清宮克幸・春口廣対論 指導力 (光文社新書)

著者 :
  • 光文社
3.42
  • (6)
  • (12)
  • (26)
  • (4)
  • (0)
本棚登録 : 127
感想 : 15
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334033453

作品紹介・あらすじ

監督として、早稲田大学ラグビー部を一三年ぶりに日本一に導き、さらには三一年ぶりの連覇、社会人トップリーグチームを破る快挙を成し遂げた清宮克幸(サントリーサンゴリアス監督)。関東学院大学ラグビー部を部員八人の状態から常勝チームに育てあげ、九年連続大学選手権決勝進出(継続中)の偉業を達成した春口廣。互いに尊敬し合うライバル同士でもある名指導者二人が、自身の経験とノウハウをもとに、「指導力」の肝について、深く、面白おかしく、存分に語り合う。大学ラグビーのファンだけでなく、すべての指導者、部下を持つビジネスマン必読。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「松瀬学」がラグビーの指導者「清宮克幸」と「春口廣」にスポットあてた『清宮克幸・春口廣対論 指導力』を読みました。

    「松瀬学」作品は昨年の9月に読んだラグビー本『スクラム 駆け引きと勝負の謎を解く』以来ですね。

    -----story-------------
    個人のやる気と才能を引き出し、強い組織をつくるには?
    名指導者2人が、その経験とノウハウを存分に語る!

    監督として、早稲田大学ラグビー部を一三年ぶりに日本一に導き、さらには三一年ぶりの連覇、社会人トップリーグチームを破る快挙を成し遂げた「清宮克幸(サントリーサンゴリアス監督)」。
    関東学院大学ラグビー部を部員八人の状態から常勝チームに育てあげ、九年連続大学選手権決勝進出(継続中)の偉業を達成した「春口廣」。
    互いに尊敬し合うライバル同士でもある名指導者二人が自身の経験とノウハウをもとに、「指導力」の肝について、深く、面白おかしく、存分に語り合う。
    大学ラグビーのファンだけでなく、すべての指導者、部下を持つビジネスマン必読。
    -----------------------

    2005年度シーズン終了後(2006年初頭)、3回に亘って行われた、早稲田大学ラグビー部監督「清宮克幸」と、関東学院大学ラグビー部監督「春口廣」(いずれも当時)の対談をまとめた作品です。

     ■序章 五年目のノーサイド
     ■第1章 五年間の死闘をふりかえる
      チームは生き物
      「史上最強」早稲田vs.関東学院
      次につながる負け ほか
     ■第2章 強いチーム、組織のつくり方
      いい素材をどう見つけるか
      組織の規律
      チームづくり
     ■第3章 ジャパンを強くする方法
      なぜワセダとカントーが強いのか
      大学ラグビーの課題
      ジャパン強化 ほか
     ■あとがき
     ■早稲田vs.関東学院試合結果(2001~2005年度)


    性格も指導方針が大きく異なる二人ですが、意外と共通点があるんだなぁ… と感じながら読みました。

    著者は、その最たるものは「そこにいる人間を愛する能力。」とまとめていましたが、全く同じ印象、、、

    本書を読んで「清宮克幸」の印象が変わりましたね。


    それにしても… 「春口廣」って多弁ですねぇ、、、

    対談で「春口廣」の方が、圧倒的にしゃべる量が多かったですね… 「清宮克幸」が言いたいことも含め、「春口廣」が説明している感じでした。


    その中でも特に印象に残った発言を記しておきます。

    「そりゃ、宝物は教え子だよ。」

    「選手づくりじゃないの。
     人をつくってんだよね。

      ~中略~

     その手段として、ラグビーをしているのさ。」

    こんな指導者に指導してもらう機会があれば良かったなぁ… と感じました。


    職場での後輩育成に役立てたいな。

  • P64の春口監督の
    毎年、たくさんの学生を送り出さないといけない
    ~中略~
    おれたちは、ほとんどすんなり就職出来る早稲田とはちがうんだ。

    という言葉が、すごく印象に残った。

    早稲田のような圧倒的なブランド力を持つ伝統校に対し、一から強豪校に作り上げ、多くの卒業生を送り出してきた指導者、教育者としての思いを感じた。
    一瞬が勝敗を決し、明暗を分ける学生スポーツの世界に長く関わる中での実感でもあるのだろう。

