英文法教室 ＜新装版＞

著者 : 伊藤和夫

• 研究社 (2010年12月25日発売)

作品紹介・あらすじ

学習英文法を精緻に体系化した金字塔的英文法書。

感想・レビュー・書評

[Jimmyさんの感想 · 2023年2月16日]

伊藤和夫先生の『教室』3部作の中で、唯一読んでいなかった参考書なので、本屋でたまたま見つけて購入しました。はしがきには、『分類の根本に戻って、別の分類概念を使ってみることが必要だ』と述べられています。例えば、文頭がitの場合、単に全文の名詞を受けるのか、形式主語なのか、強調構文なのか、いろいろなことを想定しながら、読むことが重要です。また、名詞が２つ並んだら、前の名詞が形容詞の役割をするのか、あとの名詞が同格になっているのか、every dayのように、副詞句のように使われているのか、これも同様の姿勢で読むことが重要です。このように、英文読解で悩みそうなポイントを取り上げ、分類を試みているのが、本書の特徴です。英文法は一通り学んできましたが、一般的な参考書では取り上げられていない部分があり、非常に有益でした。昭和の参考書なので、英文が古いという難点はあります。その一方で、はしがきの『英米人は文法を知らなくても英語が使えるのだから日本の学生にも文法は無用のはずだというのは、母国語の学習と外国語のそれとを混同した暴論である』の部分は腑に落ちました。英文法をある程度学んだ人におすすめです。

著者プロフィール

1927年生まれ。東京大学哲学科卒。駿台予備学校英語科主任講師として人気を博し続け、『英文解釈教室』をはじめとするベストセラー参考書を数多く出版、英語教育にも多大な影響を与える。1997年に逝去するが、その画期的な読解法や和訳法は今もなお高い評価を受け続けている。著書に『英文解釈教室　新装版』『英文解釈教室　入門編』『英文解釈　基礎編』『英語長文読解教室　新装版』『英文法教室　新装版』『英文法のナビゲーター（上・下）』『予備校の英語』（以上、研究社）、『ビジュアル英文解釈』『基本英文700選』『新・英文法頻出問題演習』（以上、駿台文庫）ほか多数。

「2018年 『[新版] ルールとパターンの英文解釈』 で使われていた紹介文から引用しています。」