英文解釈教室 改訂版

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  • 研究社
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  • Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784327764128

感想・レビュー・書評

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  • 昔の人は、これを受験生の時読んでたのかと思うと、驚愕します。

    難しいですが、高校英語の文法を一通り理解し、単語のレベルが付いていけて(単語のレベルはそんなに高くないです)、大きな苦痛を感じなければ、絶対にやっておくべき本で、リーディングのバイブルかと思います。

    英検2級以上TOEIC800を超えたあたりの人からじゃないとキツイんじゃないかと思いますし、ほかに先にやるべき学習があるように思います。

    読解と言っても品詞分解系ではなく、あくまで左から右へという意識で読み進めるための説明なので、やることによる弊害というのはないと思います。構文を非常に強く意識させる方法ですが、事実こういった難しい構文とその例外に慣れておかないと高度な英文は読めません。

    多読だけじゃ絶対に理解力はあがりませんので(おそらく英検準一級とかTOEIC900あたりで頭打ちになります、経験談として)、精読の必要性を感じた時に、先にあげた程度の英語力があるならばまっさきにこれをおススメします。

    文章が古いとか日本語がくどいとか訳がぎこちないなどの批判はありますが(どれも確かに事実です)、これだけの量と練習用としては質の高い英文と徹底した著者のぶれない解釈法によって解説されている英語教材は他にはありませんのでこれがベストでしょう。

  • ただし読み終わったのは22年前。大学受験を控えていた頃、英語の成績がひどかったので、部活の顧問だった英語の先生に特訓して貰った時の参考書でした。当時の私にはレベルが高すぎて、毎日1ページ程度を、ほとんど写すようにしてノートを作っていきました。単語がわかっても構文が解らない、意味を的確に捉えられない。毎日泣きそうになりましたが、半年後にはそれなりに力が付いたのが自分でもわかるくらいの効果があり、おかげでめでたく合格できました。

    英文は慣れれば英語のまま意味を読み取っていけば良いのですが、それが身に付くまでは、文法を手がかりに読み解いてゆくしかありません。この本は、文章を理解するための方法論を、難易度の高い例文とともに、頭に叩き込んでくれます。そのアプローチの是非は措くとしても、苦労して読むだけの甲斐はある内容を含んでいます。

    最近偶然目にしたので、懐かしさのあまり買ってしまいました。当時の版はたしかハードカバーで、改訂前。既に内容はまったく忘れていましたが、今読んでもけっこう難しいな、と思うところもあります。一行一行を全力で読み解いてゆく作業でしか得られないものがあることを教えてくれた書物です。

  • 大学受験のための英語参考書だが、私の認識様式にとって、大きなインパクトのあった本。

    私は幼いころから英語をやっていたせいか、もともと英語は得意だったし、
    この本を片手に騒いでいる「学年トップ集団」よりも、英文読解の成績は良かった。
    それなのに、どうしてこの本を読む気になったのかというと、
    「受験英語で一番難しい」「この本をやるヒマがあったら、他の勉強をすべき」といった
    奇妙な評判にそそのかされて、「いっちょ覗いてやるか」と冷やかし半分で手に取ったのである。

    結論から言えば、この本で説明されていることの多くは、既に無意識のうちに実践できていた。
    だが、「無意識的にやっていることを、意識化する」という方法論に、大きな影響を受けた。
    「なぜか知らないが、この英文はこう読める」という段階から、「こういう理由で、この英文はこうとしか
    読めない」という段階に進むことができた。この方法で、私は、古文や化学も数学もできるようになったし、
    勉強が好きになった。

    なお、「私のPCI その分析と再構成」中外医学社, 2005 の序文で、循環器科医師の落合正彦氏も高校生時代に
    同じような感銘を受けたと語っている。序文は出版社のサイトで閲覧できるので、興味のある人は見てほしい。

    伊藤和夫氏について、もっと語りたいこともあるし、彼の他の著作もおいおい紹介したい。

  • 私がレビューするまでもなく、この本は素晴らしいのですが、出合って十数年たった今でも、その恩恵を受けていることを考えると、感謝の気持ちを込めて、書かずにはいられません。

