合意形成学

制作 : 猪原 健弘 
  • 勁草書房
3.67
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本棚登録 : 51
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784326301966

作品紹介・あらすじ

現代社会には、気候変動やテロのようにグローバルな問題、またダムや発電所などの建設をめぐる地域の問題に加え、感染症など社会生活に広く影響する問題があふれている。こうした多様な意見がぶつかりあう場面でこそ、「合意形成学」が求められる-。社会学、工学、情報学など多彩な分野から、領域横断的に合意形成を見通す1冊。

感想・レビュー・書評

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  • 数学を使って合意形成を読み解く本。読み解きには数学の再勉強が必要。なので積ん読。

  • 大学院『合意形成学』の授業で実際に使われている教科書です。仕事をするときにどうしても必要な合意形成。合意形成の数式表現(!)や、公共事業・医療・ITの現場で実際に行われた合意形成の例が載っており、「合意」に関する考えが大きく変わります。
    (有機・高分子物質専攻 M2)

  • みんなやる気があるとは限らない。興味や関心のない人をどうやって話し合いのテーブルにまで引っ張ってくるか。ずっと私の課題です。がんばり損とか、そういうつまらないことを言いたくないのです。

    著者のいうところ、それは仲間意識と信頼に基づいていて、話し合いをする前に、そもそもテーブルに着くか、着かないかは、信頼が必要という説が紹介されています。そこで、誰かに親切にしてもらったら、親切にされた方はベネフィットとして2ポイント得る、親切にした方は労力として1ポイント失う、という設定からはじまる仲間意識の拡大を説明するモデルが紹介されていて、もうこれが面白くて最高だった。なんもしないと、親切にするだけ損していくので、ゲームを成り立たせるために、「仲間」「敵」の認識の傾向を6タイプ(誰にでも仲間として親切にする人、仲間に親切にしてる人だったら親切にする人、誰でも敵だと思う人、など)に分けて、1ターン終わるごとに「挫折」「学習」して、その認識傾向を修正する人も出るようにすると、仲間意識は変化拡大していくのです。さらに「認識エラー」もある一定の確率で発生させる。ネーミングもばつぐんです。このモデルを読みながら、まったく共同作業をしたがらない人は、単に人間がキライなだけなんだと、なんかすっきり腑に落ちたところがあり、気分爽快でした。

    また、討議型意識調査手法「Deliberative Poll」というのが紹介されてて、これも非常に興味を惹かれた。読書、続く。

  • 合意形成について多様な側面から迫っているため、視野を広く持つためには役に立つ本であると感じた。

    逆に、特に前半の理論面については、実際に実務の中で合意形成が必要な場面でどうすればよいかということとは、直接的にはつながらない内容に感じた。

    後半は、さまざまな手法の紹介や現場での合意形成の課題が述べられているため、具体的な場面のイメージに引き付けて読みやすかった。

    もう少し、理論と具体的な手法のつなぎがあるとさらによいと感じたが、社会理論に関する研究において、そこの部分が最も難しいのだろう。

    シミュレーションを使って、個々のプレーヤーの戦略によってどのように集団の統一性が消長するかを分析した研究や、数理モデルによって、合意の存在や安定性を証明している研究は、普段なかなか持たない視点だったので、純粋に面白かった。

  • 合意形成について、歴史的見知、ゲーム理論、数理モデルなど、学際的に扱っている。
    アカデミックであり、興味深いが、寄せ集め感が否めない。
    実践編として、公共事業や医療、wikipediaにおける合意形成を扱っているが、会議での、合意形成に直接役立つとは思えなかった、

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