99・9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方 (光文社新書)
- 光文社 (2006年2月16日発売)


- Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334033415
作品紹介・あらすじ
「最近どうも頭が固くなってきたなぁ」そんなあなたにつける薬は"科学"です。文系理系を問わず、科学のホントの基本を知るだけで、たったそれだけで、あなたの頭はグニャグニャに柔らかくなるかもしれないのです。科学の基本-それは、「世の中ぜんぶ仮説にすぎない」ということです。思いこみ、常識、前例、先入観、固定観念…そういったものにしばられて身動きがとれなくなっている人っていますよね?「なんでこんな簡単な話が通じないんだ!」ってイライラしますよね?そんなときは、気休めにこの本を読んでみてください。きっと、ものの考え方から世界の見え方まで、すべてがガラリと音を立てて変わるはずですから。
感想・レビュー・書評
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飛行機の飛ぶ原理はわかっていない。うまく飛ぶから飛ばしているのが現状である。このことからもあらゆる物事が実は仮説で進んでいるということに驚かされる。天動説から地動説しかり、今の常識は未来の常識と必ずしも一致しない。この常識を疑うことを踏まえて生活することが大事である。
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90%は当たり前のことを書いているのに過ぎない(99.9%でない理由をこの後延々と述べます)。けれども何故この本を読む気になったのか?それはオウム事件死刑囚(故)広瀬健一の手記を読んだからである。
広瀬が何故そこまで思いつめてしまったのかは、今はもう聴くことは出来ない。けれども彼は高校生から大学院生になるまで、ずっと「生きる意味」を探していた。「宇宙論のように、全ては無に帰してしまうのではないか。絶対的な価値はあるのか」と探し求め、いったんは無いと諦め、この早熟な知性はそのことにより「生きる意味」さえ見失っていたのである。ところが、たまたまの「宗教的体験」が「絶対的価値」だと勘違いしてしまったのが彼の悲劇の始まりだった。この本の題名で言えば、「0.1%」が麻原彰晃の言うことだと信じて仕舞えば、貴方でさえもポア(殺人)するのに、何の躊躇いも無くなるのかもしれない。私がそう思うのには、根拠がある。麻原彰晃に出会う前の広瀬のように「世の中の真実は、相対的でかつ不可知なのだからわかりようがない。変えようと努力することは無駄である。生きる意味もない」という諦めは、広く広く若者の中に浸透していると思うからである。この本のレビューを見ても、「全て不可知だ」で感想をまとめている人が多い。どうも竹内薫はそう言う考えに結びつく事を書いているようだ、と「仮説」を立ててみた。
99.9%は仮説だから、思い込みで判断しないようにしましょう、と竹内薫は言う。「飛行機が何故飛ぶのか?実はよくわかっていない」という説明はとてもわかりやすく書いていた。
「土地の値段は絶対に下がらない」という仮説が間違っていた、という説明は歴史的事実だからとてもわかりやすい。
では、109-110pにこういう文章があります。「この世には『正しいこと』などなにもない」「時代と場所によって『正しいこと』は変わるのです」。
相対性理論は視点の設定らしい。つまり「ある意味、諦めることが肝心なんです」。(190p)
それを突き詰めると、著者は「誤解を恐れずにいうと、人殺しですらある意味では悪じゃない可能性がある」(199p)という「仮説」を立てます。「ある意味」という条件として戦争を引き合いに出している。しかし、反証手続きは一切やっていない。もしやろうとすれば、この本の倍以上の分量は必要(それでも反証は難しい)なので、「諦めた」のかもしれないが、私はものすごく「無責任な文章」だと思った。
「世界は数秒前に誕生した仮説」を否定する証拠はないから、この仮説は有効なのだという(241p)。この本の1番の問題は、自然科学や物理科学と、歴史科学や経済科学(反証できないから科学と言ってはいけないと言っている)を、言っている端から「同じ土俵で」論じている点である。自然科学と社会科学を同じ土俵で論じてはいけない。これは論理的な問題であると私は思う。人は明日の天気を予測できるけど、明日のニュースを予測出来ない。こんな思想の竹内薫だから「戦争による殺人は許される」ということに結びつきかねない文章を平気で書けるのである。それは人間としての教養の問題だと思う。
