美術館はどこへ?―ミュージアムの過去・現在・未来 (広済堂ライブラリー) (廣済堂ライブラリー 17)

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  • 廣済堂出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784331850169

作品紹介・あらすじ

ミュージアムという文化装置は、国民国家の成立と歩調をあわせて誕生した。その設立と発展の経緯を解き明かし、未来像を探る。

感想・レビュー・書評

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  • 前半部分のマルローやベンヤミンの古典を紐解きつつ、美術館の起源を掘り下げその役割の推移について論じていく箇所は非常に面白かった。特に、それまでは第三世界から収奪したものの珍奇陳列点としての側面が強かったそれを、フランス革命直後に開館したルーヴル美術館は分類体系化することで展示品としての価値を創出したそのやり方は、美術館が近代的社会のイデオロギーと密接に結び付いていることを表している。それに対して後半のマルチメディア展開に関する論説が微妙なのは、2002年における想定以上にITインフラが発展した為だろうか。

  • 美術館の歴史
    ・ムセイオン(エジプト、記憶装置)
    ・大航海時代(15~16c)王侯貴族による「珍奇陳列室」第一世代の美術館(磯崎新)
    ・ルーヴル美術館の開館(フランス革命直後)第二世代の美術館
    ・大英博物館の開館=美術(ユーロセントリズム)・博物の分離
    ・1950 MOMA開館、中央としてのアメリカ 建築・デザイン部門 バーJr.
    ・ポンピドー・センター 映像部門
    ・サイト・スペシフィックな美術館 第三世代の美術館
    =ミニマリズムへの反発 シュポール・シュルファス、アルテ・ポーヴェラ、もの派
    ・メディアセンター=ICC、フランス新国立図書館(デジタル化)、せんだいメディアテーク


    万博の歴史
    1851 イギリス万博(クリスタルパレス)
    1867 フランス万博(百科全書的、国民国家の枠組みを強化)

    国際展

    ・ヴェネツィア・ヴィエンナーレ ユーロセントリズム
    ・ドクメンタ カッセル
    ・彫刻プロジェクト ミュンスター


    ・フランスの美術館=ゾーニング、政治的
    ・ポストモダニズム ハイブリッド エットレ・ソットサス
    ・企画展メインの美術館=神奈川県立近代美術館~ 坂倉準三モダニズム建築
    ・クンストハレ=水戸芸術館、国立新美術館

  • 美術館大国日本。でも美術館の始まりを知っている人は少ないのでは?この本は美術館の始まりから、現在の状況まで一連の流れがわかります。

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著者プロフィール

1966年、青森県生まれ。評論家として、美術・建築・デザインなどを対象に執筆や翻訳活動をおこなう。東京工科大学デザイン学部教授。著書に『拡張するキュレーション――価値を生み出す技術』(集英社)、『オリンピックと万博――巨大イベントのデザイン史』(筑摩書房)、『美術館の政治学』(青弓社)、『美術館はどこへ?――ミュージアムの過去・現在・未来』(廣済堂出版)、共著に『視覚文化とデザイン――メディア、リソース、アーカイヴズ』(水声社)、『幻の万博――紀元二千六百年をめぐる博覧会のポリティクス』(青弓社)など。

「2022年 『ミュージアムの教科書』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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