「格付け」市場を読む (光文社新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334032395

感想・レビュー・書評

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  • 2004年の本だが、「格付け」会社がどのように格付けをするのか、その格付けがどのようなことを引き起こすのかを解説している。
    サブプライムローン問題の時にどのように格付けしていたのかは知りたいところ。

  • 週刊誌の特集記事を加筆して本にした感じなので、「格付けの仕組み」というよりも「『格付け』市場の仕組み」の解説が中心です。 ただし、よくありがちな、浅薄で表面的な取材だけで書かれたものとは異なり、基本的な概念はしっかりと説明されていますので、主義主張はともかく事実関係などの内容面でも信頼できると思います。

  • 格付けの概要を知りたかったのでまずは簡単に読めそうな本を読んでみた。概要を掴むという目的の上では満足のいく本。ただ、厳密かどうかに関しては、裏付けが不十分な印象。(リスクウェイトなど)

    ・投資適格はBBB-まで(但しムーディーズのみ記号が異なり、Baa3まで)。
    ・格付け会社により経営姿勢に変化あり(ムーディーズ、R&Iは格付けを専門とするスタイル。S&Pは「ビジネスウィーク」などを出版しているマグロウヒル・カンパニーズの一部門。また、S&P500などの株価指数も販売。)
    ・証券化=オフ・バランスになるため、住宅金融公庫本体や銀行本体の資産状況や信用とは別のところで、資金調達ができる。
    ・ストラクチャード・ファイナンスのメリット:①SPCによる方法のため、企業や金融機関が自社の本体とは別のところで資金調達ができる。(結果、オフ・バランスが可能。②その資産が将来生み出す収益=キャッシュフローを原資とするために、社債など他の債券と比べて安全性が高い。
    ・財投機関債:2001年4月、それまで行われてきた「財政投融資」が「改正資金運用部資金法」や「財政投融資改革法」の施行によって抜本的に改革。これまで特殊法人等が資金源としてきた、郵便貯金や年金積立金などが預託される制度が廃止された。
    ・但し、特殊法人等が一気に資金難に陥らないよう、財政投融資に代わり、「財政融資」「産業投資」「政府保証」が方策としてとられた。
    ・財政融資: 政府が国債の一種として財投債を発行して調達した財政融資資金借入金を資金源としており、日本道路公団など特殊法人(財投機関)に流れるもの。財政融資の中には、郵便貯金資金、簡易生命保険資金というものもある。
    ・産業投資: 国が保有するNTT株やJT株などの配当金や国際協力銀行の国庫納付金などを原資として、産業投資特別会計を作り、そこから財投機関にお金を流すもの。
    ・政府保証: 公庫や公団、事業団などが金融市場で資金調達する際に、それを容易にするもの。

    ・かつては民間企業にもソブリン・シーリングが適用されていたが、現在は国債より上の格付けを取得している企業もある。(当時、トヨタ自動車、デンソー、キリンビール、松下電器産業など)

    ・格付けはあくまでも、債券や預金がきちんと償還日や満期日までに支払われるか、その債務の履行・不履行を判断したもの。格付けの変動を株式投資の目安としてストレートにりようするには問題あり。

    ・アウトルック: ムーディーズは↑や↓で表示。S&Pは、ポジティブ、ネガティブ、安定的、検討中。フィッチは強含み、安定的、弱含みといった表記。

    ・定量分析に必要な三種の神器: 総資本利益率(ROI)(事業利益を投下資本(株主資本+有利子負債)で除したもの。)、自己資本比率、インタレスト・カバレッジ・レシオ。
    ・S&Pは主要アナリストのプロフィールを「Analyst Directory」で公開。

  • [ 内容 ]
    大学や病院、地方債など、多分野に進出し、急成長する格付けビジネスの実態、問題点、展望は? 
    格付け会社や財務省への取材、豊富な資料で浮き彫りにする。

    [ 目次 ]
    第1章 世界「格付け支配」の跫音
    第2章 「新種」のラッシュが始まった
    第3章 新たな稼ぎ頭―証券化・公共セクター
    第4章 格付け会社別・収益の構造
    第5章 格付け決定の裏側
    第6章 格付け仕事人「アナリスト」の正体
    第7章 格付けで“未来”を読む

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  • 証券化には欠かせない格付け会社のビジネスモデルと歴史。

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