ガラスのうさぎ

著者 :
  • 金の星社
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  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784323070124

感想・レビュー・書評

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  • 戦争の実話です。子供の頃の課題図書で読んだもの。如何に自分が恵まれているか思い知らされます・・

  • 「昭和20年、太平洋戦争の終わりの年、12才の少女敏子は疎開しているうちに、東京大空襲で2人の妹と母を失ってしまう。そして父までも…。実際の戦争体験に基づいて綴った名作。文字を大きくするなど読みやすくなった新版。」

    「ひとり残された敏子は、ふらふらと海に向かう。脚を海に打たれ、はっとした。「死んではいけない。」死んだら、だれがみんなの墓参りをするのか。「どんなことがあっても生きなければ。」敏子は戦争に怒りを持つ。戦争なんかはじめるのがいけないのだ。だれがはじめたのか。」
    (『いつか君に出会ってほしい本』田村文著の紹介より)

  • 表紙・カバー写真/石川光陽
    装画・本文さし絵/武部本一郎
    装丁/上矢津

  • 言葉にするのは難しいけれど、今の中学生くらいの子が、一人で生きていくなんて私には絶対できないと思う。

  • 子供に読ませた日本の戦争の本第2弾。
    東京大空襲や、あまり語られることのない湘南地方への疎開、空爆など、著者の自伝的内容。親切な他人や親切でない親戚、親戚内のいざこざ、なんかも赤裸々に描かれていて、ああほんとに、こういうこともたくさんあったんだろうなと思わされる。大きな悲劇(もちろん、大きな悲劇も出てくるのだけど)ではなくて、小さな悲しいことのあれこれ。 確かに、人も街も国も立ち直るけど、でも人々がこんな思いをしなくてもいいはず。
    戦争はしちゃいけない、というたった一つの原点。今また岐路に立って、守っていけるだろうか、私たちの世代。

  • 30年度 6-1(紹介のみ)

  • 新版だったせいか、すいすいと読めた。

  • 勘違いをしていたのは、これが「物語(フィクション)」だと思っていたこと。でも「体験記」だったのですね。
    広島、長崎、沖縄などとは違い、東京大空襲や神奈川・二宮への機銃掃射などは、あまり知られておらず、その実態については初めて知った。生きた心地がしなかっただろうとわかる。
    また、空襲の実態だけではなく、当時の暮らしぶりや疎開の実態、親戚との関係など、かなり克明に語られる。それぞれに事情があったことはわかりつつも、やりきれなさと悲しみを感じる。
    優しい人がいる。打算的な人もいる。
    いざ、同じ状況に置かれたら、自分はどうするだろうか、と考える。

    終盤、辛酸をなめた12歳の少女が、両親と妹を亡くしての絶望の中、光を見いだす太陽のような文章。それが、日本国憲法の第9条だったという。
    作者は語る。力強く。
    『この文面は、わたしにとって、まさに輝く太陽のように、まぶしく見えた。これなんだ。もうわたしたち国民は永久に戦争を放棄したのだ。よく歴史はくり返されるという。しかし日本の歴史はじまって以来、はじめて日本は外国に負けたのだ。(略)くやしいし、なさけない。そのうえ、たくさんの犠牲者を出した。
     だけど、それによって、永久に戦争はしないということを憲法に定めることができたのだ。日本だけでなく、相手国もきっときっと、数えきれないほどの被害と、悲しみを受けたであろう。わたしのように両親をなくした子もいるだろう。戦争によって利益をこうむった人は、ほんのひとにぎりの人たちだ。
     私は生きているかぎり、この憲法を守りつづけたい。そして、わたしのつぎの世代、またそのつぎの世代へと、この悲しみを伝えていきたいと思った。二度と戦争をくり返さないために。』

  • 読んでいて涙がとまらなくなった。
    東京大空襲で母と妹二人をなくし、アメリカ軍の航空機の機銃掃射で父をなくした敏子さん。
    周りの人のやさしさ、逆に親戚の冷たさ。いろんな経験を通じてそれでも懸命に生きてきた。
    戦争の悲惨さと無意味さ、平和の尊さがよく理解できる本だ。

  • 教育福祉学科 1年

    家族愛や、戦争について考えさせられる。

    資料ID:W0179209
    請求記号:D913||Ta 29
    配架場所:本館2F童話架

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