- Amazon.co.jp ・本 (227ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334033514
作品紹介・あらすじ
「八百万の神」と言い表されるように、日本には多様な神が祀られている。元来、神社には神の家である本殿はなく、神奈備あるいは三諸と呼ばれる山や、神籬と呼ばれる木、磐座と呼ばれる石などで祭祀を行い、そこに神が宿ると信じられてきた。いいかえれば、自然そのものに神が融合していた。このような自然=神といった概念は、どこからきたのだろうか。本書は、神社の系譜を考える上で従来はあまり用いられなかった「自然暦」という視点を取り入れ、新たな切り口から神々の系譜について考える。
感想・レビュー・書評
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「自然暦」という視点を取り入れ、新たな切り口から神々の系譜について考える。
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面白かった!
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神社の系譜
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2017/11/18 16:10:18
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全国の有名神社が建立している場所に関する謎探し。神道的な由来にも多少は触れているが、メインはその立地の自然暦的な解明。自然暦とは、春分・秋分・夏至・冬至などの特異日の日の出や日の入り方向に、特別な意味を見出すこと。近隣の社寺や山頂(だいたい御神体になっている)を線で結ぶと、面白いようにこうした方角を指す。結果的に、この方角を向いていたのは偶然ではないとは思うが、この偶然ではない経緯を史実から掘り出してくれると、もっと面白いし、そもそもこうした自然暦そのものが、宗教的にどんな価値があるのがも知りたい。
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全国の主要神社を取り上げ、神社の建築物は夏至・冬至といった自然暦を計算して配置されていると考察。
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【神社ってなぁに?―1】
たとえば、淀川長治さんの云ってた「映画の文法」なんてことを
思い出します…つくられたものには、すべて意味がある…
もしくは、その意味を読み取ることこそ肝心…
そんなようなことだったかな?…本書は「神社の文法」です!
日本人はいにしえより、太陽を崇拝してきた…
神社は、太陽の動きにより配置された…いわば「自然暦」…
なるほどなぁ! ボクは、すとんと腑に落ちました! 神社は
夏至、春分・秋分、冬至…日の出、日没のライン上に位置する!
本書では20の神社を中心に語られているんだけど、
そこにまつわるする逸話のなんて興味深いこと!
たとえば、こんなお話…
・厳島神社の神殿は方位の軸線(ここでは南北)を
強調するため、拝殿から祓殿にかけて天井の高さが
なだらかに低く、平面形状(間取り)が徐々に狭く、
採光が徐々にとれるようになってる。
・木嶋坐天照御魂神社(京都・太秦)には、
謎の三柱鳥居があり、秦一族に関係する遺構を
自然暦として記録するための装置であったと考えられる。
・家康は遺言でこう伝えた…
―遺骸は久能山に納め、葬礼は増上寺に申し付け、
位牌を三河の大樹寺に立て、一周忌も過ぎた頃、
日光山に小さな堂を建てて勧請せよ
これも、方位―太陽崇拝―皇祖神を意識したものだった。
…と、まぁ、他にもいろいろあって楽しめました!
これから神社へ行く時は、地図と方位磁石が
欠かせないな…なんて思っちゃうような一冊です! -
江戸(東京)の地を災厄から守るために、寛永寺、増上寺、神田明神、五色不動尊などの寺社を、天海僧正が呪術的な意味を持つ場所に、意図的に配置したことは、他の本でも読んだことがあり、土地勘(興味?)もあるため納得できる。本書では、他の地においても、何らかの意図をもって、寺社が自然暦などに関連づけて、配置されていることを実証している。自然暦が、太陽信仰にもとづき、東=生・再生、西=死、夏至=生のマックスパワー、冬至=生のミニマムパワーと捉え、この意味合いにおいて、意図的に寺社が配置されているという事は分かるのだが、何かこう、そう興奮しない。そのように配置した人物や土地になじみ(興味)がないせいなのかもしれない。
→「江戸 TOKYO 陰陽百景」「日本の怨霊」参照 -
東西南北、そして冬至夏至の日の入り日の出の方向いわゆる自然暦にしたがって、聖なる神社は連なっていますよ、という話。
読んでいて、「これは偶然の配置とは考えづらい」という何度もある記述通り、神秘的ななにかを感じないわけではない。
ただ、あんなでたらめな地図しか作れなかった奈良時代からそんなに正確な東西南北、ひいては30度単位の方位がきちんとわかったのか、という疑問は当然。
かつ、とりあえず「日本」だから太陽信仰だった、西方浄土の観念が強かった、という説明はあまりに説得力がない。
さらっと読んだからいいけど、描かれている自然暦には山川など人力の及ばない要素が多いので、きちんと検証したら矛盾が多そうだ。 -
日本の神社は、なぜそこにあるのか。
神社の場所、個々の祭神と歴史を通じて、
都市出現の何故、
自然暦の読み方が、ラッシュで見れます。
東京の守り神は、誰か知ってますか?