新装版文芸まんがシリーズ 太宰治:走れメロス・富獄百景 (文芸まんがシリーズ 新装版 13)

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  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784324090213

感想・レビュー・書評

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  • まんがで読む太宰治。富獄百景の太宰さん、内容はもちろんのこと、絵柄もまさに太宰さんでキュート。

    バス内で、車窓から見えた月見草に関心を寄せる老婆に対する太宰さんの心の声。まさに太宰ワールド。

    以下、感想…「ロマネスク」より

    仙術太郎は、なんだか潜在意識を開花させた男の話のようで、のんびり、マイペースに、自分のやりたいことだけやれば、なんとなく神の啓示があり、物事がすべていく、しかし結果的にはエゴが出て思い通りにいかなかった男の話、、、のように私には思われて面白かった。

    喧嘩次郎兵衛は、これまた自分のやりたいこと(喧嘩)、という本願をかなえようとすればするほど、それ以外のことはどんどん叶い、とんとん拍子に進み、しかし本願は、それを切望する状態が続くばかりでなかなかかなわず、結果的によろしくない終わりを迎えてしまった、というような、引き寄せの法則をこじらせたような話に思われて面白かった(笑)

    そして嘘の三郎。嘘をつくこと、つきつづけることの苦しさに共感しながら読んでいると…なんだか「嘘ってなに?」「じゃあ誠ってなに?」「嘘をつき続けている自分も、真実をさらけださんとする自分も、どちらも真なんじゃないの?」「じゃあ自分ってなに?」という思いにまでいたった。袋小路の自己認識。苦しみ。

    最期に三人が出会う。「私たちは芸術家だ!」これまでの内容があった上での、この言葉、私には響いた!!

    「私たちは芸術家だ!」「王侯といえどもおそれない!」

    「金銭もまた、われらにおいて木の葉のごとく軽い!」

    太宰ワールド全開。




    そして

    カチカチ山のうさぎの言動には、みな覚えがあろう。

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著者プロフィール

1909年〈明治42年〉6月19日-1948年〈昭和23年〉6月13日)は、日本の小説家。本名は津島 修治。1930年東京大学仏文科に入学、中退。
自殺未遂や薬物中毒を繰り返しながらも、戦前から戦後にかけて作品を次々に発表した。主な作品に「走れメロス」「お伽草子」「人間失格」がある。没落した華族の女性を主人公にした「斜陽」はベストセラーとなる。典型的な自己破滅型の私小説作家であった。1948年6月13日に愛人であった山崎富栄と玉川上水で入水自殺。

「2022年 『太宰治大活字本シリーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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