二つの政権交代: 政策は変わったのか

制作 : 竹中 治堅 
  • 勁草書房
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784326351701

作品紹介・あらすじ

2009年に民主党に政権が交代し、2012年に自民党に政権が戻った。この二つの政権交代は政策の内容やその決定過程にどんな影響を及ぼしたのか? 農業、電力・エネルギー、コーポレート・ガバナンス、社会福祉、税制、外交、防衛、法制執務の8つの政策を精査すると、安倍政権と民主党政権の知られざる継続性が浮かび上がる。

感想・レビュー・書評

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  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/712735

  • 2009年の政権交代と2012年の政権交代にかけて見られた政策転換及び継続性を、複数の政策分野にフォーカスを当てて分析した作品。

    一見すると安倍政権への交代から大きく政策が変容している印象もあるが、実際にはそうではないと主張している。

  • 東2法経図・開架 312.1A/Ta64f//K

  • 本書を読んで「民主党政権の3年間」の評価が全く変わった。目から鱗である。
    期待が大きかっただけに、政権を取った民主党の小沢・反小沢の抗争には呆れた。民主党とは組織の体を成していないと多くの人々も考えたからこそ2012年の安倍自民党の衆院選大勝があるのだろう。3年間の民主党政権の評価は現在でも最低である。
    しかし本書で冷静に政策の変遷を検証すると全く違う風景が見えてくる。2009年の民主党政権が大きく政策を転換した課題のうち、その後の自民党復活後もそのまま継続されている政策が最も多いとは!
    もちろん社会状況の変容もあるだろうし、産業構造の変化もあるのだろう。しかし二大政党制とは何処の国でも政策の振れ幅は小さいという事か。そういえば安倍政権も経団連に賃上げを要請するなど社民党と見紛うばかりの発言を繰り返している。
    だとすれば、やはり政権交代は積極的に評価できる。昨今の加計学園をめぐる安倍政権の醜態をみるように長期政権は腐敗しやすい。
    最近は政治もバラエティー番組の題材となっているが、本書のような冷静な政策の検証は極めて重要と思えた。

    2017年6月読了。

  •  外交・安保の章を中心に読了。鳩山政権の普天間移設見直しや安倍政権の集団的自衛権容認があるだけに、自民・民主両政権の差異のイメージが強かったが、少なくとも09年の政権交代後はむしろ連続性の方が大きいとのことだった。
     アジア外交については主として中国の台頭、ついで北朝鮮の脅威を背景に、第一次安倍政権以降「アジア外交の安全保障化、安全保障政策の地域化」「同盟を基軸に据えた外交路線」が一貫しているとのこと。鳩山政権はむしろ例外だろう。最近読んだ『日米同盟はいかに作られたか』では、池田政権期に日本が日米同盟の負担分担として経済援助を行っていたとあったが、現在では一歩進んで直接的な安保の色彩が強くなっているということだろうか。大体、経済援助の規模では中国のそれの方が上回るだろうし。
     防衛大綱では、日本の安保コミュニティがそれほど大きくないだけに同じ顔触れが政権が代わっても一定の影響力を及ぼしている、との指摘は頷ける。09年大綱におけるそれまでとは異なる「基盤的防衛力」や官邸・政治主導は、民主党政権だからというよりより大きな情勢の流れに応じたものだろう。
     憲法解釈の変更や内閣法制局の役割の変化はさすがに第二次安倍政権のカラーが強い。ただ、本書では触れられていないが、平和安全法制の中でもたとえばPKO法の駆け付け警護は民主党政権下でも一定の検討がなされていたという。その部分についてはそれが政権交代の結果結実したに過ぎないとも言える。

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