国鉄/JR 列車編成の謎を解く - 編成から見た鉄道の不思議と疑問 (交通新聞社新書022)

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  • 交通新聞社
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784330174105

感想・レビュー・書評

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  • 気動車急行にビュフェが無いのは納得。短編成だからやむを得ないとは言え、急行だいせん、しらゆきあたりにビュフェがあったら良かったのにな。
    824普通列車の混雑率の表、及び現在の列車との編成比較は興味深い
    客車の牽引定数も興味深い。急行津軽が牽引定数ギリギリのところで相応の機関車に牽引されていたのが面白い。

  • この巻は、国鉄・JRの列車の編成を使って読み解いています。

  • 謎解きだったかは疑問だが、日本の鉄道史(国鉄・JR)を通じて車両の構造から編成までを知ることができた。客車のグレードが昭和35年を境として3等級制から2等級制になったことは初めて知った。宮脇氏の著書で2等車=現在のグリーン車という記述があったことが頭にあったので、序盤の1等車=グリーン車という記述に混乱した。

  • 列車編成の謎とは何ぞや。専門的な内容なのかと思つて手に取ると、一般的な車両編成の概説書みたいなものでした。書名の付け方に一考を要するかと存じます。

    内容を概観しますと......まづ第一章は「歴史から見た旅客列車の編成事情」。
    日本の鉄道誕生から、車両編成の変遷をざつと紹介しますが、即ち動力の近代化とも申せませう。機関車が牽引する「客車」、無煙化を実現し動力を各車に分散した「電車」、地方ローカル鉄道に革命をもたらした「気動車」、それぞれの特性が、いかに歴史の要請に従ひ登場し、消えて行つたかを説明してゐます。
    ところで、わたくしが所持する本書では、ヘッダ部分に章のタイトル(ここでは前述の「歴史から見た旅客列車の編成事情」)が記載されてゐるのですが、最終ペイジ(37ペイジ)のみ「第一章 さいはての植民軌道」となつてゐます。これは、同じ交通新聞社新書の『幻の北海道殖民軌道を訪ねる』のヘッダが紛れ込んだのですね。

    続く第二章は「編成の素朴な疑問」。運転士が先頭車両に乗つてゐる理由、車掌が最後尾の車両に乗る理由、最近のローカル線が短編成の理由(国鉄時代は実に無駄に多くの車両をつないでゐました)、新幹線が16両になつた理由、寝台車が編成の端に連結されてゐた理由など、まあ普通の人なら疑問にさへ思はぬであらう事象が解説されてゐます。

    更に第三章「編成の不思議」では、「なぜ○○は△△なのか」みたいな、まるで第二章の続きかと思ふやうな話題が満載です。電車と気動車の協調運転の比喩に、手を繋ぐ恋人同士を持ち出すのはどうかと勘考する次第です。

    第四章になりますと、「編成のジレンマ」なるタイトルで、例へば多客時に連結車両を増やしたいが、勾配の制限があるためままならぬとかの話が紹介されてゐます。碓氷峠を渡る特急「あさま」(もちろん現在の新幹線ではない)も、最大8両連結といふ制限があつたため、食堂車を泣く泣く編成から外すといふこともありました。
    ところで、急行「赤倉」の冷房の話は、うんうんさうだつたなあと頷きながら読みました。冷房装置があるのに(元元ない車両も連結されてゐたが)発電機が未発達のため、自由席の乗客が泣きをみるといふ急行列車。特別料金を徴取する急行で、冷房が無いなど現在では考へられませんが。
    因みに急行赤倉は、かつて名古屋から新潟までを走つてゐたロングラン急行。キハ58系気動車の堂々たる12両編成(らしいですね。わたくしの記憶では最大13両繋いでゐたやうに思つたが、記憶違ひか)で運転されてゐました。

    最後の第五章「知っていると自慢できる編成の予備知識」では、車両に付されてゐる記号や数字などを解説してゐます。あのキハとかモハとかサロとかいふやつですね。最近は特段のテツではない人にも認知されつつあるやうです。わたくしは無論、テツではありませんがね。
    ところで、新幹線の形式ですが、本来0系の次は1系となる筈が、実際には三桁の100系になつた為、続く新車も200系・300系と倣つたと聞いてゐますが、どうなんですかね。現在のJR東は、E1系、E2系......と「E」は付されてゐますが一桁となり、これを「本来の姿に戻つた」と述べる人もゐるのですが。その辺を語つていただきたかつた喃。

    冒頭述べたやうに、特段の謎はなく、列車編成に纏はるあれこれ読物と申せませう。内容自体は中中楽しいので、書名で損をしてゐますね。もつとも、新書のタイトルは編集部が命名するケースが多いとも聞きますが......

    http://genjigawa.blog.fc2.com/blog-entry-702.html

  • 用語解説が足りない。分かりづらい人多いかも。

  • 主に国鉄時代の列車編成から、どういう観点から編成が作られていたかを分かりやすく解説している。食堂車やグリーン車の位置の決め方はなるほどと思えたし、電車・客車・気動車という種類の異なる車両を混合して作られた編成の苦心点なども面白かった。また、なぜ首都圏のグリーン車が1列車2両であるのか、オール2階建て普通電車が不評で激減した訳など、なるほどねぇ唸ってしまう事も多々あった。

  • 編成から列車を読み解く興味深い視点ではあるが、内容が薄い。もっと事例が多くても良いのではないか。

  • まず、こんな出版社があり「交通新聞社新書」という新書レーベルがあることに驚いた。
    これは完全に鉄ちゃん向けの本だ。いや多分これでも一般向けに書かれているのだろうが、用語の説明が不十分すぎる。正直読むのが辛い部分もある。

    ■この本を知ったきっかけ
     本屋でみかけて。
    ■読もうと思ったわけ
     なんとなく(ちなみに鉄ちゃんではない)

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著者プロフィール

1950年、愛知県生まれ。名古屋大学大学院文学研究科修士課程修了。広島大学名誉教授。博士(文学)。ドイツ文学・文化史。訳書に、ビルクナー編『ある子殺しの女の記録』(人文書院)、ファン・デュルメン『近世の文化と日常生活』(全3巻、鳥影社)、コンゼンツィウス編『大選帝侯軍医にして王室理髪師ヨーハン・ディーツ親方自伝』(白水社)、ボラージオ『死ぬとはどのようなことか』(みすず書房)など、共訳書に、ビルショフスキ『ゲーテ』(岩波書店)、マン『日記』(紀伊國屋書店)、デッカー『教皇と魔女』(法政大学出版局)、フロイント『冒険のバロック』(同)などがある。

「2021年 『あるヴァイオリンの旅路』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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