「あたりまえ」を疑う社会学 質的調査のセンス (光文社新書)

著者 :
  • 光文社
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本棚登録 : 511
レビュー : 64
  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334033439

作品紹介・あらすじ

数字データでは語れないさまざまな現実を、いかに取り出すか。

感想・レビュー・書評

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  • こういう社会学の存在には勇気付けられる。

    岸先生の「断片のない」もよかったけど、これで学問として現実味が湧いた。

    1年後とかに、社会学を少し学んでから読み直すのが楽しみ。そのとき私はどのようなスタンスだろうか。

  • 素晴らしい本でした。構成も、文章も明快で読みやすく理解しやすい。おそらく著者が専門家として大事にしていることと通じるからだろうが、必ず「自分がこう思った感じた」ことと、客観的な事実とを、きっぱり分けて書いてある。勝手な押し付けが皆無。これほどクリアなのに、思わず引き込まれて泣いてしまう部分が、いくつもあった。紹介されていた本はどれも読んでみたくなった。とにかく素晴らしかった。ありがとうございました。

  • ビジネス書に慣れてしまうと、とても読みづらい一冊。
    大学時代に受けた「社会学総論二」を思い出した。
    この講義もフィールドワークを専門にしていた先生のものだった。
    書かれていることはむしろ興味がある内容なのに、なぜ読みづらいのか。フィールドワークの世界は対象に一体化することが求められる。
    しかし、それを外の人に伝える時はスイッチを替えねばならない。
    本書は、著者の思いを「好きに語ったもの」だそうだ。ならばよい。
    ただ、社会学(フィールドワーク)が、専門外の人に広く理解されないのは、このスイッチの切り替えが出来ていない点にあるのではないかと感じた。

  • 読むべき

  • S361.9-コウ-243 000441204
    (光文社新書 243)

  • 貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
    http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784334033439

  • 大学時代、先生の講義に出席して、その際購入したと記憶。

    あぁ、面白いなぁ、とフィールドワークの醍醐味や緊張感のある知的営みにただただ感銘を受けっぱなしでした。哲学を専門にする前は人類学に興味を持っていて、人類学でもフィールドに出るからと当時先生の授業も受けていました。講義を思い出しつつ、そういうことだったのかと今更ながら振り返りました。

    内容としては、フィールドワークの際の心構えについて著者の好井先生の体験を濃厚に織り交ぜつつざっくばらんに書かれた本です。そして、それを通して社会学の営みを解説する入門書でもあります。
    社会学者の書いた本はもう無数にあるのですが、社会学、特にフィールドワークが何かを知りたかったらこの本はオススメですよ。何せ、著者が肩書きで社会学者を名乗っていても、本によって学者によって、書き口から問題の扱い方から主張からピンキリがあります。質の悪い調査、センスのない研究で本を出す「社会学者」も多いんですよ。そこのところ、好井先生なりに本のキュレーションもなさっているので、巻末の参考文献に挙げられた本もなかなかのチョイスです。私も久々に社会学でいい本が読めたとホクホクしてます。『大衆演劇への旅』はまだ読めてないので早速探して読みます。

    好井先生もあとがきでおっしゃるように、"自分の問題"としてこの本を読むよう勧めていらっしゃいます。フィールドワークと言っても、自分の置かれた現状・立ち位置をフィールドとすれば、そこからそのままフィールドワークは出来るのだと思います。だとすれば、必要なのはほんのちょっとの心構えとセンスでしょう。私も自分なりのフィールドワークをしていこう。社会学を専門にはしませんでしたが、そんな気持ちになる一冊でした。

  •  本書は、本学教員の好井裕明先生によって書かれた、社会学における社会調査、特に質的なフィールドワーク(聞き取り調査、会話分析、参与観察など)をめぐる一冊です。
    「私たちが普段生きている意味や価値、暮らしのなかで使用する現実の言葉やさまざまにわきおこる情緒など、いわゆる質的な部分」(p.35)を詳細に調べようとする時、アンケート調査や質問紙調査という量的な調査方法では限界があります。そこで、用いられるのが聞き取り調査・会話分析などの質的な調査手法です。
     とはいえ、本書は、そのような質的調査に関する技法や方法論、倫理などを一般的に説明するような教科書的なものではありません。「世の中を質的に調べる」うえで、著者が基本であり大切だと考える「リサーチ・マインド」について書かれた一冊であります。そのため、質的調査の入門書の「副読本」として、本書を位置付けていただくといいかもしれません。
     構成としては、社会学の質的研究における古典的名作と言われる面白い論文や書籍(佐藤郁也著『暴走族のエスノグラフィー』、ガーフィンケル著「エスノメソドロジー命名の由来」等)を数多く取り上げ、各研究の概要に触れつつ、調査手法の面におけるそれぞれの特徴をわかりやすく順に解説していくというかたちをとっているので、とても読みやすいと思います。これから卒論で質的調査を行おうと考えている3年生や、大学院進学を考えている4年生にオススメの一冊です。
    (ラーニング・アドバイザー/教育 SAKAI)

    ▼筑波大学附属図書館の所蔵情報はこちら
    http://www.tulips.tsukuba.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=1271369

  • フィールドワークに興味があるので、読んでみた。
    これまであんまりなじみのない本やったけど、自分の感覚にフィットしているような、そんな気がした。
    フィールドワークは先入観を排して、徹底的に、ひとりひとりと向き合う作業である、そんな印象でした。おもしろく読めた。

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著者プロフィール

日本大学文理学部社会学科教授。1956年、大阪市生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得満期退学。京都大学博士(文学)。編著書に『批判的エスノメソドロジーの語り』(新曜社、1999年)、『「あたりまえ」を疑う社会学』(光文社、2006年)、『ゴジラ・モスラ・原水爆』(せりか書房、2007年)、『差別原論』(平凡社新書、2007年)、『違和感から始まる社会学』(光文社新書、2014年)、『差別の現在』(平凡社新書、2015年)、『排除と差別の社会学(新版)』(有斐閣、2016年)などがある。

「2016年 『戦争社会学 理論・大衆社会・表象文化』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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