女性状無意識: テクノガイネーシス-女性SF論序説

  • 勁草書房
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784326152896
#SF

作品紹介・あらすじ

を独自のキー概念として、母娘関係、両性具有、サルSF、人肉美食、サイボーグ・ラップ、やおいカルチャー等を論究。女性SFにフェミニズム文化論の最先端を洞察する。来たるべき女性論。

感想・レビュー・書評

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  • 1000 青空

  • 第9章を読みたいがために、SFだのフェミニズムだのに関してほとんど知識もないまま挑戦した。

    集中しないと、修辞にあふれた文体に押し流されてしまいそうになる。
    入試問題の論説文のような感じ。特に深い知識のない分野の文章は読みにくい。

    SFの設定やシナリオを論考するという発想自体が私にとっては新しく、興味深かった。これから様々なものの捉え方が変わりそうだ。
    例えば昨年ハマったRewriteはまさにSFだ。環境破壊、スタンスの異なる2大勢力、全てを終わらせる「女性的なもの」、本書を読めば読むほど、Rewriteの設定はオーソドックスなSFそのもので、私だったらどのように分析できるだろうと考えると改めてプレイしたくなった。

    西欧家父長制を背景に生み出された物語を、女性の立場から読み直し、噴出させる矛盾。鮮烈な問題提起。
    そういう意味でやおいはフェミニズムであり、SFなのかもしれない。

  • 783夜

  • ガイネーシス=キリスト教的家父長的男性優位社会にあって社会の枠組みには収まらない「女性的なもの」〜夢、狂気、無意識の概念。著者は資本主義的家父長制男性優位的基盤を持つこの巨大なメディアに覆われた地球のテクノロジー統制下にあって、噴出する女性的セクシュアリティの暴力的イメージ=これをテクノガイネーシス(女性状無意識)と名付ける。この「テクノガイネーシス」を持つと思われる女性作家SF作品を論じた冒険的な評論集。以前この著者の『テクノゴシック』を読んでいるが、此方の方がスリリングでおもしろかった。

  • 長らく積ん読していた本。もっと早くに読めば良かった。でも、このタイミングで読んだからこそ感銘を受けたのかもしれない。『フランケンシュタイン』がフェミニズムSFの原点だったとは。そして、フランケンシュタイン(怪物のほう)がベジタリアンだったとは。

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著者プロフィール

1958年富山県生まれ。薬剤師を経てSF&ファンタジー評論家。日本のコスプレの草分け。
日本SF作家クラブ会員。ジェンダーSF研究会発起人。2003年より日本ペンクラブ女性作家委員会委員長。
『女性状無意識』(勁草書房)で1994年度日本SF大賞受賞。
その他の著書に『聖母エヴァンゲリオン』(マガジンハウス、1997年)、『ファンタジーの冒険』(ちくま新書、1998年)、『おこげノススメ』(青土社、1999年)、『ハリー・ポッターをばっちり読み解く7つの鍵』(平凡社、2002年)、『エイリアン・ベッドフェロウズ』(松柏社、2004年)、『テクノゴシック』(ホーム社、2005年)、『星のカギ、魔法の小箱』(中央公論新社、2005年)など。

「2010年 『リス子の SF、ときどき介護日記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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