99・9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方 (光文社新書)

著者 :
  • 光文社
3.37
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本棚登録 : 4089
レビュー : 590
  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334033415

作品紹介・あらすじ

「最近どうも頭が固くなってきたなぁ」そんなあなたにつける薬は"科学"です。文系理系を問わず、科学のホントの基本を知るだけで、たったそれだけで、あなたの頭はグニャグニャに柔らかくなるかもしれないのです。科学の基本-それは、「世の中ぜんぶ仮説にすぎない」ということです。思いこみ、常識、前例、先入観、固定観念…そういったものにしばられて身動きがとれなくなっている人っていますよね?「なんでこんな簡単な話が通じないんだ!」ってイライラしますよね?そんなときは、気休めにこの本を読んでみてください。きっと、ものの考え方から世界の見え方まで、すべてがガラリと音を立てて変わるはずですから。

感想・レビュー・書評

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  • 90%は当たり前のことを書いているのに過ぎない(99.9%でない理由をこの後延々と述べます)。けれども何故この本を読む気になったのか?それはオウム事件死刑囚(故)広瀬健一の手記を読んだからである。

    広瀬が何故そこまで思いつめてしまったのかは、今はもう聴くことは出来ない。けれども彼は高校生から大学院生になるまで、ずっと「生きる意味」を探していた。「宇宙論のように、全ては無に帰してしまうのではないか。絶対的な価値はあるのか」と探し求め、いったんは無いと諦め、この早熟な知性はそのことにより「生きる意味」さえ見失っていたのである。ところが、たまたまの「宗教的体験」が「絶対的価値」だと勘違いしてしまったのが彼の悲劇の始まりだった。この本の題名で言えば、「0.1%」が麻原彰晃の言うことだと信じて仕舞えば、貴方でさえもポア(殺人)するのに、何の躊躇いも無くなるのかもしれない。私がそう思うのには、根拠がある。麻原彰晃に出会う前の広瀬のように「世の中の真実は、相対的でかつ不可知なのだからわかりようがない。変えようと努力することは無駄である。生きる意味もない」という諦めは、広く広く若者の中に浸透していると思うからである。この本のレビューを見ても、「全て不可知だ」で感想をまとめている人が多い。どうも竹内薫はそう言う考えに結びつく事を書いているようだ、と「仮説」を立ててみた。

    99.9%は仮説だから、思い込みで判断しないようにしましょう、と竹内薫は言う。「飛行機が何故飛ぶのか?実はよくわかっていない」という説明はとてもわかりやすく書いていた。

    「土地の値段は絶対に下がらない」という仮説が間違っていた、という説明は歴史的事実だからとてもわかりやすい。

    では、109-110pにこういう文章があります。「この世には『正しいこと』などなにもない」「時代と場所によって『正しいこと』は変わるのです」。

    相対性理論は視点の設定らしい。つまり「ある意味、諦めることが肝心なんです」。(190p)

    それを突き詰めると、著者は「誤解を恐れずにいうと、人殺しですらある意味では悪じゃない可能性がある」(199p)という「仮説」を立てます。「ある意味」という条件として戦争を引き合いに出している。しかし、反証手続きは一切やっていない。もしやろうとすれば、この本の倍以上の分量は必要(それでも反証は難しい)なので、「諦めた」のかもしれないが、私はものすごく「無責任な文章」だと思った。

    「世界は数秒前に誕生した仮説」を否定する証拠はないから、この仮説は有効なのだという(241p)。この本の1番の問題は、自然科学や物理科学と、歴史科学や経済科学(反証できないから科学と言ってはいけないと言っている)を、言っている端から「同じ土俵で」論じている点である。自然科学と社会科学を同じ土俵で論じてはいけない。これは論理的な問題であると私は思う。人は明日の天気を予測できるけど、明日のニュースを予測出来ない。こんな思想の竹内薫だから「戦争による殺人は許される」ということに結びつきかねない文章を平気で書けるのである。それは人間としての教養の問題だと思う。

    上で私が出した「仮説」は証明された。竹内薫は、「ホントに書いていた」。よって、この本を読んで納得した若者から「広瀬健一」が出てきても全然おかしくはない。私の仮説で言うと、オウム真理教よりも質(たち)がわるい本だと思う。竹内薫が広瀬健一にならなかったのは、竹内薫が広瀬ほどは真面目ではなかったからだ、という仮説さえ成立するかもしれない。

    私はそれでも世界を諦めたくはない。何故ならば、竹内薫ならば「諦めて」も全く生活に支障はないだろうけど、私の生活は諦めた端(はな)から壊されていくからである。私たちは、社会の全てに「優先順位」をつけて「白い仮説」を信じて生きていかざるを得ないのである。

