天風先生座談 (廣済堂文庫) (廣済堂文庫 ウ 1-3)

  • 廣済堂出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784331654248

感想・レビュー・書評

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  • 何度目かの再読。この本は、天風先生の講演を宇野千代が編集したものなので、天風哲学が体系的に学べる様に整えられていない。したがって中級者向けと言える。

    復習用、補完用には良いが、天風哲学に初めて触れる人にはあまりおすすめできない。入門者はまず、「成功哲学三部作」や「運命を拓く」などを読んで、天風哲学や、心身統一法の概略を把握した後に読んで頂きたい。その方が内容が入ってきやすいだろう。

  • 松下幸之助や稲森和夫など、多くの経営者や著名人を指導したことで知られる中村天風の座談集。天風さんの考える、人はどう生きるべきか、について自身の経験をベースに書かれた本。

    この本からは、文中の言葉を使えば、潜在意識の中にある観念要素に対して連想行を行い、良い方向に更新することの重要性を学んだ。

    平たく言えば、状況をポジティブに捉えて感謝し続けて生きることの大事さを再確認した。

    天風さんは裕福な家庭に育ち、語学と武術を極めたが、ある事件が発端で中学校を退学し、政治団体に預けられる。その後政治団体の長の紹介で帝国陸軍の諜報員として生き、日露先生で活躍する。生と死の瀬戸際を渡った後急速に症状の悪化する結核を発病。世界を渡る中、インドでヨーガの聖人カリアッパ師と出会い、2年半修行を積む。その過程で全く治らなかった病が完治。その後親交のあった孫文に巻き込まれ辛亥革命に参加した後、帰国。日本で実業家として活躍しながら、多くの経営者を指導する立場に立つ。

    以下、天風さんの言葉で印象に残ったものを挙げる。

    ・精神の生存状態を積極的であらしめねばならない。積極的とは、尊く強く正しく清く生きること。

    ・健全な肉体は健全な精神によって作られるのであって、健全な肉体によって精神が作られるのではない

    ・夜寝る前にいいことを考える、嘘でもいいから

    ・心は患っていない、それを喜びと感謝に振り替えろ

  • 中村天風談 / 宇野 千代 / 2013.09.07(26/157)
    *飯田総括副部長に相談したところ、いただいた本。
    ・その日その日のことを、ただ夜があけてたから目が覚めて、腹が減ったからものを食って、糞しょんべんを垂れるだけ。夜になったら眠いから寝ちゃって、また朝起きて、食って垂れて、寝て起きて、毎日食って垂れている。そして、毎日ああしたいこうしたいと欲望を炎ともやして、どうにもならない。寝ちゃあ、起きちゃあ、食っちゃあ、垂れちゃあ、何年か経ったらフウーと消えちまう人生を、生きている人が多かった。
    ・生存に対する精神生命の、自然法則に順応するという状態は、終始一貫、いかなる場合も、その精神の生存状態を積極的であらしめねばならないもの。積極的といのは、どんな場合にも、尊く強く正しく清く生きること。
    ・肉体の生存に対する自然法則に順応するとは=生命存在の条件に調和する。
    ・生活に対する可能率を促進するところの精神生命は、コンセントレーション、いかなる場合にも精神を統一して生活する。どんな場合にも訓練的に積極化する。40歳を過ぎてから。
    ・廊下趨勢にブレーキをかける。これが訓練的積極化。
    ・面倒くさがらない。
    ・鍛えた体、優柔不断に、ただあるがまま生きているのでは長生きができない。
    ・胆力
    ・自分の人生を生きる刹那刹那に自分の観念を積極的にしようと心がける。悲しいから悲しいではなく積極化する。
    ・心の力を心の方から作るというのは、感応性能という心の働きの全部を行っているものを強くすること。
    ・肉体に病いがあろいうと、心まで病ませる必要がどこにあるのか。そういうときは、心の方が、健康なり運命なりをよき状態に作り直していかなければならない。
    ・今夜から寝がけに、必ず寝床に入ったら最後、昼間の出来事と心を関係つけさせない努力をする。人間、生きている間、自分がいくら朗らかに生きていようとしたって、はたから来る波や風はこれはもう防ぐことができない。そこが人生だ。けれども、いったん寝床に入ったら、どんな辛いこと、悲しいこと、腹の立つことがあったにせよ、それをそうしても考えずにいられなかったら、明日の朝、起きてから考えることにする。
    ・夜の寝床の中だけは、神の懐にはいったおうな、おだやかな気持ちになってごらん。
    ・絶対に消極的な意思表示をする言葉を口に出さないように。参った、助けてくれ、どうにもならない、苦しい、痛い、という言葉を口にださない。もの言えば、唇寒し秋の風。
    ・生きがいのある、男としての仕事。
    ・死なずに生きているのは、丈夫な心のおかげ、それを喜びと感謝に変えていく。
    ・たとえどんなことがあろうとも、生きているというこのありがたさを心に思い、どんなことがあろうとも、どんな悲しいことがあろうとも、すべてこの俺が、もっと高い心の境地になるための、天の試練なり、という風に考えて、それを喜びと感謝に振り返る。
    ・人間には辛がったり苦しがったりする方の自分と、喜びと感謝で生きられるほうの自分とがある。心の中の、もう一人の自分を探しだして、たったいまから、どんな人生に生きよう とも、矢でも鉄砲でも持ってこい、俺の心は汚されないぞ、俺の心の中は、永久に喜びと感謝でいっぱいなんだという気持ちでいきてゆかれれあ、その結果、事実がきっと、大きな幸福という訪れをもって、お応えする。
    ・人の世は、「箱根山、駕籠に乗る人担ぐ人、そのまた草鞋を作る人」。このようの中、一人で生きている世界ではない。どんな場合でも、自分の苦痛や辛さは、自分の心にしまっておいて、喜びと愉しさ、あるいはありがたさという、この気持ちで生きること。

  • 社長の勉強法 國貞文隆
    パーク・コーポレーション代表 井上英明(フラワーショップ) 愛読

  • 本を読んだ後に、直接話を聞きたくなったが、もうお亡くなりになっているとのこと、残念です。寝床に入ったら、腹を立てずに心配もしないようにしよう^^

  • 面白法人カヤックの社長がおすすめしていた本なので購入。
    初めて中村天風さんの本を読みました。

    感想として、読み始めは全然面白くなかったのだが、後半くらいからじわじわと「心と体」「生きる」ことに対する“意識”についての内容が印象的で勉強になりました。

    他の人生哲学の本よりも心に、余韻のようなものが残っていて今不思議な感覚です。

    これからは「心」にゆとりをもって感謝や嬉しさを感じる人間になるべきだと教えてくれる一冊でした。

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著者プロフィール

宇野千代
明治三十年(一八九七)、山口県に生まれ岩国高等女学校卒業後、単身上京。自活のため、記者、筆耕、店員など職を転々とし、芥川龍之介はじめ多くの作家に出会い、文学の道へ。昭和三十二年(一九五七)『おはん』により女流文学者賞、野間文芸賞。四十七年、芸術院賞受賞。平成二年(一九九〇)文化功労者に選ばれた。八年(一九九六)死去。ほかの主な著書に、『色ざんげ』『生きて行く私』『宇野千代全集』(全十二巻)など。

「2023年 『九十歳、イキのいい毎日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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