フランス女性はなぜ結婚しないで子どもを産むのか

著者 :
  • 勁草書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784326653782

作品紹介・あらすじ

先進国の中でも高い出生率を誇るフランスは、離婚率や結婚せずに子どもを産む割合「婚外子率」の高い国でもある。人口学、憲法、ジェンダー等の専門家が、日仏の家族観、結婚制度、国の支援をわかりやすく比較。フランスの事例を通して日本の結婚、出産、子育ての現状と打開策を考える。

感想・レビュー・書評

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  • 先日あるTV番組で「安藤美姫さんがシングルマザーになった件」に触れ街頭インタビューをしていました。
    30代女性に「結婚はしたいと思わないけど子どもは欲しい」という人が多く、また、その母親世代の60代女性たちにも「娘がシングルマザーになってもいい。子育てに協力する。」という人たちが多かったのには驚きました。母親たちは「子供は好きだけど、夫はいなくていい」と思うことが多いのでしょうか。一緒にいると欠点が目につくけど、結婚して良かったこともたくさんあったのでは?

    でも、その安藤美姫さんも、一人で子どもを育てているフランス女性たちも、決してシングルマザーになりたくてなったわけではないと思います。本当は愛する男性と子どもとで幸せに暮らしていきたいんです。だから上にかいたインタビューの母娘たちとは話は別です。

    さて、この本の「結婚しないで子どもを産む」には二通りあります。ひとつは上に書いたように、母ひとりで子どもをを育てるもの。

    もうひとつ、フランス女性は未婚で子どもを育てていても、カップルで暮らしている例はたくさんあります。例えばパックスという、結婚と同棲の間みたいなものがあります。
    フランスで結婚離婚は手間がかかるのです。日本みたいに届出一つで簡単にできるものではありません。(だから日本では藤圭子さんみたいに結婚と離婚を繰り返す夫婦ができてしまうんですね。)
    同棲やパックスから結婚に移行することもあります。でも決してパックスがあるから出産が多いというわけではないようです。

    出生の多い理由のひとつとして、フランスは子供にやさしい。日本よりも、シングルマザーが仕事しながら子育てしやすい社会になっています。ただ、それでも貧しいのはいっしょです。

    最近、フランスで暮らす中村江里子さんの本を読んで、私なりに思ったことがあります。
    フランスは無痛分娩が主流だそうです。日本はちがいますよね?私のまわりも「もうこりごり」という人多いです。せいぜい二人ですね。「出産が楽ならもう一人頑張ってみようかな?」という人もいるかも?

    それと、日本人は子どもができると夫婦じゃなくてお父さんお母さんになってしまうって。だから離婚もフランスには及ばないのではないかと思いました。子どもができてもラヴラヴでいようって思うから、愛がさめたら別れましょう→シングルマザーになってしまうのでは?

    私は日本人だから、日本のやりかたで満足しています。夫婦同姓でいいし、最近話題になった非嫡出子の扱いも今まで通りでいいと思います。「日本だけがちがう」「日本は遅れている」みたいに、次々欧米の真似をしなくていいです。もともと日本は島国なんだから。

    私は時々、そんなにかっこよくない男の人の手を、すごく可愛い子どもさんがしっかり握って歩いている姿を見ると「子どもってありがたいものだなあ」と思います。

    そして、さまざまな人間関係は、気に入らなければ離れるということができますが、結婚は契約だから、基本的に、そう簡単には離れられません。でも決心して好きな人と一緒になったからこそ、ひとつひとつのトラブルをいっしょに解決して、恋愛時代にはなかった愛情と信頼を築き上げることが大事なんじゃないでしょうか。

    そして、いちばんの少子化対策は、あの手この手で女性たちにどんどん出産させることではなく、幸せな国ニッポンをつくっていくことではないでしょうか。

  • 配置場所:摂枚普通図書
    請求記号:367.4|| I
    資料ID:51300421

    産みたいときに、安心して産み、育てられる環境とは? フランスに照らして考える。
    (母性看護学領域 推薦)

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著者プロフィール

獨協大学名誉教授。訳書にシモーヌ・ド・ボーヴォワール『決定版 第二の性 Ⅰ、Ⅱ』(共訳、新潮社、1997年)、同『モスクワの誤解』(人文書院、2018年)、フランソワーズ・エリチエ『男性的なもの/女性的なもの Ⅰ、Ⅱ』(共訳、明石書店、2017年、2016年)、編著に『フランス女性はなぜ結婚しないで子どもを産むのか』(勁草書房、2012年)など。

「2019年 『フランスの同性婚と親子関係』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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