    当時、受験生だった私は、語彙力、文法力、基礎読解力をつけた後、構文力強化策としてこの本の存在を知り、読み始めたのですが、その洗練されたパズルのような例文を文法という公式、方程式を使って明快に解いていく手法に圧倒されたものでした。一回目は通読、二回目以降は例文の音読を繰り返し、結局十回程繰り返した後、本はボロボロになっていました。同じ本を別購入し、今でも自分の宝として保管しています。この本をマスターした後、読めなかった英文は、日本語訳を読んでも理解できない京大入試問題ぐらいでした。その後仕事で英語が必要になった時も、この本から学んだ構文力は私の中で生き続けました。あらゆる資格試験の長文問題を見ても、高級と呼ばれる英字新聞を読んでも、構文で悩んだことは一度もありません。最近は、入試も資格試験も、比較的平易な長文を速読する傾向にありますが、それでもこのようなレベルの高い例文を精読した経験は、読解力において、他受験者と一線を画しているのだと思います。

    最後に、自ら音読を繰り返した経験から、この本にもそろそろ、例文の音声CDを付けて貰えたらと思います。この本と出会う後の読者(受験生)には、きっと役立つことでしょう。

  • 10年ほど前に購入しました。難しいので、ちょっと読んでは諦め、思い出したらちょっと読む、を繰り返してきました。それでも我慢しながら読み続けました。しかし、ある時、Behind this lay the sentiment of isolationalism and a desire for peace.という文を、「この背景に横たわるのは、孤立主義の感情と平和への願望だった」と、MVSの倒置文と違和感なく読めて、解説の中で、『最初からその読み方しか思いつかなかったという人は立派』という著者の言葉を読んだ時は嬉しかったです。後半は、著者と同じ思考で読めた時は嬉しく、分からなかったり、間違えた時は悔しく、その繰り返しで、最後まで読むことができました。難解な英文になると、倒置、挿入、省略などが頻繁に出てきます。なので、著者が言うように、「『直読直解』するために、手がかりを見つけ、どうアタマを働かせるか」が重要になってきます。そういったトレーニングができました。その一方で、昭和の参考書なので、英文が古く、読みにくいところもあります。それでも、重要なことが書かれていることは間違いないと思います。英文読解チカラをつけたい人におすすめです。

  • 関先生の推薦図書。
    しかし、今必要な内容じゃなかったし、固めの文章だったのでチラ見だけ。

  • 英文読解について、わかりやすく解説している。

  • 精読

  • 本著の例題をすべて解いてみれば、かなりの程度の読解力が付くと思います。特に、19世紀以前の冗長なイギリス英語を正確に読めるようになりたい方にお薦めです。

  • この参考書まるごと一冊やり切ることは大変だが、値打ちはあった。一見簡単だが誤訳しがちなところ、今までなんとなく訳していたところをきちんと説明してもらえたと思う。

    欠点は著者の解説が長文名調子で少々うるさいこと。
    高校生には成績上位者以外には難解でおすすめできない。
    これだけでマスターできたとは思えない。準拠練習問題をやるといいかも。(あるの?)

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著者プロフィール

1927年生まれ。東京大学哲学科卒。駿台予備学校英語科主任講師として人気を博し続け、『英文解釈教室』をはじめとするベストセラー参考書を数多く出版、英語教育にも多大な影響を与える。1997年に逝去するが、その画期的な読解法や和訳法は今もなお高い評価を受け続けている。著書に『英文解釈教室 新装版』『英文解釈教室 入門編』『英文解釈 基礎編』『英語長文読解教室 新装版』『英文法教室 新装版』『英文法のナビゲーター(上・下)』『予備校の英語』(以上、研究社)、『ビジュアル英文解釈』『基本英文700選』『新・英文法頻出問題演習』(以上、駿台文庫)ほか多数。

「2018年 『[新版] ルールとパターンの英文解釈』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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