鉄道小説

  • 交通新聞社
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本棚登録 : 192
感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784330064222

作品紹介・あらすじ

『JR時刻表』や『散歩の達人』でおなじみの交通新聞社が、鉄道開業150年の特別な年にお届けする、新感覚の『鉄道小説』短編集です。5人の気鋭の小説家が描く“人と鉄道の記憶”についての物語!

感想・レビュー・書評

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  • ほっこり&ホラーの一冊。

    5人の作家さんが描く、主人公たちの思い出と今現在に鉄道を沿わせた5鉄道物語。

    スタートの乗代雄介さんからじんわり温かい気持ちにさせられた。
    思い出に沿う新京成線、歴史、老犬、恋が絶妙なバランスで配置された完成度の高さに拍手。

    このままほっこりが続くのかと思いきや、やっぱり澤村伊智さん。
    そうは来ないよね〜、阪急電鉄ホラーで一発ゾッ。
    思い出からホラーへの落とし込みが絶妙。

    鉄道って今日も今日とて乗客の人生を、1日の悲喜こもごもを乗せてガタゴト走っているんだな…なんて思いを馳せた水曜の夜。

  • 【収録作品】「犬馬と鎌ケ谷大仏」 乗代雄介/「ぼくと母の国々」 温又柔/「行かなかった遊園地と非心霊写真」 澤村伊智/「反対方向行き」 滝口悠生/「青森トラム」 能町みね子

    日本初の鉄道が新橋~横浜間に開業した1872/10/14から150年を迎えることを契機に立ち上げた「鉄道開業150年 交通新聞社 鉄道文芸プロジェクト」の一環として制作した短編集とのこと。

  • 鉄道をテーマにした5つの物語。温又柔さんは以前『魯肉飯のさえずり』を読んだので、あの時の台湾の雰囲気をもう一度感じられて良かった。そして、澤村伊智さんの名前を見てお気づきの方、大正解。1つだけホラーテイストです。

  • 古本だが箱のカバーがあり『鉄道開業150年/5人の作家が描く"人と鉄道の記憶"についての物語というシールが貼ってある。
    そのテーマにまんま乗っかっている滝口悠生『反対方向行き』が良かった。
    渋谷から宇都宮に向かっているつもりが逆方面だと気付くもそのまま小田原へと湘南新宿ラインに揺られて行く主人公。車中で目的に纏わる記憶を巡っているだけなのにロードムービーっぽい、柔らかな空気。
    温又柔『ぼくと母の国々』電車出てたっけ?と思うほど母との思い出が柔らかく語られる。
    乗代さん『犬馬と鎌ヶ谷大仏』軽やかに切ない。
    澤村伊智さん能町みね子さん初読み。澤村さん作品はホラーで、能町さん作品は若い主人公なので追憶ではなく自分探求のような視線でトラムからの景色描写が良かった。

    • 111108さん
      miyacococoさん♪ほんのり鉄気味(最近は滅多に乗れてませんが)の私には魅力的な本!能町さんが鉄好きなのは知ってましたが、ホラー味の澤...
      miyacococoさん♪ほんのり鉄気味(最近は滅多に乗れてませんが)の私には魅力的な本!能町さんが鉄好きなのは知ってましたが、ホラー味の澤村さんやmiyacococoさんあげてる瀧口さん温さんが気になります。
      2024/04/07
    • miyacococoさん
      111108さん、わたしも実はささやかな鉄寄り女です。なので乗代さん目当てだとしても楽しんで読みました~。澤村さん、ホラー小説で有名ですよね...
      111108さん、わたしも実はささやかな鉄寄り女です。なので乗代さん目当てだとしても楽しんで読みました~。澤村さん、ホラー小説で有名ですよね。アンソロジーの中のホラーならと何とか読めました(笑)温さんは柔らかい文体なので読むと心地良いです~
      2024/04/07
    • 111108さん
      「ささやかな鉄寄り」同じで嬉しいです!澤村さん、ホラー味薄いのしか読んでないけど、こちらもそんな感じなんですね。乗代さんもよく見かけるけどま...
      「ささやかな鉄寄り」同じで嬉しいです!澤村さん、ホラー味薄いのしか読んでないけど、こちらもそんな感じなんですね。乗代さんもよく見かけるけどまだ読んだことないのでそれも楽しみ。探してみますね♪
      2024/04/07
  • 5人の作家による短編集
    鉄道は背景の一コマ的な扱い。滝口氏の「反対方向行き」の目的地の宇都宮と逆方向の電車に乗ってそのままあえて小田原まで行く車内で祖父を回想する時間、空間が、ごとごと揺れるリズムとともに心に残った。
    犬の散歩の話、台湾からの帰化の話、宝塚線中山駅のホラー、青森のトラム、それぞれ作家さんの持ち味が出ていて面白かったです。

  • 鉄道も小説もわたしの好きなもの。
    しかも今時珍しい箱入りの立派な本で、書店でみかけたときにはクラクラした。これは良いものですよ…。

    5人の作家の鉄道にまつわる掌編をまとめたもので、鉄道ファンとして知っていたのは能町みね子だけだったけど、どれも良い話で好きだった。

    曽祖父母の時代に新しく敷かれた鉄道の線路わきを年取った飼い犬を散歩させる青年の話(乗代雄介)と、日本に暮らす台湾人家族の話(温又柔)が特に良かった。2人とも知らない作家さんだったけど。

    ほかは、いじめられっ子の待つ過去の遊園地ゆきの鉄道に乗る男性の話(澤村伊智)、埼玉に行くはずが横浜に向かってしまう主婦の話(滝口悠生)、青森の叔母の家に転がり込んで日々トラムで青森をまわる女性の話(能町みね子)。

  • JR時刻表を出している交通新聞社が出した小説ということで、鉄分高いのかなー、と思いながら読んだけど、そんなことはなかった。各話に鉄道が出てくる短編集ってだけで、五話五様の普通のアンソロジーとして楽しめる内容だった。

  • 旅に出かけたくなる、鉄道に乗りたくなる短編集

  • 【配架場所、貸出状況はこちらから確認できます】
    https://libipu.iwate-pu.ac.jp/opac/volume/571058

  • 水彩画の表紙版もとてもすてき どれも沁みる

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著者プロフィール

1980年、台湾・台北市生まれ。3歳より東京在住。2009年、「好去好来歌」で第33回すばる文学賞佳作を受賞。両親はともに台湾人。創作は日本語で行う。著作に『真ん中の子どもたち』(集英社、2017年、芥川賞候補)、『台湾生まれ 日本語育ち』(白水社、2015年、日本エッセイスト・クラブ賞受賞、2018年に増補版刊行)、『空港時光』(河出書房新社、2018年)、『「国語」から旅立って』(新曜社、2019年)、『魯肉飯(ロバプン)のさえずり』(中央公論新社、2020年)など。

「2020年 『私とあなたのあいだ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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