行動経済学 経済は「感情」で動いている (光文社新書)

著者 :
  • 光文社
3.57
  • (106)
  • (179)
  • (291)
  • (24)
  • (10)
本棚登録 : 2089
レビュー : 176
  • Amazon.co.jp ・本 (397ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334033545

作品紹介・あらすじ

「経済人」という特別の人々をご存知だろうか?禁煙や禁酒やダイエットに失敗するなんてことはありえない。しょっちゅう電車の中に傘を忘れたり、ダブルブッキングをして友人を不愉快な気持ちにさせたり、当たるはずのない宝くじに大金を投じたりはしない。経済活動を行なっている人、つまりわれわれすべてがこのような人物であるという想定の下で、標準的経済学は構築されている。感情などに振り回されない、超合理的な経済人を扱う経済学は、どこか現実にそぐわない。感情、直感、記憶など、心のはたらきを重視し、私たちの現実により即した経済学を再構築しようとする新しい学問、「行動経済学」の基礎を、詳しく解説。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 教科書的に書かれていて、解説も網羅的ではあるが、素人には理解するには少し難しかった、脳科学の進歩から人の行動と心理についての脳科学的基盤が証明され、それが経済活動に応用されてきているようだ。

  • 経済学を「人間くさい」「感情」で経済がどう動いているかと実験を通して検証。
    たとえば、成功率99%なら手術を受けるが、失敗率1%なら躊躇する。など。
    興味があった内容では、スーパーマーケットで6種類と24種類のジャムを陳列。通りかかった242人うち40%が6種類のジャム訪れたのに対して、60%の人は24種類のジャムの陳列を訪問。しかし実際に購入した人は、6種類では30%、24種類では3%と商品者は多様な選択肢は用意されている方に魅力を感じるが、結局選択肢が多すぎると決定できない。チョコの実験でも同様。

  • 「行動経済学」とは、2002年にプリンストン大学のカーネマン教授がノーベル経済学賞を受賞して注目されるようになった新たな経済学の分野であるが、それは、標準的経済学が、完全に合理的で利己的な「経済人」の存在を大前提とするのに対して、実際の人間の多くは必ずしもそのような行動ばかりをとるわけではないという前提から人間の経済行動を解明しようとするものである。
    そして、「行動経済学」は、人間を研究対象とする多くの学問(心理学、進化生物学、脳神経科学など)から多大な影響と示唆を受ける極めて学際的な分野となってきている。
    本書では、その考え方を以下の5つのポイントから説明している。
    ◆ヒューリスティクスとバイアス・・・人間は不確実・複雑なことがらに対して判断を下すときに、暗黙のうちに便宜的な方法(ヒューリスティクス)を用いているが、この方法は判断に至る時間は早いが、その結果に一定の偏り(バイアス)を含んでいることが多い。
    ◆プロスペクト理論・・・行動経済学の代表的成果。人間の経済的価値の認識には、1.価値の絶対的水準ではなく、原点からの変化の度合いで測られる(参照点依存性)、2.利得も損失も値が小さいうちは変化に対して敏感だが、値が大きくなるにつれて感応度は減少する(感応度逓減性)、3.損失は同額の利得よりも強く評価される(損失回避性)、性質がある。
    ◆フレーミング効果・・・人間の意思決定は、質問や問題の提示のされ方(フレーム)によって大きく変わる。初期値効果(人間の選択は初期設定に影響されやすい)、貨幣錯覚(人間は実質値より名目値で判断しやすい)、サンクコスト効果(人間は判断する際に、本来考慮するべきではない過去のコストを意識しがちである)、極端回避性(寿司屋で特上、上、並があると、人間は上を選びがちである)
    ◆時間選好・・・決定の時点と損失や利得を得る時点が時間的に離れているような意思決定(異時点間の選択)における人間の選択は、単純な割引関数のみではなく、多様な心理プロセスにより決定されている。
    ◆社会的選考・・・実際の経済活動は、標準的経済学が前提とする利己的な経済人だけでは成り立たず、他者の利益をも考慮に入れる利他的な人間がいなければ円滑にはなり得ない。
    そして、最後に、最近の心理学や脳神経科学の発展により、より良い意志決定のために重要な役割を果たしているのは感情であることが明らかにされつつあることや、社会的選考については、人間が進化によって獲得した、感情を含めた生理的な効用最大化を図る特質であると考えられることなどが述べられている。
    今注目される経済学の新しい分野について、多数の実験事例なども引用して分かりやすく説明している。
    (2015年9月了)

  • 従来の経済学で考えられていた「経済人」とは世の中には存在しておらず、我々は常に感情の動きによって行動をしているのである。それは時として経済人よりも合理的である場合もあれば、非常に非合理的でもある。
    何故、人々はこのような行動をとるのか?その答えがある一冊です。

  • 18.8.10
    文藝春秋 2018年7月号 記事を読んで著者の本を読みたくなった
    行動経済学で学ぶ賢い買い物術 友野典男

  • 感情で行動することに、異論はない。俺はそう学んだ。(ヒイロ・ユイ@ガンダムW)

  • 讌オ繧√※闊亥袖豺ア縺?悽縲ゅ%繧後°繧峨?鬆伜沺縺?縺ィ諤昴>縺セ縺吶?

  • なかなかに読み応えのある良書。ヒトは経済人にはなりきれない。経済人として振る舞い利己だけを追求する合理的な判断が満足の最大化に繋がるとも限らない。ヒトはいつも自らのシステムⅠから発せられるあるがままの感情と欲求を一旦受け止めシステムⅡで修正するを繰り返してる。それは時に疲れたりもするけどどの道も自らが選んだ道。タラレバいって振り返っても仕方ないと人生は割り切りも必要だよね。

  • 998円購入2006-11-18

  • こちらは、行動経済学入門といってもいい本だ。依田さんの本より少し厚く、事例も豊富に感じる。感情の動きが決断に影響しているという話が面白かった。

全176件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1954年埼玉県生まれ。早稲田大学商学部卒業、同大学院経済学研究科博士後期課程退学。明治大学短期大学教授を経て、2004年より明治大学情報コミュニケーション学部教授。専攻は行動経済学、ミクロ経済学。主な著書・訳書に、『行動経済学ーー経済は「感情」で動く』(光文社新書)、『慣習と秩序の経済学』(訳書、日本評論社)などがある。

「2011年 『ダニエル・カーネマン 心理と経済を語る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

行動経済学 経済は「感情」で動いている (光文社新書)のその他の作品

友野典男の作品

行動経済学 経済は「感情」で動いている (光文社新書)を本棚に登録しているひと

ツイートする