座右のゲーテ -壁に突き当たったとき開く本 (光文社新書)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334032500

感想・レビュー・書評

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  • 何か壁に突き当たったときに具体的にどういう行動をとるべきなのか、ゲーテの言葉を引用しながら齋藤氏がとても解りやすく示してくれています。
    ゲーテに関する本をまともに読むのは初めてだったのですが、最初に読んだのがこの本でよかったです。
    「人間が自分に与えることのできるもっともおどろくべき教養は、他の人は自分のことなど求めてはいない、という確信である」
    まえがきにあったゲーテの言葉ですが、この言葉で救われる人がどれだけいるだろうと思いました。

    対象は小さく分けてうまくエネルギーを使うこと。
    人生は有限だから合理的なのは最高を知ること、それには古典に学ぶこと。
    自分の専門、使い尽くせない資本をつくること。
    書かれている中のほんの一部ですがどれもはっとさせられました。

    この本から得たものが多過ぎてとても書ききれそうにないのですが、「ある種の欠点は、その人間の存在にとって不可欠である」というゲーテの言葉から始まる章が、今の私にとってはとても響くものでした。齋藤氏は「今の社会は、癖を愛そうという風潮があまりない」と語っています。
    ゲーテは癖を愛せとまでは言っていないし、自分の欠点を正当化してはいけないけれど、少しは許すことも必要なのかもしれません。その方が生きやすそうだなと思いました。

    人は変わろうと思わないと変われないので、人生のこのタイミングでこの本に出会えたことに意味があってほしいと思いました。

  • 【要約】
    自分を限定して、小さな対象にエネルギーを集中する。
    何かを勉強する場合、これをやるんだという気構えをもつとともに具体的かつ本質的な実践として応用しなければ意味がない。
    日付を入れておく習慣づけをすることで、プロセスが記録化される。
    自分の中にエネルギーをためて、完成まではみだりに他人に見せたりせずに胸にしまっておく。
    他の作品から吸収する場合は、最高のものに触れ、独学に陥らないようにする。また、常に素材とならないかを意識し、決して使い尽くされないような資本を身につけるべく吸収するよう心がける。偏愛する対象を上手に選び、憧れの星との適度な距離感を保つ。さらに、異なる時代、異業種から刺激を受けたり、性に合わない人と付き合ったりすることで、人格に幅が出てくる。
    作品を作る場合は、極端な独創性を排し、先人の遺産を引き継ぐかたちでモチーフに則る。癖や欠点がある人物にこそ魅力が宿る。大切な一人のために作品を作りこむと、そのテーマが普遍性を獲得することがある。
    自分への投資、すなわち何に金をかけるかについて基準を持つ。一見するとつまらない儀式は音楽のようなもので、めいめいが拍子と休止を守っているにすぎないから、極端に不毛だと思う必要はない。
    自分のやっていることが当たったら、徹底してすべてをつぎ込み、やり方を変えない。他方、それと同時に、作り上げた作品にむやみに執着しないことで、その作品に対して行われる批判から距離をおくことができる。
    いいものであれば異質なものでもどんどん飲み込むタフさが、様々な面を束として捉えた「らしさ」につながる。
    納期のある仕事に邪魔が入ることで質が高まることがある。
    青春期には青春期らしいあやまちを十分にしておくことで、老年にそれを繰り返すことなく、かつ、後悔することもなくなる。

  • ★★★★集中するには、小さな対象を扱う。扱う対象を小さく分ければ仕事は楽になる。テーマを小分けしレーザー光線のようにエネルギーを一点に集中させる。自分の得意なことだけを表現する。専門バカにならないよう活動(表現)は狭くても洞察(吸収)は広くする。実際に応用したものしか頭に残らない。実践せず机上の勉強だけではすぐ忘れる。実際的・具体的に考える。吸収するためには、最高を知る。古典に接する。人生は有限。情熱を注ぐなら最高のものに。モーツァルトのピアノ協奏曲。ベートーベンの弦楽四重奏。川端康成。独創性などない。

  • 初めてゲーテに関わる本を読みました。齋藤孝氏が素人の人にわかりやすく書いてくれています。ゲーテを通じて壁の乗り越え方を提案してくれている。

  • ゲーテの格言と思われるフレーズ著者が選んで、具体例を用いながら自身の解釈を提示した本。

    タイトルからはゲーテの紹介のような印象を受けたが、読んでみるとゲーテの言葉を借用しながら現代社会の風潮の薄っぺらい点を批判しており、「なるほど」と感心させられるところが多々あった。

