座右のゲーテ -壁に突き当たったとき開く本 (光文社新書)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334032500

感想・レビュー・書評

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  • 結局、成果を出したければ小さいことからやれ!と書いてあって全くもってその通りです…となりました。ちょっとやる気出た、やります。はい。

    ちゃんと古典文学だったり、クラシック音楽絵画、一流とされるものをもっと自分に取り入れたくなった。古典の一流に触れることで、自分の中に基準ができる。世界に愛せる領域がふえる。アウトプットも変わっていく気がする。自分に資本を作るイメージ。

    特に意識していなかったけれど、自分にも短い人生でその実感がある。読書に傾倒した小中学生時代の自分に感謝。アカペラも古典から現代まで生演奏を聴きまくった結果、本当に良いものとそうでもないものの区別もつくようになった気がする。

    他に印象に残ったものは下記。
    - ちゃんと師匠について学んだ方が質が高く、早い。最近は独学の方がすごいという風潮があるがいかがなものか。
    - 自分を限定して生産し続けると成果が出やすい(誘惑に負けて手広くやると成果は出づらい)。
    - 日本語はタフ(もともと中国語と大和言葉を混ぜてできた言語。カタカナがあり、外国語を飲み込んでいける)。
    - 20年前は、「ものを知らないのが恥ずかしい」という風潮がまだあったとのこと。確かに、今はみんな堂々と知らない、わからないと言う。大学生すら本を読まないと斎藤先生は嘆く。たしかに、なんなんだこの世界は。いや私もそうだったな…反省。

  • ゲーテの言葉を借りながら人生を生きるうえでのヒントを提示している

    ふむふむ、高尚で近づきがたい印象をもつゲーテもこのように取り上げられると身近に感じられて良かった

    「自分の立ち位置がわからなくなったとき、なにか壁に突き当たったとき、本書を開いてほしい。」と前書で述べられていたが、内容はそこまで簡単に享受できるようなものではないと感じた
    これは私個人のレベルの問題かもしれないが

    とはいえ色々気づきを得たことは間違いない

    ✏この世において、劃期的なことをするためには、周知の通り、2つのことが肝心だ。
    第一に頭がいいこと、第二に大きな遺産を受け継ぐことだ。(ここでいう遺産とは金銭的なものを指さない)

    ✏圧倒的な才能の前では、すべてを投げてしまいたい衝動に襲われる。(中略)そこそこの才能があったとしても、それで自分の道を断ってしまうのは哀しい。強烈な刺激は受けても、支配されないくらいの距離感をもつことだ。

    ✏つまり、仕事上起きた不都合な邪魔は、より高次の次元にいたる原動力だとも言える。正・反・合の弁証法的のようなものだ。

    ✏「何かに心を奪われる瞬間」を技化する

  • ゲーテの本は、「若きウェルテルのなやみ」や、「ファウスト」くらいしか読んだことがないと思うが、ゲーテは、いろんな学問を勉強して、いろんなことをしていたことがこの本を読んで初めて知った。「最高を知る」というのは普段意識してないが、やってみようと思った。

  • ★★★★集中するには、小さな対象を扱う。扱う対象を小さく分ければ仕事は楽になる。テーマを小分けしレーザー光線のようにエネルギーを一点に集中させる。自分の得意なことだけを表現する。専門バカにならないよう活動(表現)は狭くても洞察(吸収)は広くする。実際に応用したものしか頭に残らない。実践せず机上の勉強だけではすぐ忘れる。実際的・具体的に考える。吸収するためには、最高を知る。古典に接する。人生は有限。情熱を注ぐなら最高のものに。モーツァルトのピアノ協奏曲。ベートーベンの弦楽四重奏。川端康成。独創性などない。

  • ゲーテの格言と思われるフレーズ著者が選んで、具体例を用いながら自身の解釈を提示した本。

    タイトルからはゲーテの紹介のような印象を受けたが、読んでみるとゲーテの言葉を借用しながら現代社会の風潮の薄っぺらい点を批判しており、「なるほど」と感心させられるところが多々あった。

    中でも、古典軽視の風潮への批判は的射ており納得させられた。

    スタンダードなものとして国語の教科書で扱っていた漱石・鴎外などが消えていくのと反対に、すぐに取って代わられるような流行の作家を用いることによって、かつては世代を超えて普遍的に共有された価値観が消失し、本質から学ぶという機会が失われることに対して著者が警鐘を鳴らしているところは必読である。

