- Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
- / ISBN・EAN: 9784326498444
作品紹介・あらすじ
読み物風に書かれ、読者は楽しみながら読める。結論を導き出すための論理過程、判断のすじみちが理解できる。身近な具体例により本質的かつ奥の深い議論がやさしく解説される。現代によみがえる名講義。7年ぶりに全面的見直し、最新情報を盛り込む。
感想・レビュー・書評
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正直、法学部に入部して法律を学ぶ前に読んでおきたかったと心底思う本。本のタイトルは「民法案内」だが、民法だけでなく法律を学ぶ上で重要な心得が詰まっている。
大学の頃は、定義やら契約の主体やら、善意ある第三者やら、なぜこんな細かいことを覚えないといけないのか、全く分からず、その分からないことを明らかにしようとすることもせず、ただ暗記に努め、面白さを感じることなく、法律の勉強を終えた。今、企業法務の一員としてそれなりの業務経験を積んだこともあり、(自分の稚拙な文章能力では上手く言い表せないが)法律の必要性、法律で全てを規律することの限界や問題点、なお法を考えながら生活することの意義がよく理解できた。学生の頃は、無機質で社会の何に役に役にたつかも分からなかった条文や解釈、論点に関する勉強が、社会の安定と成長のために、苦心しながらも法律や理論で日常起きる事を定義し整理していく様を知ることだと実感できた。そのことが本当に知的好奇心と向上心を刺激する。
一法務部員として、法律に触れながら、少しでもより良い社会の実現に資する言動を心掛けたい。そのために時間の許す限り勉強を諦めず、自分が信じる所を実現するための専門性を積み重ねていきたい。そんな大げさな決意を新たにさせてくれる本だった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
法学部の1年生に向けて書かれた本と思われ、第一章では「講義には必ず出ること」なんて書かれてあったりするが、第二章以降は民法を学ぶにあたって必要な民法の考え方をわかりやすく教えてもらえる良著。
我妻先生はとっくに亡くなられているが、その後も引き継がれ、内容も古いままでなくきちんと更新がされ続けている本。
中身も条文のように細かく番号が振られ、そのおかげで後で参照するときにも番号を示されてるとどの内容の話だったのか戻って確認がしやすい。
ただ最期の方の調停制度以後と附録は個人的には不要であった。
この後もシリーズとして総則、物権などと続くそうであるが、残念ながら地元の図書館にはこの本しかなく、続きを読みたいのだがわざわざ買うほどまであるかどうかはかなり悩ましい。この一冊目だけで言えば一度読んで民法を広く捉える考えが身につけば購入して繰り返し読むほどでは、という気がする。
しかしながらボリュームと一見での印象よりは遥かに読みやすく、まるで講義を聞いているかのように頭に入ってきやすい。 -
読み直したさ:★★★(図)
第三章は、私法の特別法について学ぶ際、その基本原理を確認する上で読み直したい。
〈感想〉
とても面白く読めた。ただ、補筆された箇所のうち、法源につき新しく制定された法律を列挙する部分は、読む気が起きないはかりか我妻先生の意志に沿わないものであろうと思う。制定された特別法などは分厚い基本書に任せればよい。 -
伊藤塾の行政書士講座で山田先生が紹介されていた本。
大学の生協にあったので購入。。。民法ばかりではなくて、法律を学びはじめるときに買って一度は読んでみたい本。
もっと前に読んでおけば、ノート作りとか全然違っただろうな、と実感。とりあえず、先を読み進めていこう、とおもうが、先生から見た学生たちへの視点としての一文が、心にぐさっときたのが、購入のきっかけ。
赤線を引いて、耳が痛かった部分を声に出して読んでから、他の部分を読むと、心にしみいります。民法、もうちょっとがんばろ。楽しくなりそうな気がしてきました。