    中でも、古典軽視の風潮への批判は的射ており納得させられた。

    スタンダードなものとして国語の教科書で扱っていた漱石・鴎外などが消えていくのと反対に、すぐに取って代わられるような流行の作家を用いることによって、かつては世代を超えて普遍的に共有された価値観が消失し、本質から学ぶという機会が失われることに対して著者が警鐘を鳴らしているところは必読である。

    古典の効用とその価値を再認識させられたと同時に、これからでもまだまだ遅くはないから古典を読んでみようという意欲が湧いてきた。


    自分のモチベーションをコントロールするのにもいい一冊かもしれない。

  • 『基礎なき「下手うま」はただの下手』
      
    伝統や基礎を学ぶことを軽んじること、読書・学びなんて必要ない、今楽しければそれでいい、自分が儲かればいい、判断基準は「良し悪し」じゃなくて「好き嫌い」だけ、こういう考え方に一石投じた一冊。
      
    まだ途中ですが読んでてかなり耳が痛い・・・


       
    自分自身、この斉藤孝さんという著者と出会ってから古典的な文学や文化、歴史に興味をもってまだ二年くらい。   
    別に読書が絶対的だとも思いませんし、好きな人はマンガでも小説でも読めばいいと思う。   
    僕はマンガもこういうのも好きだから読んでます。

       
    けど、自分の枠の中だけの知識で生きるよりいろんな人の考え方やいろんな年代の文化・歴史に興味を持って知ることは必要。

      
      
    まだ自分自身未熟なのでうまく言葉で誰かに伝えることは出来ませんが、「好きか嫌いか」という主観だけじゃなくて、ものごとの「良し悪し」を見極めるためにはやはり基礎や文化・歴史、王道を見聞きし学ぶことは大切だと思う。


      
    今はコツコツ勉強したり、古い本を読んだり文化に触れるということが軽く見る風潮があるように感じるけど、こういう積み重ねは10年20年先の人間の厚みに差が出るのかなぁと思う。

  • 2019年6月9日に紹介されました!

  • ・いろいろ研究してみたところで、結局実際に応用したものしか、頭にのこらないからな。

    ・重要なことは、けっして使い尽くすことのない資本をつくることだ。

    いろいろ引用して教訓めいた解説をしてくれているが、ゲーテの生の言葉を読んだ方がいいかと。

    『ファウスト』『若きウェルテルの悩み』『親和力』に人生における大事なことは書かれてるからね。

  • 問題を細分化する、日付をつける、心の聖域をもつ、古典から学ぶ…
    ゲーテのことよく知らなかったけど、才能、時代全然違うのに考えること、内容はなるほどと感じ意外。
    2018.9.6

  • 抽象的思考に嵌り込んでしまい、身動きがとれない状態に陥っていた。そういう精神的にどん底のとき、ゲーテの言葉が目に飛び込んできた。(中略)自分の立ち位置が分からなくなったとき、何か壁に突き当たったとき、本書を開いてほしい。何かのヒントがきっと見つかるはずだ。(「まえがき」より)
    「小さな対象だけを扱う」「日付を書いておく」「完成まで胸にしまっておく」「自分だけの師匠をもつ」―ゲーテのことばをヒントに、知的で豊かな生活を送るための「発想の技法」を学ぶ。

  • 齋藤孝 「 座右のゲーテ 」

    「ゲ ーテとの対話」から 上達論の要素を抽出して、わかりやすく解説した本

    考えているだけで一歩も前に進まないとき
    *まずは扱う対象を小さく区切っていく
    *そうしたやり方に熟練してきたら 、少しずつ大きな目標へと広げていく
    *一回寝かせてから再度取りかかる

    最も偉大な技術
    *自分を限定し 、他から隔離するものをいう
    *そのいっぽうで 、吸収面は幅広く目を開いていく
    *当たったら続ける →作り上げた作品には執着しない

    人生は有限という考え方
    *どうせ情熱を注ぐのであれば 、よりいいものに注ぐべき
    *異なる時代 、異業種こそが刺激の宝庫
    *書物は新しい知人〜自分の読む範囲が限られてしまうと世界は広がっていかない
    *他人の評価を気にしない

