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- Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
- / ISBN・EAN: 9784326950263
作品紹介・あらすじ
戦災孤児佐野〓@51AB俊少年はその境遇を栄光として生きた。佐野美津男遺稿。
感想・レビュー・書評
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「百年の子供」繋がりで読んだ。「鐘を鳴らす子供たち」に出てくる子供像がフィクションなのはもちろんだが、佐野さんの子供時代であるこの「浮浪児」の生々しさ。時々記憶があやふやで「どこをどうしたのかいつのまにかこうなっていた」という描写がさらにリアル。松戸のババアを殺したいと思うほどに何があったのか、なぜ親戚よりも無宿を選んだのか説明がないところや、イキがって悪さをする合間合間に、死ねば空襲で亡くなった両親や姉に会えるかもと涙する突然の子供らしさの描写に、戦争孤児の現実が迫ってくる。歴史の教科書を読んでいるとどうしても8/15で全てが清算されたかのように勘違いしてしまうが、「日本の一番長い日」しかりこの本しかり、現実には終戦と戦後の間をずっと引きずっていた人の多かったことがわかる。
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