わかったつもり 読解力がつかない本当の原因 (光文社新書)

著者 :
  • 光文社
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レビュー : 238
  • Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334033224

感想・レビュー・書評

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  • 読解に限らず、人とのやりとりでも、
    「もうちょっと考えたら本当の意味、わかったのに…。オレの馬鹿」と自己嫌悪に陥ることはよくある。

    もうちょっと考えないのは、決して時間がなかったわけではなく、その時点では、分かっていたから。

    その辺の心の落とし穴を国語教材を通して
    明らかにしてくれる好著。

  • 小説を読んでいて、なんとなく自分の読解力が低いのではないかと感じていた。それを解消するために本書を読んだ。「わかる」とはどういうことか、「わかったつもり」とはどういった状態のことか、なぜその状態に陥るのかを解説し、そこから「わかったつもり」から脱出するための方法を提示している。まず、わかったのは、自分は字面を追いかけているだけで、「わかったつもり」になっていること。そして、「わかったつもり」を脱出する方法はあるが、なかなか難しい。でも、日ごろの読書で脱出するための方法を心がければ、より良い読み方ができそうだ。

    難しい本ではないので、中学生や高校生が国語の成績を上げるためにも本書をお薦めできる。

  • 人は読書の際にどういう思考プロセスで分かったつもりになるのかを、
    読者に体験させながら解説していく。

    大学の授業で同様の実験をやった際の生徒の反応も記載されていて
    私たちも疑似的に授業を受けた気分になった。

  • 読んでよかったの一言。

    本を読んでも断片的にしか覚えていなかったり、
    本の内容を誰かに話そうとすると、もやっとはいえるけど自分の言葉になってないことがありませんか?

    この本は本を読んで、「わかったつもり」(よんだつもり)がなぜ起こるか、またそうならないためにどういった読み方をするのが良いかがわかりやすく書いてある本です

    この本のいい点は、
    実際に文を読んで自分が「わかったつもり」になってるのが体感的にわかるところですかね。自分の本の読み方がわかったつもりだったってのがわかるのがいいです。



    これを読みながら思ったことは、「人に説明するつもりで読む」という行為がいかに頭に内容を落とし込むのに理に適っているかということです。
    人に説明するためには自分の頭の中で読んだことを自分の言葉で組み立てなければならない。そんな根本的なことに気がつく良いきっかけになりました。



    ちなみに、具体的にどういうことが「わかったつもり」を引き起こすのかは本を読んで確認して下さい。(本の内容が頭に入ってないからまとめられないやつではないです)笑

  • 現代国語というカテゴリーが存在する意義を教えてくれる。予定調和を積極的に理解する上で重要な役割を果たす。

  • 実はけっこう上級者向け。

  • 細部まで読まないと、思い込みなしで読まないと、大事なところを見落としたり、間違った読み方をしてしまう。至極当たり前のことですし、10年前にはちゃんと意識してできていたことが、今は疎かになってるなあ。

  • 最近仕事の上で、十分に理解していると思っていた事が
    大変浅い理解であったことに気づく場面がよくあります。

    この浅い理解の原因を考察しますと、表面上の字面を
    見ただけで理解したと「思い込む」ところにあると思われます。

    これは普段本や雑誌を読む上での私の癖でもあり、
    「読む力」=「考える力」が密接に関係していることがわかります。

    このような経緯から、最近は「読む」というテーマで本を選んでおりますが、その中でも一番しっくりと理解できたのがこの本です。

    「わかったつもり」という状態は、その時点で満足してしまうことなので、理解が止まってしまうということを意味します。
    この本ではその状態になる要因を体系的にまとめております。

    例題もあるので、自分がどれだけ適当な読み方をしていたのかという発見もあります。

    自分の理解のレベルは果たして「わかったつもり」であるのかどうか。
    是非一読して確かめてください。

  • 文章理解を「わかったつもり」から「よりわかる」へ

    【内容】
    <著者について>
    大学の教育学部教授

    <わかったつもり とは>
    後から考えて不充分だったわかり方。

    <内容>
    文章を読む際、理解が不充分な状態で、読者が「わかった」
    と判断してしまう状態を「わかったつもり」という。
    「わかったつもり」の問題点は、理解が足りない、若しくは、
    間違った理解のまま、それを放置してしまうことである。

    本書では「わかったつもり」を「よりわかった」状態に
    するための方法を紹介している。

    【コメント】
    「わかったつもり」状態から「よりわかった」状態にする
    解決方法は、HowToとしては5章4節「まとめ」の5ページ
    になるが、はじめから丁寧に読むことをお勧めしたい。

    文章の読み誤りのプロセスの説明は興味深い。

    【メモ】
    <キーワード>
    わかったつもり
    後から考えて不充分だったわかり方。

    スキーマ
    ある事柄に関する纏まった知識。

    文脈
    本書ではとくに背景/状況として扱っている。
    ※話の筋道

    解釈
    文章は、どこまで自由な解釈がゆるされるのか。
    →文と文との関係に不整合がおきない限り自由な解釈が可能。
    →また複数の解釈も許される。

    <備忘>
    文章の解釈の誤る要因。
    1. なんの話か分からないと読めない。
    ・誤った文脈で読んでしまう。
    ・誤ったスキーマで読んでしまう。
    ※または自分の知らない概念(スキーマ)を前提にした文章
    を読んでいるときもそうかも。
    2. 予測がつく或いは冗長な話なので読み飛ばす。※思考停止してしまう。
    ・文脈から文章を補完して読み飛ばす。
    ※雰囲気でよんでしまったり。。。
    ・「いろいろ」という記述にたいして、
    読み手が「いろいろなんだな」とそれ以上の詮索をやめてしまう。
    ・ステレオタイプスキーマ(無難な解釈をして)で読み飛ばす。

    結局、読み手は、正しい理解をするために
    ・正しい文脈/スキーマを使え!
    ※文と文に不整合がないか確認すること。
    ・読み飛ばししないで全部読め!
    ということなんだね。

    書き手は、読み誤らせないために、
    ・読み手に早い段階で、文脈/スキーマを提示する。
    ・読み手に誤った文脈/スキーマに取られないように注意して書く。
    ということかな。

  • まさに自分のためにある本と呼べるくらい、目から鱗の内容だった。

    文章全体の雰囲気によっていかに本を読む人が「わかったつもり」状態になっているかを、具体的な実験などを踏まえてまとめた一冊。

    読書後にまとめをすると当たり障りのないことしかでてこないなど、自覚はしていたけどまさに自分の読書スタイルは「わかったつもり」で留まっていることを、簡単な練習問題を通じて強く実感する事ができた。

    肝心の「わかったつもり」の壊し方は、方向性が描かれるだけで、実際の場面でどのように違った文脈から深く理解をしていけば良いのか具体案は自分の中でも描けていないが、まずは地道に「本を読む→まとめる→疑念•矛盾を発見する→深読みする」のサイクルを回す練習をしたいと思う。

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