    癖にはエネルギ ーがある〜ある種の欠点は その人間の存在にとって不可欠である〜癖は文学から学べ

    本当の意味での仕事とは 、人から割り当てられた労働以外のものである

  • ゲーテの言葉は相変わらず耳が痛い。

  • 仕事をする上で、何か悩んだりしたときにいい指標を学べました。
    何はともあれ、ファウストを読まねばと思いました。

  • *人間が自分に与えることのできるもっともおどろくべき教養は、他の人たちは自分のことなど求めてはいない、という確信である。
    *勉強会やセミナーに積極的に参加しても、自分で何か差し迫った課題を持っていなければ、ほとんどプラスにはならない。それは言ってみれば、勉強のための勉強だからだ。いろいろと勉強してみても、「いつかまとめてみよう」と鷹揚に構えていては、おそらく生涯、その勉強は終わらないし、まとまらない。取り組む課題を決めたら、それに沿って無理矢理にでも応用してみることである。

  • 副題「壁に突き当たったときに開く本」~小さな対象だけを扱う・自分を限定する・実際に応用したものしか残らない・日付を書いておく・完成まで胸にしまっておく・実際的に考える・最高を知る・独創性などない・独学は非難すべきもの・「素材探し」を習慣化する・使い尽くせない資本をつくる・愛するものからだけ学ぶ・豊かなものとの距離・同時代,同業の人から学ぶ必要はない・性に合わない人とも付き合う・読書は新しい知人を得るのに等しい・癖を尊重せよ・先立つものは金・儀式の効用・当たったら続ける・他人の評価を気にしない・異質なものを呑み込む・邪魔の効用・現在というものに一切を賭ける・計り知れないものが面白い・感情を生き生きと羽ばたかせよ・詩的に考える・過去に執着しない・青春のあやまちを老年に持ち込むな・年を取ったら,より多くのことをする~エッカーマンが晩年のゲーテに接した9年間のメモをもとに,ゲーテとの会話を書き綴った『ゲーテとの対話』が,ネタ本。齋藤さんは1960年生まれで,テレビで善い人に映っている。本を書くとベストセラー。テレビに出て本書いて儲かるなぁー

  • 【生き方】座右のゲーテ/齋藤考/20160415(46/472)<218/38428>
    ◆きっかけ
    ・同著者別著から

    ◆感想
    ・現在にも十分に通じる生きるヒント。この本そのものが、概念的なところがあるのだが、同著者の例えがとても分かりやすく、理解が進んだ。
    ・要は、メタ認知が大切ということか。しかも肯定的なメタ認知。
    *メタ認知:認知を認知すること。人間が自分自身を認識する場合において、自分の思考や行動そのものを対象として客観的に把握し認識すること。以下メタ認知参照:
    http://www2.nara-edu.ac.jp/CERT/nara-edu/outline/
    http://matome.naver.jp/odai/2136110814968036501
    【読書・勉強】戦略読書/三谷宏治/20160414(45/471)<437/38210>

