子供の「脳」は肌にある (光文社新書)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (197ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334032456

感想・レビュー・書評

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  • 印象に残ったのは①「頭」と「体」の順位は「体」が先。②身体感覚・皮膚感覚というのは、豊かな心を育むためには不可欠。③母親とのスキンシップは依存を防ぐ。④実験結果から、硬い肌着を着ると免疫機能が低下し、ストレスを増加させる。⑤子どもの頃に抱きしめられた記憶は、人の心の奥のほうの大切な場所にずっと残っている。⑥「思いやり」は、「思いやられること」でしか生まれない。⑦セルフタッチが多い人は、欲求不満で心が不安定になりやすい人。嘘をつくときにも、人はセルフタッチをする

  • たぶん、心があるところは、心臓と、脳と、感覚器ぜんぶ。


    心臓?肝臓?脳?脳と脊髄?やはり心臓?脳室?松果体?

    心はどこにあるのか。現代では心は脳の活動によるものとされていますが、本書ではタイトル通り「子どもの脳(=心)は肌にある」としています。
    なでなでは偉大だ。なんか漲ってくる気がするのです。ただ※ ではなく、心を許した人に限る、と思うのです。

  • とても読みやすい。肌と心、身体、脳。知的活動を支えるからだ。肌着とストレス。「母子のスキンシップを十分にした方が甘えの欲求が十分に充たされ、受け入れてもらえた安心感から自分に自信がもて、依存的になるのを防ぐ」「スキンシップは一生の間必要、でも、乳児期、幼児期、学童期、思春期、青年期、壮年期、老年期とそれぞれの時期に必要なスキンシップの量がある」

  • 鍼灸治療には四診法という診察方法があります。これは、望診(外から目で見て察する診察)、聞診(匂いや声などから察する診察)、問診(患者さんに病情などを直接問いかける診察)、切診(脈診、腹診、尺膚診など)の4つの診察方法をまとめた言い方です。どれもが総合的な診察には欠くことが出来ないものなのですが、中でも重要視されるのは、切診かもしれません。脈診、腹診など、施術者は患者様の身体に直接触れて診察を進めていきます。
     また、鍼灸治療をするときには、術者はやはり“手”を使って経穴(ツボ)を探していきます。そして鍼をするとき、お灸をするときは、もちろん直接患者様の肌に触れて治療をしていきます。
     このように、鍼灸治療にとって“手”というものはとても大切なものになります。施術者にとっての“手”ばかりではなく、手は、施術者と患者様を結ぶ接点として、患者様もまた、手から伝わる感触によって施術者への信頼感などを判断しています。
     そして手が触れる“肌”というものは、東洋医学的に見ますと、最初に外からの邪気を防御するところでもあります。風邪などを例に取るとわかりやすいかと思いますが、風邪をひきやすい方の肌の多くは、かさかさとしたところがあり、風邪が侵入しやすかったりします。皮膚は肺とつながり、衛気の様子をが出るところでもあり、肌の色艶は栄養状態など身体全般の傾向を示しています。
     身体の表面を覆っている肌は、とても重要な器官です。本書では子供の成長にとっての肌について述べたもので、成長期におけるスキンシップの大切さを教えてくれます。鍼灸医療の小児鍼の効果の原点も、このスキンシップにあるのではないでしょうか。鍼灸師の他に、手に関わる仕事をしている方、子育て中(子育てを始める)の方、子供と接する仕事の方などに読んでいただきたい一冊です。

  • 背ラベル:141.2-ヤ

  • スキンシップが子供の成長にどのように寄与するかが主に書かれ、成人になるまでの過程、夫婦、カップル間でのスキンシップの取り方や重要性が書かれている。

    メモ
    ・頭、体、心のうち最優先で育てないといけないは体。
    ・自主性が高い子どもは一歳時にイタズラを許容して貰った人が多い
    ・母親とのスキンシップは自立を促し、父親とのスキンシップは社会性を伸ばす。
    ・親からいつも叱られていると、表情や体が硬直した筋肉パターンになる

  • 少し前に話題になった本だそうな。スキンシップの大切さについて語ってくれる本ということで、参考になることが多かったと思う。

     心理、教育系を勉強した身としては、ちょっと期待しすぎじゃないか、と思うところもないではなかった。マッサージすることで、自閉系の子の問題行動が減少した、とかね。いや、それはなくはないし、実際俺も現場で似たような対応をしたことはあるけどさ。本書を読んでいると、ちょっとスキンシップに多くを求めすぎじゃないかなぁと思ったのだ。

     助けを求める人は、魔法を求めがちだから、飛びついてしまわないかなぁ。そこまでじゃないと思うけど、なんて思ってしまった。それは立場の違いというものだろう。一般向けとして考えるには、やや文章がカタく、専門的なきらいはあったけど、読んでよかったと思う。


  • 「タッチケアはこころに良い」ってことを学術的に記してくれています。

    オトナもこどももみんな、なでなでされたいんですよね。

    「思いやりを育てるには、スキンシップから」、肝に銘じます。✳︎ただし、思春期は要注意!

    筆者も子育て中とのことで、信憑性ありますよ。

    学校法人リズム学園 恵庭幼稚園様の蔵書です。

  • たくさんハグして抱っこしてくすぐり遊びして、子供に安心感を感じてもらえる居場所づくりをしていきたいと思った。

  • 触覚からのアプローチ。
    あまり他にはない一冊で勉強になりました。

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著者プロフィール

山口 創(やまぐち・はじめ)
1967年、静岡県生まれ。早稲田大学大学院人間科学研究科博士課程修了。専攻は健康心理学・身体心理学。桜美林大学教授。臨床発達心理士。タッチングの効果やオキシトシンについて研究している。著書に『手の治癒力』『皮膚はいつもあなたを守ってる』(以上、草思社)、『皮膚感覚の不思議』(講談社ブルーバックス)、『子供の「脳」は肌にある』(光文社新書)、『最良の身体を取り戻す』(さくら舎)など多数。

「2022年 『文庫 人は皮膚から癒される』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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