- Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
- / ISBN・EAN: 9784323073200
作品紹介・あらすじ
バックパッカーとして、約六十か国を旅してたどりついたアフリカ・モザンビーク。毎日のように、たくさんの人たちが貧しさや病気で苦しみ、死んでいく現実を目の当たりにした彼女は、女性や子どもを支援する協会「アシャンテママ」をたったひとりで設立した。目の前で苦しむ友達を助けたいという一心で、ひたむきにとりくむ彼女の姿は、現地の人たちの心を動かしていく-。
感想・レビュー・書評
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1冊目の本『なんにもないけどやってみた』やブログを読んでも感じることだけれど、彼女のしていることはとにかくもう「すごい」という他ない。誇張なしにいつ死んでしまってもおかしくない過酷な環境の中で彼女を動かすもの、その理由が彼女の中には確かにあり、危険も批判も両親を悲しませることも覚悟の上での選択なのだということが本著でわかった気がする。行動をもって尊さを知らしめてくれることに感謝の念が湧く。
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何かをきっかけにバックパッカーになって外国を放浪する人はいる。何不自由ない生活を一旦(また拾うにせよ)捨てて、日本の常識の通じない外国で自分で判断し、行動して体験するだけでも凄いと思う。
しかし、ここまでやる人は滅多にいないというか、武装解除の瀬谷ルミ子さんくらいしか(していることは違うが)知らない。
特に治安の悪いモザンビークでここまで人から裏切られながら、続けてこられたのはなぜだろう。
きっかけは親友の死に対する贖罪の気持ちだったと思う。が、エチオピアでたくさんの女性の死を看取ったことで、償いはできた、と私なら思うだろう。
現地の人のために頑張っているのに、大事なものやお金を何度も盗まれ、命の危険も感じ、差別され、脅される毎日だと、もううんざりだ、とならないところがすごい。旅立つまでは特に変わった経歴があるわけではないのに(売るために「渋谷ギャル店員」と書いてあるが、遊びもするけどちゃんと働いていたのだから立派だと思う)。行ったまま9年も帰っていないというのもなかなかできることではない。
しかし、この人がアフリカから戻って、関係ない仕事をしたとしても、この偉大さは消えるものではないと思う。 -
栗原さやかさんのモザンビークでの取り組みがすごい!自分も一歩踏み出して行動したいと思った。
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栗山さやかさんという女性は本当に強いと思った。
わたしも海外でボランティアしてみたいという思いはあったが、アフリカの方はこんなにも過酷な状況なのかと感じた。軽い気持ちでボランティアにはいけないな思った。でもいつかわたしもアフリカの子供たち、困っている人のためになにかをしたい。 -
“渋谷ギャル店員”という言葉に、正直偏見を持っていた気がする。
著者の栗山さんがアフリカでやってきたことは、他者への情と根性がなければ、普通の人ならまずできないし、続かないことだと思う。読んでいてショッキングだと思う出来事もたくさんあって、なんで投げ出さないでできるんだろう、って、若いとか女性とか日本人とか関係なく一人の人間としてすごい。 -
何が彼女にここまでさせたんだろう。そう、思う一方で、たぶん、その時そのときの彼女にとっての最善を尽くし続けた、ただそれだけの結果なんだろうとも思う。
毎日をひたむきに生きる。日本に住んでいると、そんなことが案外難しい。そしてそれはなんて贅沢なんだろう。 -
世界のはてで頑張っている人もいるのね…
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ふりがなもつけて、子どもたちにも読みやすく、やさしい文が綴られている
でも、その内容は!!!
どうしてここまで?!
ただただ感嘆する
ご両親、ご友人、お仲間のお力もあるだろうけど、真摯なまっすぐな想いと行動力
すごいなあ
過酷な環境でどうぞご自愛ください、さやかさん
≪ アフリカの 貧困の中 もがきつつ ≫ -
引き込まれて一気に読んだ。
のほほんと生きてきた自分のふがいなさを嘆いて、一念発起バックパッカーとして放浪の旅に出、行く先々で自分の目と足で現地の本当の姿を知ろうとし、言葉もままならないままボランティアに志願するなど、私に言わせればこれ以上ないほどの志だと思うのだが、それすら、好き勝手にふらふら放浪する情けない自分としてとらえている著者。
ありえないほど怖い目にあっても逃げ出さずあきらめず、心の底からの慈愛で出会った人々に自分の手を差し伸べる姿は、まさしく現代のマザーテレサそのものだ。
タイトルにある「渋谷ギャル店員」という言葉だけを拾うと、好きに遊んでいた子が突然ボランティアを始めたように見えるかもしれない。著者自身もいい加減なんじゃないかと思っていたそうだが、その店員の仕事はかなり厳しく、よくぞただの学生アルバイトでありながら逃げ出さなかったものだと思うほど。その厳しい中でも人との出会いを大切な財産として受け止めていた彼女は、社会人になって短大の学費を親に返そうと貯金したり、そのお金を、旅に出る前に親に託して自分に薬などを送ってもらうための費用に充ててもらうようにするなど、驚くほど真面目でまっすぐで聡明なお嬢さんなのだ。
彼女のご両親も、さぞかし見識の深い愛に溢れた方たちであろうことは想像に難くない。送り出す時も、アフリカにいる娘への言葉も、それを裏付けるものばかり。また彼女を取り巻く友人も素敵な方ばかりで、ジュエリーの勉強をしているという友人の言葉は、どんな大人にも聞かせてやりたい毎日を生きるのに忘れてはならない大切なことだとしみじみ思う。
とにかく苛酷な状況の中、なぜそこまでと思うほどの献身を厭わない(そしてそれを献身とすら思っていない)彼女の行動力と姿勢には恐れ入るばかりで、読んでいて自分が恥ずかしくさえなる。
何をするにも言い訳ばかりしていないか?逃げているだけなのじゃないか?と、それこそ私自身のふがいなさを突き付けられたような読書体験だった。
逃げ出すのは簡単。まずやってみる。それから考えても遅くない。
そして心がけていても時に忘れそうになる、周りのすべての人に感謝する気持ち。
そうだそうだ、そうなんだよね。
本当に素敵な女性です。
ふりがなもふってあり、難しい表現もない。小学校高学年くらいから読めます。是非。