    ◆引用
    ・教養主義がすたれて久しい。教養とは何かという問い自体が成立しなくなってしまった。刹那的に楽しむ方法しか知らない者が多くなっている。しかしそれでは精神がやせ細ってしまう。
    ・自分が本当に使いこなせる技術、つまり活動面で他者に対しても通用する技術を何か確立すべき。
    ・才能のある人間は他人がやっているのを見ると、自分にも出来ると思いこむものだが、じつはそうではない。表現手段はミニマムに、吸収の器はマキシムに。
    ・完成するまで胸でしまっておく。心のサンクチュアリのように感じられる。
    ・誰もが自分にとって大切な、自分にフィットするエネルギーの場所を持っている。だが、それは人に言ってはいけない。ひそかに、その場所を訪ね、エネルギーを得て返ってくることだ(チェロキー・インディアンの教え)。(=>当方追記:ニッチ的考え?)
    ・具体的な思考から成果は生まれる。本質的なものを求めようとするあまり、抽象的になりがちな傾向に注意。
    ・最高を知れば自然と批評眼が身に付く。どんな領域であれ、いちばんいいものは尊重すること。世界を広げていくために頂点のものを知っておくと、目が開かれていく。それは一生の資本になって自分を豊かにする。
    ・独学より大家に学べ
    ・絵を語るときも、音楽を語る時も、ビックネームを中心にすれば価値認識を共有していくことができる。
    ・世間では子供が塾に通うことに対して、子供の自由を奪うものだ、と考えすぎ。通わせている親の側にも罪悪感がある。それはあまりにも概念的発想であり、現実と全く見合ってない。塾には良い塾と悪い塾、良い先生と悪い先生がいるのであって、それを選びさえすればいいことだ。対価によってマーケットにさらされているので緊張感がある。上手く選べば、勉強の意義や意欲を変えることができる。
    ・人は愛する対象からしか学べない。スタイルの似た人に惚れこめ。学ぼうとする相手を間違うな。
    ・読書は新しい知人を得るに等しい。差異を完全に自覚せよ。
    ・癖を尊重せよ、文学から学び、慣れておけば、現実社会で少々のことはあり得るなと肚が据わる。
    ・全体のバランスを見ながら役割を果たす。
    ・当たったら続ける、勝ちのセオリーを続ける。小さなアイディアを大きく育てて、その手があったのかと思わせること。
    ・何もかも切り捨てるのではなく、様々な面が束になっていて、そのすべてが自分なのだと考える方が、個性はずっと豊かになる。
    ・何かに心が奪われる瞬間を技化する。デモーニッシュなもの、悪魔的なものにとらえられたときには、その気分を大事にせよ。
    ・人生のステージごとにやるべき仕事をせよ
    ・あきらめることで開ける道もある。区切る=諦念
    ・若い時には、人はエネルギーに満ち溢れているので、普通に生活するだけでも満足できる。だが、年をとってエネルギーが落ちてくると、懐古的になり、自分の未来を愛せなくなる。そうならないために、年を取ったらより多くのことをして、自分自身を更新していくことが大切。
    ・多忙な生活を送り、めまぐるしくかわる環境の中で情報の取捨選択を迫られている人にとって、心に恵みをもたらせてくれるのは、上質な読書。

  • 久々に斎藤孝のものを読む.相変わらず知識は広いが内容に表層的なものを感じる.もちろん,彼が見渡したせわしない思考は,深くないものの面積がありボリュームとしてはそれなりである.ただ,やはり深い思考に触れられるものではない.

    本書で役立ったことは「ゲーテとの対話」の存在自体を知ったことである.自分で原書を読む必要があるということがわかったことが一番の大きな収穫である.

  • 著者は「本を読んで勝手に私淑する」を薦め、『憧れを持ってある人を徹底的に勉強することで、その人を資本にしていくこととなる』とありました。またゲーテは、「人はただ愛する人からだけ学ぶものだ。」とも。楽しむ読書と、量より質の読書をバランスよくしたいと思います。両方兼ねての読書ならもっと良いです。

  • 2015/3/16読了。
    ファウスト一部を読み終わったあたりからゲーテに強く惹かれてきたため書店でつい目に入ってしまい購入。

    ゲーテが実際に使っていたノウハウを学べるような書き方であったため、やや期待を込めて読み進めていった。確かに抜き出してある文章からは、日常に活かすことのできるハウツーを感じることができるかもしれない。だが、読み終わった後に残った感情は、ビジネス書を読み終わった後に感じるような「何かできる気になった自分」というものだった。

    やはり、なんにしても書いてある内容を実践したり自分流に落とし込むことをしない限り成長というものはないのだと痛感した。

  • 著者名も見ずにゲーテに関するわかりやすそうな本を、と手にしたら、齋藤先生だった。齋藤流ゲーテの名言集。ゲーテの言葉は、明快でわかりやすいものはあるものの、ほとんどが哲学的で深い。心にスグ伝わるという訳にいかず共鳴したくても(知性の無さで)できずに難解だった。齋藤先生の解説はユーモアや刺激性がなく、教科書のようで響かない。

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著者プロフィール

齋藤 孝(さいとう たかし)
1960年静岡県生まれ。東京大学法学部卒業後、同大大学院教育学研究科博士課程等を経て、明治大学文学部教授。専門は教育学、身体論、コミュニケーション論。学者、作家、文化人の役割で多くのメディアに登場している。
2001年『身体感覚を取り戻す』で第14回新潮学芸賞を受賞。2001年発行の『声に出して読みたい日本語』は250万部を超えるヒットとなり、第56回毎日出版文化賞特別賞を受賞。
その他、『語彙力こそが教養である』など多くの著書があり、発行部数は1000万部を超える。『こども孫子の兵法』など監修作のヒットも多い。NHK Eテレ「にほんごであそぼ」総合指導。

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