言語哲学大全1 論理と言語

著者 :
  • 勁草書房
3.79
  • (10)
  • (8)
  • (14)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 219
感想 : 12
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784326152001

作品紹介・あらすじ

フレーゲとラッセルに始まる現代の言語哲学、そのエッセンスを分りやすく集約する。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  初学者にはとっつきにくい記号論理学の話が出てきますが、文体は非常に読みやすかったです。しかし、言語哲学についてもっと広く浅く紹介するものを読んでからの方が、理解しやすい印象で、入門には難しすぎると感じました。

     読解の手助けになるものとして、近刊の『はじめての言語哲学』を必要に応じて参照しました。

    私はミドリムシが動物なのか植物なのか考えるための参考のひとつとして、本書を読みました。感想、学べたことなどをnoteにまとめています。(https://note.com/midori_elena/n/ne588e39c6197?magazine_key=mb1d3161dcc72

  • すごく勉強になった。

    固有名の話や直接指示の話は、やはり何度読んでもわくわくするな。

  • 分析哲学の入門書としても読める本。
    前提知識なくても普通に読解力のある人なら全然読める内容だったとおもう。

    良い本だった。

    扱う領域は主に分析哲学とは何かという部分と、フレーゲ・ラッセルの指示論・意味論。

  • 分析哲学の始祖フレーゲとラッセルに関する事柄の入門書。入門書とはいうもののこのシリーズを読みこなすことは相当の知的体力が必要であると思いたい・・・。タイトルの通り、言語哲学に関する入門書なので、分析哲学を語るには欠かせない論理学等の解説はごく最小限にとどめている。(もちろん、議論の便宜上必要な解説はある)
    本書のシリーズを読み進めばわかることだが、フレーゲの「意義」と「意味」、ラッセルの「確定記述」及び「論理的固有名の探索」は言語哲学における根源的問いであることは間違いない。
    哲学史的な解説ではなくどのような事柄が問いの焦点となっているのかという観点から哲学的解説を行っている。そこが本書の質を高めているのだろうと思う。

  • フレーゲによる論理学の革命と意味の理論、ラッセルの確定記述句の分析を中心とする議論が扱われている。彼らの議論の単なる紹介にとどまらず、現代における分析哲学の議論の仕方に、彼らの仕事がどのような影響を与えたのかという観点からの考察が展開されている。日本語で読める言語哲学の入門書もかなり増えてきたとはいえ、本書はいまなお言語哲学に関する解説書のスタンダードであり続けている。

    現代の分析哲学が果たしたもっとも重要な貢献は、思考の捉え方を大きく転換したことにある。今日では、思考とは心の中で生じることではなく、言語を使用する能力の行使以外の何ものでもないと考えられるようになっている。こうした分析哲学の基本的発想にしたがうならば、哲学という営みにとってもっとも基礎的な理論は、言語的表現一般についての理論だということになる。本書ではこうした観点から、フレーゲとラッセルの論理についての思想が、言語の体系的意味論という分野においてどのような貢献をおこなったのかを解き明かされる。

    フレーゲは、認識者とは独立に存在するという意味での客観性を有する「思想」(Gedanke)を、彼の哲学に導入する。この「思想」について重要なことは、それが真理性を問うことができるものだとされていることである。こうした洞察に基づいて、彼は文の真理値に対する寄与によって語の意味の一般的特徴づけを与えることができると考えた。彼の哲学における体系的意味論は、こうした観点から構築されたものだと理解することができる。

    他方ラッセルは、言葉の意味はそれに対応づけられる存在者だという、素朴な実在論的意味論の立場に立っていた。だが彼は、こうした立場を貫徹することができなかった。彼が直面したのは、all、every、any、a、some、theといった「表示句」(denoting phrase)を含む表現の問題である。この問題の解決を図ったのが、論文「表示について」だった。彼はこの論文における表示句の分析を通じて、命題の論理形式は、それを表現する文法的構造と一致するとは限らないという洞察を手に入れた。この論文が「哲学的分析のパラダイム」とまで呼ばれることになった理由はこの点にあるのだが、ラッセル自身の意図はあくまでも、彼の素朴な実在論的意味論を救うことにあったといわなければならない。

  • これに挑みたいものだ
    今年の目標としようかなぁ・・・

    とりあえず
    図書館で借りてみよう

    P40まで
    とりあえず返却

  • 未読了。節読み。

  • 第2章 フレーゲ的意味論の基礎

     2.1 意味と像
           言葉の意味をなんらかの心的なイメージに帰する理論
           これをヴィトは探求で徹底的に批判

     2.2 文脈原理と

     2.3 意義とイミ
     2.5 フレーゲ的意味論の構造

  • 2008/12/11(〜p66),12(〜p103),17(〜p148),18(〜p181),19(〜p251終)

    前に読んだ、中島義道氏著作の「哲学の教科書」の参考(紹介)文献に載っていた本です。
    これは友人からも「読んでみたら?」と前々から言われており、図書館で探したのですが本自体がなく、
    リクエストしてやっと読むことが出来た1冊です。
    ちなみ他図書館から貸し出ししてきたものらしく、延長できなかったです。。

    ちなみこれは4巻まであり、今回わたしは3巻まで借りたのですが、結局読む時間がなくて(バイトのせいで、、ばいとのせいで、、怒)
    1巻だけで返却してしまいました。
    また借りるとしたらまた他図書館を通して借りなくてはいけない為、時間と手間がかかるという。


    けれど、内容としてはとっても面白かった!
    星5個じゃ足りません。8個くらいつけたいくらい面白いものでした!
    なぜ面白いと思えたのかというと、私は今大学の授業を許可もらいつつ、もぐりで受けているのですが、
    その授業で習っていることがほとんど出てき、そして、私の受けている授業の教授の名前もでてきたので勝手に興奮し、
    わからないところも少なくはないのですが、でもほとんどが理解できるということで読んでいて日に日に楽しさが増してくる1冊でした。

    ラッセルやフレーゲの話。
    1巻はこの二方の話で盛りだくさんでした。

    近々また2巻からかりて読んでみたいと思っています。



  • 言語哲学大全、全四巻の一巻目。決して読みやすいとは言えないが、言語哲学を始めるにあたって一度は読んでおきたい。

全12件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

飯田 隆(いいだ・たかし)
1948年北海道生まれ。主に言語と論理にかかわる問題を扱ってきた哲学者。東京大学大学院人文科学研究科博士課程退学。熊本大学、千葉大学、慶應義塾大学、日本大学文理学部で教え、現在は慶應義塾大学名誉教授。科学基礎論学会理事長と日本哲学会会長を務めた。著書に『言語哲学大全』(全4巻、勁草書房)、『ウィトゲンシュタイン――言語の限界』(講談社)、『新哲学対話』(筑摩書房)、『規則と意味のパラドックス』(ちくま学芸文庫)、『日本語と論理』(NHK出版新書)、『分析哲学 これからとこれまで』(勁草書房)、『虹と空の存在論』(ぷねうま舎)など、編著に『ウィトゲンシュタイン以後』(東京大学出版会)、『ウィトゲンシュタイン読本』(法政大学出版局)、『哲学の歴史11――論理・数学・言語』(中央公論新社)など多数。

「2022年 『不思議なテレポート・マシーンの話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

飯田隆の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ダニエル・C. ...
村上 春樹
戸田山 和久
ドストエフスキー
三島由紀夫
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×