    そして、選手の立場から言えば、こうした言葉を聞けば、「だからこそ絶対に勝ってやろう!!」という気持ちにもなるだろう。

  • 清宮監督率いる早稲田大学と春口監督率いる関東学院大学。2001年~2005年の5年間、ラグビー大学選手権決勝は常にこの2チームだった。その名将二人のラグビーにかける情熱や人生観を対談形式でまとめたのがこの本。

    タイトルから想像したマネジメントスキルみたいなものは学べないけど、二人の熱い想いを読んでるうちに、自分のココロにも何か熱が伝わってくるような感じ。

    ラグビー経験者、ラグビーファンにはお勧めしたい一冊ですよ。

  • 二人の熱さがビンビン伝わってきました

  • 「指導力」というタイトルが適切かどうかは果たして疑問だけど、内容としてはとても豪華。
    関東学院大学を、部員8名の状態から選手権出場へ導いた春口監督と、早稲田の低迷期に現れたカリスマ清宮監督の対談。しかもこの二人、ライバルでありながら師弟関係。
    お酒を交えての会話の中には、そんな昔のこぼれ話も見え隠れして、思わずこちらまでにっこりしてしまった。あくまで互いを尊敬し合っている姿勢も、ラガーマンとしての誇りを感じさせる言葉たちも、とても素敵。

    春口さんの言葉でひとつ、とても印象的なものがあったのだけど、twitterにメモしていたら消えてしまった…見つけ次第追記しようと思う。残念…。

  • 【37】
    早稲田ラグビー部清宮監督(当時、現ヤマハ監督)、関東学院ラグビー部春口監督(当時、現総監督)の対談を纏めたもの。

    最近あまり学生ラグビーを見なくなってしまったが、90年代終盤以降の学生ラグビーは、本作の両監督に加えて、慶応上田監督等個性的な監督の存在も非常に興味深かった。

    清宮監督の就任以降、5年連続で決勝が同一カードになり、チームカラーの対照的な両チームのライバル関係も面白かった。(両監督に言わせれば、明治がだらしない、ケシカランということになるのだろいうが)

    勝負師であり、ビジネスマンである清宮監督と、あくまで先生である春口監督と、それぞれ独特の考え/視点が面白い。

    特に清宮監督は短時間練習や練習のデジタル化を進めてきた一方で、「ワセダかくあるべし」「魂」といったアナログを大事にする面も強く、そのバランス感覚が本当に秀逸。

    ラグビー・フットボールと同根のせいかもしれないが、ほかのスポーツの指導者よりも共感するところが多いのだ。

    2011.3.13読了

  • 大学ラグビー界の2大カリスマ監督による対談。関東学院と早稲田の強さ、その指導法が垣間見える。本音であり、また雑談のような対談であるため、ところどころこんなこと言っていいのかと思う発言もあり面白い。ただ、組織論やコーチング論といった部分の突っ込みは弱く、参考になる話はあまりない。ラグビーファンとして楽しむ本。

  • 早稲田 清宮
    関東学院 春口

    5年連続で大学選手権顔をあわした二人の名監督がその指導の肝を余すことなく語る本。

    以前、ニュースの特集で、試合前の円陣で早稲田の選手等が号泣しているシーンを見て正直ひきました。

    でも、そんくらいやんなきゃ駄目なんだ。
    そう、やらなくては。

    「人間にちがいなんてない。やれてないだけなんだ」

    春口の言葉。

    大学ラグビーをかじってないと登場人物が把握できずしんどいだろうけど、やはりスポーツの感動はピッチにある。

    そう確信した。

  • 早稲田と関東学院の強さの秘密がわかる本。指導の難しさを垣間見ることができる。お勧め。

全15件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

松瀬学(まつせ・まなぶ)1960年、長崎県生まれ。福岡・修猷館高校、早稲田大学ではラグビー部に所属。ポジションはロック、NO8、プロップ。83年、共同通信社に入社。96年から4年間、米NY支局勤務。02年に同社退社後、ノンフィクション作家に。日本文藝家協会会員。元RWC組織委員会広報戦略長、現・日本体育大学教授。著書は『汚れた金メダルー中国ドーピング疑惑を追う』『ノーサイドに乾杯!ーラグビーのチカラを信じて』『ONE TEAMのスクラムー日本代表はどう強くなったのか?』など多数。モットーが「感謝」。

「2022年 『荒ぶるタックルマンの青春ノート』 で使われていた紹介文から引用しています。」

松瀬学の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×