新装版文芸まんがシリーズ 太宰治:走れメロス・富獄百景 (文芸まんがシリーズ 新装版 13)
- ぎょうせい (2010年4月13日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
- / ISBN・EAN: 9784324090213
感想・レビュー・書評
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まんがで読む太宰治。富獄百景の太宰さん、内容はもちろんのこと、絵柄もまさに太宰さんでキュート。
バス内で、車窓から見えた月見草に関心を寄せる老婆に対する太宰さんの心の声。まさに太宰ワールド。
以下、感想…「ロマネスク」より
仙術太郎は、なんだか潜在意識を開花させた男の話のようで、のんびり、マイペースに、自分のやりたいことだけやれば、なんとなく神の啓示があり、物事がすべていく、しかし結果的にはエゴが出て思い通りにいかなかった男の話、、、のように私には思われて面白かった。
喧嘩次郎兵衛は、これまた自分のやりたいこと(喧嘩)、という本願をかなえようとすればするほど、それ以外のことはどんどん叶い、とんとん拍子に進み、しかし本願は、それを切望する状態が続くばかりでなかなかかなわず、結果的によろしくない終わりを迎えてしまった、というような、引き寄せの法則をこじらせたような話に思われて面白かった(笑)
そして嘘の三郎。嘘をつくこと、つきつづけることの苦しさに共感しながら読んでいると…なんだか「嘘ってなに?」「じゃあ誠ってなに?」「嘘をつき続けている自分も、真実をさらけださんとする自分も、どちらも真なんじゃないの?」「じゃあ自分ってなに?」という思いにまでいたった。袋小路の自己認識。苦しみ。
最期に三人が出会う。「私たちは芸術家だ!」これまでの内容があった上での、この言葉、私には響いた!!
「私たちは芸術家だ!」「王侯といえどもおそれない!」
「金銭もまた、われらにおいて木の葉のごとく軽い!」
太宰ワールド全開。
そして
カチカチ山のうさぎの言動には、みな覚えがあろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示