ぼくらが原子の集まりなら、なぜ痛みや悲しみを感じるのだろう: 意識のハード・プロブレムに挑む

著者 :
  • 勁草書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784326154340

作品紹介・あらすじ

意識という現象を自然科学的な枠組みで理解することは可能か。「物理主義」「自然主義」「クオリア」「意識の表象理論」「志向説」とはなにか。本書は、これまで多くの哲学者や科学者が「意識のハードプロブレム」といわれる難問を解決するべく打ち立ててきた理論を解説、批判的に検討し、そのうえで新たな理論を提案する。

感想・レビュー・書評

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  • タイトルがミスリードに過ぎると思ってしまうほど、中身は
    ゴリゴリの哲学書。意識のハード・プロブレムについて、
    様々な考え方を紹介しつつひとつひとつ可能性をつぶして
    意識経験は本来的表象であるという著者の説に導いて行く。
    議論は丁寧で決してわかりにくくはないのだが、哲学的な
    文章に慣れていないとついて行くのは難しいかも知れない。

    ぼくらが原子の集まりなら、なぜ痛みや悲しみを感じるの
    だろうと問われれば、そのように出来ているから、で納得
    してしまう私にとっては、なぜ人は意識のハードプロブレム
    をハードプロブレムと感じてしまうのか、ということの方が
    疑問であるかもしれない。

  • タイトルがめちゃめちゃ興味深く、
    つい手に取ってしまった!!!

    だが、内容が難しく、僕の文章読解力では
    理解できなかった

  • 著者:鈴木貴之
    ジャンル 哲学・思想・倫理
    ISBN:978-4-326-15434-0
    出版年月 2015年1月
    判型・ページ数 四六判・304ページ
    定価: 本体3,000円+税

    意識という現象を自然科学的な枠組みで理解することは可能か。「物理主義」「自然主義」「クオリア」「意識の表象理論」「志向説」とはなにか。本書は、これまで多くの哲学者や科学者が「意識のハードプロブレム」といわれる難問を解決するべく打ち立ててきた理論を解説、批判的に検討し、そのうえで新たな理論を提案する。
    http://www.keisoshobo.co.jp/book/b186356.html


    まえがき
    序論

    第1章 意識のハード・プロブレム――特別な難問
     第1節 物理主義――問題の背景
     第2節 なぜ意識の問題は特別な難問なのか

    第2章 意識のハード・プロブレムは解決不可能か
     第1節 思考可能性論証――ハード・プロブレムは解決不可能?
     第2節 新神秘主義――ハード・プロブレムは人間には解決不可能?
     第3節 タイプB物理主義――ハード・プロブレムは解決不要?

    第3章 意識の表象理論――もっとも有望な理論
     第1節 クオリアにかんする志向説――クオリアとはなにか
     第2節 志向説を一般化する――意識経験は知覚経験である
     第3節 さらなる反例に対処する
     第4節 意識経験の一般的特徴を説明する

    第4章 意識の表象理論の問題点
     第1節 意識経験と表象の関係――表象が意識経験となるには
     第2節 物理的性質と経験される性質の関係――色は表面反射特性か
     第3節 意識経験の実在性――なぜそこにないものが見えるのか

    現在地点の確認

    第5章 本来的志向性の自然化――表象とはなにか、もう一度考えてみる
     第1節 自然主義的な志向性理論――いかにしてあるものは別のものを表すことができるのか
     第2節 本来的志向性と派生的志向性――意識経験と文や絵の違い
     第3節 本来的表象の自然化(その1)――なにが本来的表象なのか
     第4節 本来的表象の自然化(その2)――本来的表象はなにを表象しているのか

    第6章 ミニマルな表象理論――意識と表象の本当の関係
     第1節 ミニマルな表象理論――本来的表象は意識経験である
     第2節 自然主義的観念論(その1)――物理的性質と経験される性質の関係
     第3節 自然主義的観念論(その2)――そこにないものが見える理由
     第4節 ミニマルな表象理論から言えること

    第7章 ギャップを無害化する
     第1節 3つの応答の試み
     第2節 知覚と思考――ギャップの正体

    結論、または間違いさがしのお願い


    用語解説
    参照文献
    あとがき
    人名索引
    事項索引

  • ロマンチックなタイトルとはかなり違った内容。意識の問題が特別なもの「ハードプロブレム」であるという事を説明する試みだけでもついていけなくなるくらいに難解。
    ましてや悲しみのような感情を説明するなんてとんでも無く困難なことなんだろう。この本にもそこまでの事には結局踏み込んでいない。
    わかりやすくしようという腐心は感じられるがいかんせん内容が難解。

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著者プロフィール

東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻 相関基礎科学系教授。
著書に『人工知能とどうつきあうか』(勁草書房 近刊)、『100年後の世界』(化学同人 2018)他

「2023年 『談 no.127 自動化のジレンマ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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