マス・メディア時代のポピュラー音楽を読み解く: 流行現象からの脱却

著者 :
  • 勁草書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784326653980

作品紹介・あらすじ

ポピュラー音楽は一般的に「流行りもの」として、時期が過ぎれば忘れ去られるものと捉えられるが、楽曲を精査することでそこから当時の世相や文化・社会構造が読み解ける表象でもある。本書は歴史的な視点とそれを念頭にした音楽制作者側への聞き書きとその精査によって、ポピュラー音楽を文化装置として読み解く研究の可能性を示すものである。

感想・レビュー・書評

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  • 764.7||To

  •  ポピュラー音楽の定義を著者は次のように書く。「主に20世紀以降、すなわち複製技術の発展によって大量配給が可能であり商品化された音楽。」この見事な定義が音楽そのもののジャンルよりもマスメディアとの関係で書くということは音楽論というよりも社会論、世相史、サブカルチャーとしての位置づけの著書であることを示唆している。阿久悠(1937年生れ)の歌詞の分析からの時代解釈。そして米軍基地から始まった日本のポピュラー、バックバンドの前で歌うのが通常であった音楽番組がいつの間にか失われてきていることは、それが商品化されたポピュラー音楽の変遷と密接に関係があることは面白いところ。

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著者プロフィール

1965年生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了。博士(人間・環境学)。現在、成城大学教授。専攻は音楽学、社会文化史。
著書に、『マス・メディア時代のポピュラー音楽を読み解く――流行現象からの脱却』(勁草書房)、『進駐軍クラブから歌謡曲へ――戦後日本ポピュラー音楽の黎明期』(みすず書房)などがある。

「2016年 『日本文化に何をみる?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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