- Amazon.co.jp ・本 (287ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334029845
作品紹介・あらすじ
愛、裏切り、友情、報復。人間の真実を衝くサスペンス傑作。
感想・レビュー・書評
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カッパ・ノベルズハード創刊時の書下ろしで、25年前に読んだ作品ゆえ、内容はすっかり忘れており、新鮮な感覚で再読。読み終わった後で、9年前に再読していたことを分かり、愕然(笑)。著者の小説は何度読んでも面白いと言い訳。
裏切った恋人に復讐するために、男の結婚式場に銃を持って乗り込む関沼慶子。
上野の居酒屋で飲んでいるフィッシャーマンズ・クラブの従業員の織口邦男と佐倉修治。
入院している妻を見舞うため、車で金沢に向かう神谷親子。
一見無関係な彼らの人生がどのように絡み合ってゆくのか、頁を繰る手が止まらない。
まさに宮部ワールドの真骨頂エンターテイメント。 -
一つの未遂から波紋が広がり、最終的には思もよらない形でそれぞれの願いが他者の手によって遂行される連鎖的な書き方がとても面白かった。
最後に正義を選択することを迫られた主人公は、それまで否定していた人やその理論を覆すほどの現実の惨たらしさに遭遇する。
これは被害者の気持ちになった時にどう感じるかを、いつのまにか第三者から当事者の視点に引き寄せて考えさせられる物だったと思う。 -
重い話。重すぎてどうにも進まず。読み始めたら最後まで別の本を読むことはまずないのに、今回は別の本を挟むこととなった。ただ、それでも正義とか感情とかの深さにはぐっとひきつけられるものがある。
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慶子は復讐の為に式場に向かう。修治は職場の同僚の「お父さん」こと織口と食事をしていた。それぞれが並行にそれぞれの思惑で動いていき、その交わる所で至る結末に驚愕する。読み終わって、性善説と性悪説を考えてしまった。
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最後まで読んでしまった。一気に。
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復讐をテーマにしている為内容は重いですが、スピード感があって一気に読ませます。復讐を遂げようとする者とそれを止めようとする者、両者の思いが伝わってくるので、自分がどちらを望んでいるのか分からなくなり、複雑な心境になりました。
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久しぶりに宮部を読む。積読本が増えるばかりでなかなか読めなかったが、TV化を機会に読むことに。錯綜したストーリーと詳し過ぎとも思える人物描写は、この作者の特徴であり、イライラもするが、読むのを止められなかった。社会問題をテーマにしている作者であるが、本作は、犯罪の量刑に対する司法への問題提起であろうか。映像化するにはかなり省かないと2時間に収まりそうもないので、理由と同じようなことにならないか心配だ。