里人」。あの町も被災したのかしらと思うと、これまた切ない。 -
別れのタイミングを選ぶことはできないけれど、
伝えたかったことを ことばにすることで、
少しずつ前を向くことができる人が増えていったらいいなと感じました。
伝えられるうちに 伝えたいことを 伝えておくことも 大切だと思いました。 -
本当に実在する電話をもとにしたいもとようこさんの童話です。
誰でも話したくなったら、その受話器に話しかけるのです。
行き場のない悲しみをうったえるきつねやうさぎたちの声が
胸をうちます。
死んでほしくなかった、生きていてほしかったと。
たとえ受話器の返事はなくても、
みんな自分の声を愛する人に届けたいのです。
メルヘンタッチですが、現実の震災の被害を思わずにいられない深い悲しみにみちた絵本。
被害にあわれたたくさんの方たちを忘れないでというメッセージが込められているように感じました。 -
何の気なしにテレビをつけていたら、「風の電話」について特集されていた。震災後、岩手県大槌町のガーデンデザイナー佐々木さんの自宅のお庭に置かれた、電話線のない電話ボックス。会えなくなった人に想いを伝えるための空間で、心の復興のきっかけになればと実現されたそう。
風の電話は心で話します
静かに目を閉じ 耳を澄ましてください
風の音が又は浪の音が或いは小鳥のさえずりが
聞こえたなら あなたの想いを伝えて下さい
「かぜのでんわ」はこの「風の電話」をもとに作られたお話で、千切り絵のような柔らかい絵が印象的。動物たちの想いが真っ直ぐで泣けた。特にきつねのおとうさん…。
いろんな人に読んで欲しい。オススメ。
171106読了。 -
冒頭「もうあえなくなったひとに、じぶんの…」で勘付き、声を震わせず読み切れるか心配に。何とか読み切るも、後書「風の電話」の説明文で娘にはバレないよう潤む…。娘、この絵の感じ好き、と。
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伝えたい気持ちや言い足りなかった言葉がある。でも、もう相手がいない。それでも口にしたい。そんなときってあります。
本作は実話をもとに作られたお話し。この赤電話には電話線はないけれど、多くの人の心の琴線にふれました。