ネパールの人身売買サバイバーの当事者団体から学ぶ―家族、社会からの排除を越えて

著者 :
  • 上智大学出版 発売ぎょうせい
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  • Amazon.co.jp ・本 (183ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784324102619

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    『■人身売買当事者(サバイバー)のライフストーリーを紹介し、被害の実態から克服の過程についての理解を促す。ネパールにおける人身売買被害者は、家事労働、工場労働、サーカス興行、性産業労働などで搾取されている。実際に被害に遭った当事者のライフストーリーから、その苛酷な経験や被害を乗り越えるまでの困難を追体験できる。

    ■当事者団体の存在意義と役割を示す。
    世界で最初の人身売買当事者団体としてネパールで結成された団体(シャクティ・サムハ)の設立からの軌跡や、活動を紹介。搾取からの救出後、家族や社会から排除される被害者も多い。社会への再統合過程における当事者団体の意義と役割に迫る。

    人身売買は遠い国の話ではない。性的搾取を伴う人身売買の被害者の多くは女性であり、国内に5万人以上いると言われる。当事者が声を上げるとバッシングを受けがちであることや、自分の権利を守る教育機会の欠如など日本社会の問題についても考えるヒントを与える。』
    (「ぎょうせい オンラインショップ」サイトより▽)
    https://shop.gyosei.jp/products/detail/9381


    冒頭
    『 第1章 世界の状況
    アフリカ大陸から欧米への奴隷貿易に代表される、金銭の授受を伴う「人の売り・買い」には、世界各地で長い歴史があるが、それらが人権侵害として認識され、禁止のための国際規範ができたのは、20世紀に入ってからである。』


    『ネパールの人身売買サバイバーの当事者団体から学ぶ―家族、社会からの排除を越えて』
    著者:田中 雅子
    出版社 ‏: ‎上智大学出版
    発売:ぎょうせい
    単行本 ‏: ‎183ページ
    発売日 ‏: ‎2017/5/12


    目次
     はじめに
    第1部 ネパールにおける人身売買   
     第1章 世界の状況            
     第2章 ネパールにおける課題と対応 
     第3章 サバイバーのライフストーリー            
    第2部 当事者団体の活動   
     第4章 サバイバーの当事者団体シャクティ・サムハ         
     第5章 シャクティ・サムハを支える人びと        
     第6章 当事者団体の特徴を生かした活動 
     第7章 人身売買サバイバーの当事者団体から学ぶこと


    メモ
    ・米国国務省が発行している『人身売買報告』
    『2016年版では、世界188カ国を取り上げている。評価は、高いものから順に「Tire1」「Tire2」「Tire2 Watching List」「Tire3」の4段階に分かれている。…日本は2004年に一度「Tire2 Watching List」に評価が下がったが、2001年から2016年まで「Tire2」の状態である。JKビジネスや買春ツアー、技能実習生に対する搾取の問題が指摘されている。目立った取り組みがない点を、厳しく評価されていることがわかる。』 31~32p

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著者プロフィール

流通経済大学法学部准教授(2023年4月現在)

「2023年 『政治学入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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