上で私が出した「仮説」は証明された。竹内薫は、「ホントに書いていた」。よって、この本を読んで納得した若者から「広瀬健一」が出てきても全然おかしくはない。私の仮説で言うと、オウム真理教よりも質(たち)がわるい本だと思う。竹内薫が広瀬健一にならなかったのは、竹内薫が広瀬ほどは真面目ではなかったからだ、という仮説さえ成立するかもしれない。
私はそれでも世界を諦めたくはない。何故ならば、竹内薫ならば「諦めて」も全く生活に支障はないだろうけど、私の生活は諦めた端(はな)から壊されていくからである。私たちは、社会の全てに「優先順位」をつけて「白い仮説」を信じて生きていかざるを得ないのである。-
こんにちは。はじめまして。
kuma0504さんは、この本を否定的に読んだみたいですけど、(kuma0504さん)の感想を読んでいて、自分...こんにちは。はじめまして。
kuma0504さんは、この本を否定的に読んだみたいですけど、(kuma0504さん)の感想を読んでいて、自分はむしろ読んでみたくなりました。
竹内薫はサイエンスZEROを見ていてもそんなに変な人とも思えないこともあり。もしかしたら、誰もが情報を鵜呑みにしてしまう世の中に唾を吐いてみたんじゃないのかなーというのが、kuma0504さんの感想を読んでの自分の仮説?w
ただ、kuma0504さんが否定的に書いているのもわかるような気はします。2020/11/03 -
本ぶらさん、こんにちは。
レビューを読んで、読みたい気になってくれるのが一番嬉しいことです。
物事を批判的に見ようと言うことは、この本の趣旨...本ぶらさん、こんにちは。
レビューを読んで、読みたい気になってくれるのが一番嬉しいことです。
物事を批判的に見ようと言うことは、この本の趣旨であり、そのことにはわたしは大賛成です。9割賛成といった謂です。
でも‥‥と言うのがわたしの趣旨。読んで感じたことを教えてくれたならば更に嬉しいです。2020/11/03
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【99.9%は仮説を読んで】
この本は、科学作家の竹内薫さんが書いた科学的な考え方の本です。
「思い込みで判断しないために」という副題のもと、世の中にあるさまざまな仮説の具体例が示されています。
個人的に面白かったのは、「科学は、いつでもまちがいを潔く認めるもの」という一説です。
批判的思考などと聞くと、疑ってかかるイメージをしがちですが、それは科学的思考とは言えません。
良いデータ、悪いデータの両方の側面を見ること。こういう態度でものごとに接するとアイデアも豊富に生まれるのではと思いました!
他人と話すときも、考えを否定するのではなく、「この人はどんな仮説の中に生きているんだろう?」と考えること。
田村は「これが大人の余裕なんじゃないか!?身に着けたいなぁ。」と思いました。笑 -
もう一度読みたいと思った近年のベスト。
無人島に持って行きたい本は?と聞かれることがあれば今はこの本をあげたい。
それくらいすごく面白い本だった。
著者はとても分かりやすく噛み砕いて書いてくれているのだが、初めのうちはいわゆる「理科」な話が難しく、めげそうにもなった。それはもちろん、私自身がその背景である基礎知識を知らないことが原因であるのだから著者に非はない。
それでも読み進めていき、だんだんと著者の言わんとすることがわかってくると、ページをめくる手を止められなくなった。
シチュエーション依存の話などは日常でも大いにある話である。
人がいがみ合う原因の多くはこのシチュエーションのズレだと常々思ってきたが、まさか相対性理論とつながるなんて思いもよらなかった。
昨今の日本では「非常識」という攻撃が盛んである。が、それは自分の常識を他人に押し付けているだけなのだということは常々感じている。もちろん自分も忘れないように肝に銘じておかねばならない。
ガリレオはガッカリするだけで済んだが、今の日本では命を落とす人も多い。
そういう意味では「自分の考える常識はあてにならない」と個人に促すことで、皆がはっと気がつくきっかけになればいいな、と思う1冊だった。
とても分かりやすく読みやすいので、老若男女いろんな人に読んでみてほしいと思う。 -
