赤瀬川原平の名画読本: 鑑賞のポイントはどこか (カッパ・ブックス)

著者 :
  • 光文社
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (196ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334005283

感想・レビュー・書評

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  • 名画を鑑賞したいわけではなかったけれど古書店でたまたま見つけて買ってカフェで一気に読んだ。

    思えば赤瀬川原平にはいろんなことを教わった。ちょっとした人生の師みたいなもの。
    さも私が発見したことのように得々とどこかに書いてるかもしれないけど、例えば、新しいことを知りたいときは子ども向けの本を読むといい、という知恵もたぶん赤瀬川原平に教わったことだ、そして今までずっと実践してきたことだ。

    彼の目の付けどころはほんとうに面白い。彼だったらどうやって絵を観るのか、それを知りたかった。
    それぞれの絵画に付された文章はとても短いものばかりだが、やはりどれも読みどころが必ず一つはあった。

    にもかかわらず文章はかなり平易で、子どもでも十分に読める。ので読後、娘にあげた。

    ダ・ヴィンチの「岩窟の聖母」論にいちばん感心した。それに笑えもした。

    かたや、氏がルノワールとアングルをけっこう嫌っていてちょっと驚いた。こういう辛辣な悪口もちゃんと書くところが、また信用のおけるところだ。

  • 絵を好き嫌いで見る。
    名画と言われる中にも駄作が紛れている。

    本当に画家の気持ちになって鑑賞するには一度自分で描いてみるとよろしい。

    ルノワール→世間のウケに迎合して惰性で描いていて退屈。

    画家自身の興味がキャンバス上を走り回り、それが結果として世間に受け入れられるというのでなければ、なぜかしらいい絵はできないのである。

    自身の楽しみ、発見を追求しなければ腑抜けになる。

    物作りにも共通することかも。

  • 自分の基準で絵画観賞をされたし、という主張には同意。
    当方もルノワールが好きではない(嫌いと言っても差支えないかもしれない)のだが、逆にルノワールが大好きな人もいるんでしょう。
    ルノワールが名声を得、年を取るにつれダメな画家になっていったとあるが、その受け止め方はあくまで「個人的見解」なのかもしれない。
    こういった意味で本作は矛盾に満ちた嗜好性の強い人間的主張とも思えなくもないです。

  • 世間でいうところの名画の中には、名画もあるし、そうでないものもある。世間の評価をもとに頭で理解しようとするのではなく、徹底してその絵を観察してみよう、というのが著者のアプローチだ。路上観察で不作為の芸術を発見した著者の観察力で語られる絵画評は、まるで自問自答を繰り返す独り言のようで面白く鋭い。

  • マチスの部分を読む。この絵が好きなのでしょうか。あまり好きなように思えない。何故、この絵を選んだのでしょう。そこが疑問です。

  • 感想未記入

  • [ 内容 ]
    名画なんてもう飽きた、もうどれも見たものばかりで、新しい感動なんて何もないじゃないか…という人におすすめする、赤瀬川流「名画鑑賞法」。
    人の目や言葉ではなくて、自分の目が見て嬉しいものが本当の名画。
    巨匠15人の代表作について語る。

    [ 目次 ]
    1. モネ「日傘をさす女」
    2. マネ「オランピア」
    3. シスレー「サン・マメス」
    4. セザンヌ「坐る農夫」
    5. ゴッホ「アルルの跳ね橋」
    6. ゴーギャン「タヒチの女たち」
    7. ブリューゲル「雪景色の狩人たち」
    8. レオナルド・ダ・ヴィンチ「聖アンナと聖母子」
    9. フェルメール「アトリエ」
    10. コロー「コンスタンティヌスのバシリカのアーケードから眺めたコロセウム」
    11. ロートレック「ムーラン・ルージュの踊り」
    12. ユトリロ「コタン小路」
    13. マチス「ピアノのレッスン」
    14. ルノワール「ピアノによる少女たち」
    15. アングル「泉」

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 1.赤瀬川原平さんの著書。2.モネの「日傘をさす女」を取り上げている。その2点で購入した一冊です。著者の独特な感性と解釈が読みやすく著わされていて、芸術音痴の私でも楽しく読み進められました。

  • 2007.3/25
     かなりいい。赤瀬川さんの視点で絵画が見れるのが新鮮。「名画」ということばにとらわれず、自分の好きな絵を見ればいいのだ。

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著者プロフィール

赤瀬川原平(あかせがわ・げんぺい)
1937年横浜生まれ。画家。作家。路上観察学会会員。武蔵野美術学校中退。前衛芸術家、千円札事件被告、イラストレーターなどを経て、1981年『父が消えた』(尾辻(★正字)克彦の筆名で発表)で第84回芥川賞を受賞。著書に『自分の謎(★正字)』『四角形の歴史』『新解さんの謎(★謎)』『超芸術トマソン』『ゼロ発信』『老人力』『赤瀬川原平の日本美術観察隊』『名画読本〈日本画編〉どう味わうか』。また、山下裕二氏との共著に『日本美術応援団』『日本美術観光団』『京都、オトナの修学旅行』などがある。2014年逝去。

「2022年 『ふしぎなお金』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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