    古典の効用とその価値を再認識させられたと同時に、これからでもまだまだ遅くはないから古典を読んでみようという意欲が湧いてきた。


    自分のモチベーションをコントロールするのにもいい一冊かもしれない。

  • 『基礎なき「下手うま」はただの下手』
      
    伝統や基礎を学ぶことを軽んじること、読書・学びなんて必要ない、今楽しければそれでいい、自分が儲かればいい、判断基準は「良し悪し」じゃなくて「好き嫌い」だけ、こういう考え方に一石投じた一冊。
      
    まだ途中ですが読んでてかなり耳が痛い・・・


       
    自分自身、この斉藤孝さんという著者と出会ってから古典的な文学や文化、歴史に興味をもってまだ二年くらい。   
    別に読書が絶対的だとも思いませんし、好きな人はマンガでも小説でも読めばいいと思う。   
    僕はマンガもこういうのも好きだから読んでます。

       
    けど、自分の枠の中だけの知識で生きるよりいろんな人の考え方やいろんな年代の文化・歴史に興味を持って知ることは必要。

      
      
    まだ自分自身未熟なのでうまく言葉で誰かに伝えることは出来ませんが、「好きか嫌いか」という主観だけじゃなくて、ものごとの「良し悪し」を見極めるためにはやはり基礎や文化・歴史、王道を見聞きし学ぶことは大切だと思う。


      
    今はコツコツ勉強したり、古い本を読んだり文化に触れるということが軽く見る風潮があるように感じるけど、こういう積み重ねは10年20年先の人間の厚みに差が出るのかなぁと思う。

  • ゲーテを一から学べる本、と言うよりはゲーテを基礎にして斎藤隆さんの考え方を知る本です。
    本として読みやすく、参考になる部分が多くありました。
    本文中にもあるように「性に合わない人や物とも付き合う」ようにしたいと思うようになりました。

  • 著者の齋藤氏曰く、ゲーテは人類最高のレベルの資質を
    持った人間であるといいます。

    詩人、脚本家、演出家、劇場の設計もしたという。
    さらに科学者としても研究を行い、政治家でもあった
    そうです。

    それゆえゲーテの残した言葉には重みがあります。
    現代においても「ゲーテとの対話」は非常に役立つ
    アドバイスにあふれています。

    そんなゲーテの言葉を「聞くように読んで」理解できる
    一冊です。

  • 齋藤孝 「 座右のゲーテ 」

    「ゲ ーテとの対話」から 上達論の要素を抽出して、わかりやすく解説した本

    考えているだけで一歩も前に進まないとき
    *まずは扱う対象を小さく区切っていく
    *そうしたやり方に熟練してきたら 、少しずつ大きな目標へと広げていく
    *一回寝かせてから再度取りかかる

    最も偉大な技術
    *自分を限定し 、他から隔離するものをいう
    *そのいっぽうで 、吸収面は幅広く目を開いていく
    *当たったら続ける →作り上げた作品には執着しない

    人生は有限という考え方
    *どうせ情熱を注ぐのであれば 、よりいいものに注ぐべき
    *異なる時代 、異業種こそが刺激の宝庫
    *書物は新しい知人〜自分の読む範囲が限られてしまうと世界は広がっていかない
    *他人の評価を気にしない

    癖にはエネルギ ーがある〜ある種の欠点は その人間の存在にとって不可欠である〜癖は文学から学べ

    本当の意味での仕事とは 、人から割り当てられた労働以外のものである

  • 著者は「本を読んで勝手に私淑する」を薦め、『憧れを持ってある人を徹底的に勉強することで、その人を資本にしていくこととなる』とありました。またゲーテは、「人はただ愛する人からだけ学ぶものだ。」とも。楽しむ読書と、量より質の読書をバランスよくしたいと思います。両方兼ねての読書ならもっと良いです。

著者プロフィール

1960年静岡県生まれ。東京大学法学部卒業。同大学院教育学研究科博士課程を経て、現在明治大学文学部教授。教育学、身体論、コミュニケーション論を専門とする。2001年刊行の『声に出して読みたい日本語』が、シリーズ260万部のベストセラーとなる。その他著書に、『質問力』『段取り力』『コメント力』『齋藤孝の速読塾』『齋藤孝の企画塾』『やる気も成績も必ず上がる家庭勉強法』『恥をかかないスピーチ力』『思考を鍛えるメモ力』『超速読力』『頭がよくなる! 要約力』『新聞力』『こども「学問のすすめ」』『定義』等がある。

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