タイトルからわかる通り、ほとんどのことはいつでも覆りうる仮説だという話。また、科学が決して万能ではなく、例えば飛行機が飛ぶ原理はよくわかってないことなどがある。
ガリレオが望遠鏡を披露した時のリアクションのように、常識はいろんな人に深く根をおろしていてなかなか抜けない。
仮説がひっくり返るというところで、本の中に取り上げられている冥王星は実際に惑星から格下げされている。
人と人のコミュニケーションがうまくいかない時は、この互いの仮説が違っていることを認識したほうがいい。 -
99.9%は仮説
この世の中で定理や真実といわれている、いわゆる科学的に証明されていることのほとんどはすべて仮説の上に成り立っていることであり、この世の中に真実など存在しないという大胆な切り口で理論が展開されていく。
難しい言葉を極力使用しないで、科学がどのようにして発展してきたかを解説してあり、その中で現時点でもっとも正しいと「思われている」ことをあたかも真実として教えている今の教育方法には問題があると筆者は説いている。確かに、現時点で最も正しいと思われていることはあくまで仮説であって真実ではないということを伝えておかないと、その仮説をぶち壊す(新しい仮説を立てる)ことが行われなくなり、そこで思考が停止してしまう。子供たちにこのことを教えておかないと、彼らが将来、自分自身の手で選択肢を数を増やすことが難しくなってしまうかもしれない。
すべては仮定にすぎないというかなり大胆なアプローチから、頭の固い人からすると頭に血が上ってしまうような表現が随所に見られる。個人的には、世の中で言われていることはほとんど嘘か欺瞞だと、常にアンチテーゼばかり唱えている私のような人間には、かなりスルっと入ってきて面白かった。
特に相対性理論の解説は秀逸。科学に興味があるけど詳しいことはまだ知らないという人にはうってつけの入門書かもしれない。
※抜書きが行われていないため、このままでは売却できません。流し読みでよいのでチェックすべし。 -
科学というものの不完全さ
すいすい読めるんだけど例え話がぴんとこないのばかりで「??」となってしまった
タイトルの、99.9%は仮説、で、ほぼ話が済んでるというかそれ以上の情報がそんなになかった印象…… -
人は、何か一つの真実があると思った方が安心する。何か「確かなものがある」というある種の安心感のようなものは生きていく上で重要だ。だからこそ人は宗教に走るのかもしれない。
科学にしても同様だ。人は「科学的にこういうことが言える」と言うとそれを安易に受け入れてしまいがちだ。しかし本書が指摘するのは、そういう風に当たり前、当然の事実として受け入れてしまっている科学的事実が、実は仮説に過ぎないかもしれない、と疑う姿勢を持つことの重要性だ。
人は大仮説、つまり世の中を捉えるための大きな思考的枠組みの中で生きている。その枠組みというのは至極当たり前すぎて疑うことをしない。逆に言うと、その枠組みで説明できない事柄はなかなか受け入れることはできないし、世紀の発見は往々にしてその枠組みの外から生まれるのだ。
本書が説くのは、当たり前のことだと思って受け入れている様々な事象を疑ってみるという姿勢を持ってみることの大切さだと思う。無論、疑ってばかりでは日常生活に支障をきたすだろうが、少なくとも今正しいと思って受け入れている事実もあくまで仮説に過ぎないのでは、とたまに思い返してみること。そうすることで批判的な思考というものも鍛えられるのではないだろうか。
本書は一貫してずっと同じことを言っている。それが冗長だと思う人もいるだろうが、これぐらい繰り返された方が主張は記憶に残るよなぁとも思った。 -
常識だと思っていたことが、すべて仮説にすぎない。
言ってることは分かるけど、途中から「だから、何?」という気はしてくる。
賢い人は、自分より真理を知っていたり真理に近かったりするわけではなくて、その人の世界の仮説が自分の世界の仮説より広くまで至っている、ということなのかも。真理は存在しないわけでなくて誰も到達できない性質のもの。分からない世界を把握して受け入れるには、相対性理論を理解するような、諦念が必要なのか。
誰も宇宙のすべてを理解してはいない。自分の持っている宇宙観が自分の宇宙。
ネッカーの立方体はほんとに集中しても3秒で切り替わってしまう。なぜなのか分からないけど面白い。
著者プロフィール
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