  • 科学というものの不完全さ
    すいすい読めるんだけど例え話がぴんとこないのばかりで「??」となってしまった
    タイトルの、99.9%は仮説、で、ほぼ話が済んでるというかそれ以上の情報がそんなになかった印象……

  • 人は、何か一つの真実があると思った方が安心する。何か「確かなものがある」というある種の安心感のようなものは生きていく上で重要だ。だからこそ人は宗教に走るのかもしれない。

    科学にしても同様だ。人は「科学的にこういうことが言える」と言うとそれを安易に受け入れてしまいがちだ。しかし本書が指摘するのは、そういう風に当たり前、当然の事実として受け入れてしまっている科学的事実が、実は仮説に過ぎないかもしれない、と疑う姿勢を持つことの重要性だ。

    人は大仮説、つまり世の中を捉えるための大きな思考的枠組みの中で生きている。その枠組みというのは至極当たり前すぎて疑うことをしない。逆に言うと、その枠組みで説明できない事柄はなかなか受け入れることはできないし、世紀の発見は往々にしてその枠組みの外から生まれるのだ。

    本書が説くのは、当たり前のことだと思って受け入れている様々な事象を疑ってみるという姿勢を持ってみることの大切さだと思う。無論、疑ってばかりでは日常生活に支障をきたすだろうが、少なくとも今正しいと思って受け入れている事実もあくまで仮説に過ぎないのでは、とたまに思い返してみること。そうすることで批判的な思考というものも鍛えられるのではないだろうか。

    本書は一貫してずっと同じことを言っている。それが冗長だと思う人もいるだろうが、これぐらい繰り返された方が主張は記憶に残るよなぁとも思った。

  • 常識だと思っていたことが、すべて仮説にすぎない。
    言ってることは分かるけど、途中から「だから、何?」という気はしてくる。

    賢い人は、自分より真理を知っていたり真理に近かったりするわけではなくて、その人の世界の仮説が自分の世界の仮説より広くまで至っている、ということなのかも。真理は存在しないわけでなくて誰も到達できない性質のもの。分からない世界を把握して受け入れるには、相対性理論を理解するような、諦念が必要なのか。
    誰も宇宙のすべてを理解してはいない。自分の持っている宇宙観が自分の宇宙。

    ネッカーの立方体はほんとに集中しても3秒で切り替わってしまう。なぜなのか分からないけど面白い。

  • 『実は常識のほうが大きく間違っていた』と思っていた常識が大きく間違っていた、と思っていた常識がまたまた大きく間違っていた!と思ってよく計算したら一番最初の仮説が一番真理に近かったかもしれない!?
    みたいな本。
    天動説と望遠鏡、ロボトミー手術と都合の悪い事実に結果論でしかない歴史。それらを受けて、全てが今現在最新の仮説を立てているだけの状態。
    現代の人は過去の人よりも未来に生きているというだけで今を定説のように盲信してしまう。
    この先の未来にはもっと優れた科学の発展があるんだろうし、そこで「夢が現実で現実が夢だった」とかそんな馬鹿なってこともわかっちゃうかもしれないとかとか、そんな本。

  • 内容がないとは言わないがスカスカ

  • 世の中は仮設で成り立っているとした考え方。物事を疑ってみることも時には必要だと感じた。ただ常に疑うのは疲れるので、読書や仕事時に疑問を感じる感覚を身につけていきたい。

  • 「当たり前に信じられている科学も実は仮説に過ぎない。科学は反証されるもの故に決定的な証明は絶対にできない。」この本のエッセンスはこれだけかな。色々実例を出しているけど全て必要とは思えない。文字が少なく余白が多い使用と相まってページ稼ぎに感じる。一般常識や普段の思い込みも一緒くたに仮説と括っているのに違和感がある。

  • 初めて新書って面白いな、と思った大切な本。
    大学の哲学のレポートテストで、何にも授業受けてなくて困って、とっさに生協で買ったのがこの本だった。
    本当に面白くて、あっという間に読み終わった。そしてこの本の内容をそのままレポートに書き込んだ。
    結果…哲学の単位は落とした(笑)
    授業の内容と本の内容が異なっていたのだから、しょうがない。しかし心の中では、「あなたの授業より、この本の方がずっと面白くて為になった」と思っていた。そういった意味でも思い出深い。

  • 相対性理論によってバカの壁が説明できるのかもしれない。面白い本で一気読みでした。

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著者プロフィール

科学作家

「2019年 『「文系?」「理系?」に迷ったら読む本』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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