- Amazon.co.jp ・本 (354ページ)
- / ISBN・EAN: 9784326101597
作品紹介・あらすじ
現代の言語哲学の主要な論点を紹介する、堅実でバランスのとれたテキスト。
感想・レビュー・書評
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『言語哲学大全』をもっとコンパクトに、もっと簡明にするとこういう風になるのかもしれない。「意味」の理論を追いながら、言語哲学の歴史を辿り直す。練習問題つき。
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だいぶ、理解が怪しいが、一応通読したということで、登録する。しかし、難しかった。
意味論、指示の理論、語用論、などと分けて詳細な言語哲学の初歩的な理論を説明してくれている。ただし、ライカンが途中で紹介する具体例が、アメリカの文化色が強いものだったりすることがあるため、具体例として意味をなしていないということがあった。
また13章で、ストローソンの記述説への反論を、ライカンが取り上げて検討しているが、ここでのライカンの取り上げ方は少し気になる。ライカンが下した結論自体は同意できるものだが、ストローソンの反論の紹介の仕方が少々雑なため、よく考えないとストローソンの反論が、ライカンが検討したような議論の運びになるのか分かりづらい。
よく勉強になったし、著者のユーモア溢れる具体例などのおかげで面白かったが、非常に難しかった。言語哲学を全く勉強したことのない人が、本当に「入門書」としてこれを読もうとすると、100%挫折するだろうと思う。(でも、東大京大生なら読めるものなのかな…) -
言語哲学で問題となっていることがざっと見渡せる本。
研究課題として使えるような練習問題が各章の末尾についているし、文献案内も充実している。
ところどころ、ユーモアがあって面白い(例えば、「二人の哲学者が、固有名の直接指示説をたたえる宴を催しているとしよう。二人は輪になって踊り、『名前は名指すだけ!』とうれしそうに何度も叫び合っている。」p.152 とか、「もし、私に秘書がいて、使用人として専属のシェフと殺し屋が数人いたならば、この本ももっと早く書き上げることができただろう。」p.75 とか)。
しかし、学説を延々と解説しているだけなので、退屈であることは否めない。
「暗黒面」と題されているが、第13章が隠喩について書かれている。ありがたい。 -
08/05/04神保町・村山書店で購入。