命を救われた捨て犬 夢之丞 災害救助 泥まみれの一歩 (ノンフィクション知られざる世界)

著者 :
制作 : ピースウィンズ・ジャパン 
  • 金の星社
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本棚登録 : 47
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (157ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784323060897

作品紹介・あらすじ

泥にまみれて広島で救助活動を行った1匹の災害救助犬。夢之丞という名のその犬は殺処分寸前で救われた犬だった-殺処分直前に動物愛護センターから引き出された1匹の子犬。おくびょうで人をよせつけず、散歩すら苦手。食べ物への欲もなかったこの子犬は、やがて新米ハンドラーと共に訓練をこなし災害救助犬として新たな一歩をふみだした。

感想・レビュー・書評

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  • 殺処分寸前に奇跡の出逢いで災害救助犬として生き延びる事となった夢之丞。

    集中力は続かず、人に慣れず、他の救助犬に比べて大きく後れをとっていた訓練。救助犬としての資質が絶望的にないと考えられていたのに・・・
    パートナーは焦らず根気よく、夢之丞との可能性に賭ける。

    そして・・

    どこにどんな才能が隠れているかは分からない。

    ヘリコプターで災害現場に向かう経験でも怯えることなく食欲も衰えず、神経の太さを見せて驚かせ、現場でも軽々とした体で身軽にがれきや泥の上を移動してみせる。

    「どんな犬でも人間の関わり方ひとつで、その可能性を開花させるということだ。そこには捨て犬も血統書付きの犬もないのである。もちろん、得手・不得手はあるだろう。しかし不得手しかない生き物はこの世にはいない。」

    子育てにも通じることだ。

  • 保護犬から災害救助犬になった夢乃丞のノンフィクションです。

    夢乃丞の話というよりPWJの話です。
    有名なワンコですのでいろいろな本が出ていてますが、その本と同じ表現が使われたりと、なんかなぁという感じもあります。

  • 人間に捨てられた犬、夢之丞が災害救助犬になった、ノンフィクションの話です。夢之丞は人が怖くて、最初は救助犬にはなれそうにありませんでした。しかし時間が経っていくと、段々と心を許して、立派な救助犬になりました。
    救助犬になるには大変な訓練を受けなくてはならないのに、夢之丞は努力して乗り越えられてすごいと思いました。

  • ふるさと納税で「広島県神石高原町」の「ピースワンコ・ジャパン」プロジェクトに寄付。その後、この本が郵送されてきました。殺処分寸前で命を救われた子犬の夢之丞。その後、温かい「ピースワンコ・ジャパン」のスタッフの訓練によって、救助犬として活躍するまでに成長。人間の身勝手さによって棄てられた子犬が、人間の役に経ち、手助けしてくれる救助犬に成長。考えさせられる1冊。

  • 人間に捨てられ、殺されようとした犬が、同じその人間の役に立とうとしている…きていることが大切」…その通り!! 他人が 命を奪うなんて 言語道断!!

  • 私は、災害救助犬の夢之丞(犬の名)を昨年、広島で起きた土砂災害の報道写真で知った。泥まみれになって災害現場で活動する姿は、大の犬好きの私の胸を熱くした。主人である人間に褒められたい一心で働く犬たちの気持ちを思うといつも犬の素晴らしさを感じずにはいられない。犬は人間を最良のパートナーとして受け入れてくれる。信じてくれる。

    記事を読むと、夢之丞は元捨て犬で殺処分対象の犬だったという。人間に殺されようとしていた犬が、人のために危ない現場で働いているのだ。「ありがとう。夢乃丞」と感謝の気持ちでいっぱいになった。

    夢之丞を知ってから数カ月後、本書を見つけた。
    特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパンの運営するピースワンコ・ジャパンは、活動のひとつとして災害救助犬を育てている。夢之丞は第一号の救助犬。保護当時、怯えていた夢之丞に根気強く接し、可能性を信じ育てていく様子は、はじめからうまくいく者(犬)だけに素質があるわけではないということを教えてくれる。
    居場所がないから殺される。役に立たないから殺される。のであれば、居場所を作ってやる。長所を見つけて生かしてやればいい。「生きてこそ」可能性が生まれる。

    命を奪われる瞬間、生き物は弱い状況に置かれている。だから助けが必要なのである。助けは人だけでなく、犬でも同じ。殺される直前だった弱い子犬(夢乃丞)はピースワンコジャパンの人に助けられた。そして助けられた夢乃丞が、災害にあった人の命を助ける。この助けあいがあるから、この世界で安心して生きられるのではないだろうか。希望を感じられる一冊。

    殺処分ない社会を。命を救う社会を願う。

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著者プロフィール

児童文学作家。(公財)日本動物愛護協会常任理事。著書『ドッグ・シェルター』(金の星社)で、第36回日本児童文学者協会新人賞を受賞。執筆の傍ら、動物愛護センターから引き取った愛犬・未来をテーマに、全国の小中学校を中心に「命の授業」(講演会)を展開。主な著書に、『犬たちをおくる日』(金の星社)をはじめ、累計45万部突破のロングセラー「捨て犬・未来」シリーズ『捨て犬・未来 命のメッセージ』『捨て犬・未来、しあわせの足あと』ほか(岩崎書店)、『捨て犬未来に教わった27の大切なこと』『いつかきっと笑顔になれる 捨て犬・未来15歳』(小社刊)など多数。

「2023年 『うちの犬(コ)が認知症になりまして』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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