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- Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
- / ISBN・EAN: 9784326401116
感想・レビュー・書評
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おそらく日本で数少ない、シィエスの思想を全般的に扱った研究。『特権論』『第三身分とは何か』といったある程度まとまった著作から、1789年の人権宣言草案や国民議会での演説、1795年の憲法草案などまでシィエスの著作を幅広くカバーしながら、当時の社会状況や政治状況の中でシィエスの思想がどのような意味を持ったのかを詳しく論じている。構成は以下のとおり。まず、(レヴィジョニスト以前の)革命史研究を踏まえながら革命期シィエスの党派を定義する「第一部」(「研究視角」と「フランス革命とシエース」)、第二部では、労働による所有権の基礎づけというシィエスの論理をロックなどを参照しつつ論じる「人権」、国民主権と人民主権という2つの範疇を前提としつつ、シィエスが国民主権論に位置することを明確にする「主権」、最後に、ジャコバン独裁以降のシィエスの憲法思想を中心に論じる第三部、以上のようになっている。現代の法理論にとってシィエスの思想が持つ意味を批判的に検討しており、また革命期フランスにおける政治的主張の実相を知ることができるという点で、非常に有益な研究であると思われる。
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