企画書は1行 (光文社新書)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (225ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334033576

作品紹介・あらすじ

できる限り短く。本当にやりたいことを書く。その一点に思いを込める。

感想・レビュー・書評

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  • たった1行に言いたいこと集約する。
    それは本質を理解しているからこそできること。

    この企画書(とは限らないのだけど)で伝えたいことを1行で表すとしたら、
    何と書くべきか?
    それを考えることは、企画を考え抜き本質を見つけることと同義と感じた

  • 企画はひらめきではないと思った。

    なぜ企画が必要なのか、何を実現したいのか、そういうことをはっきりさせてじっくり考えることが、結果的に良い企画が生まれるのかなと。

    で、相手に伝えるのは簡潔に一瞬で。

    企画って言うより、仕事に対する姿勢や生き方がメインになってる気がしたけど、最終的にはそこが土台でその上におもしろい企画が生まれるってことなんだろう、と思う。

  • タイトルに企画書とあるものの、要はシンプルで短いメッセージに集約して伝えていくことが大事、ということを様々な業界の様々な立場の人のエピソードからまとめ上げている。コミュニケーションの仕事をしている人は一度読んだほうがいいんじゃないかな?と思う使える知識がちらほら。
    みんな言うことは人それぞれだけど、余計なことを書くよりもわかりやすく伝えたい印象にシンプルに伝えることが大事、独りよがりではダメ、ってことですね。自分でもプレゼン資料とか作りながら心がけているけど、実際に話してみるとうまくいかないこともある。やっぱり準備が大事ですね。

  • シュウゾー購入本。

    企画書のノウハウではなく、優れた企画書を作っている人たちの人物伝といった内容。『彼らの話をじっくりと味わうと、そこに現れているのは人間性であり、哲学だ、と気付く』と本書半ばで述べられているが、前半を読んでいて、私もまさにその通りのことを感じていた。

    要するに、企画書はテクニックではない。当人に心から訴えたいことがあり、それを色々な角度から検証し、練っていくうちに、核となる「一行」が見えてくる。このように「一行」がある企画書は良い企画書。逆に言えば、「一行」が現れるまでの過程があるかないかが肝で、誰でも楽にいい企画書なんてできないよ、と。

    そうだよな!頑張ろう。と素直に思った^^

     

    その他、特に頭に残った2点:

    ?日本サッカー協会 川淵キャプテンの「エリート」論

    同協会は、ミッションの一つとして、「エリート養成システムの確立」というのを掲げているそう。この点について、一部マスコミから「エリート養成とは格差を作ることだ」との批判があったそうで、マスコミのアホめと思いつつ、これに対する川淵氏の対応は良いな、と思った。

    川淵氏は、敢えてエリートという言葉を使い続け、あちこちでエリートの意味を語っているそう。曰く、『特権階級となって人を見下す人間をエリートとは呼ばない。(中略)誇りとプライドを持って集団や社会に貢献する人間がエリートなんだ。(中略)仮にエリートという言葉を外して節恵美しても、それはごまかしに過ぎない。エリートを養成するには環境を整え、機会を与えることが何より大事。』

    まったく、その通りだと思う。今の日本の平等論は、機会を持たない者が、持つ者の足を引っ張る方向にある。「機会がない人がいるから、平等にするために機会を持っている人は手放してください」では進歩がない。機会の平等を実現するための方策は絶対に必要だと思うけれど、その一方で、どんな分野でも、秀でた面を発揮した人にはより多い機会が与えられるべきだと思う。そうでなければ、縮小均衡だ。

     

    ?空間プロデューサーから経営コンサルタントへと仕事を発展させているシー・ユー・チェン氏に見るコンサルティングのあり方

    著者曰く、一般的な経営コンサルタントの場合は『なるべく同じ業種を相手にし、しかも指導する内容を絞って行なう。そうでないと手間ばかりかかって儲からない(後略)』。つまり、同じ業種でノウハウを蓄積し、標準化したコンサルティングを提供しているということだろう。

    一方のチェン氏は、ユニクロをはじめ様々な業種に対するコンサルで高い評価を得ているが、各社に対して完全カスタマイズ版で、都度新しく「発想」をしているのだと思う。これは、当然、氏個人の資質によるところが大きいし、成功しているのは当人の感性とも言うべきものの賜物だろう。

    でも、見習うべきところは大きいと思う。というのも、コンサルをやっていると、どうしても「一般的な」コンサルのやり方にはまっていく傾向があると思うからだ。もちろん、理由はそのほうが楽だから。各社で使いまわしの企画書を持って回ったり。もちろん、私の業界などでは、ベースとなる知識やノウハウってのはあるので、その部分の使いまわしは問題ないけれど、やはりそれに基づく提案は、各社各様にもっと練らないといけないよな、楽してちゃいかんよな、と反省しまして。頑張ろう。

  • 僕は福祉業界という職業上、企画書にはあまり縁がないように思えますが、企画書を書く時のノウハウは、福祉業界のどこかにも通ずるところがあるのではないでしょうか。

    18の事例を挙げて良い企画書を書くための極意について述べていますが、題名通りの内容だと思うと、もしかするとちょっと予測と外れるかもしれません。「一行」ではなく、「インパクトのある企画書の文句」というのが主な内容だと感じられます。

    でも、様々な業界で成功した人々が企画書に対してどのような考え方をしているのか、また企画書にはどのような書き方があるのか、それを学ぶには非常にためになる内容であると思います。

    言葉をこねくりまわすのではなく、その言葉でどれだけ人のイメージを喚起させることができるか。この考え方は、今後参考にさせていただきたいと思います。

  • 企画書を1行でまとめるためのノウハウでもなく、良い企画書を書くためのハウツー本でもありません。
     伝えたいと思う考えや自分の中の漠然としたフツフツとした思い。自分は何を伝えたいのか、自分は結局どうしたいのか、それと対峙し、見つけ出していく大切さを様々なカテゴリーの方を通して、訴えかけてくれる大変良い本だと思います。
     文章も読みやすく、またわかりやすく。内容もバラエティー豊かであきさせません。お説教じみたところがなく、自分に響くことから取り入れよう、と思わせます。とても参考になる本でした。

  • 一行で表現するということに対して、いろいろな事例を挙げて説明している本。
    最後のまとめとして、「一行にまとめる」ことが重要なのではなく、「ビジュアルイメージを1行で伝える」ということが大切であると訴えているところは、日頃企画書や提案書を書くときに漠然とではあるが大切にしてきた自分としては、とても共感を覚えた。
    ある意味、頭の整理やひとの取り組み姿勢などで客観的に「1行」について考えることができた良書。
    売れているのは題名のおかげもあるかもしれないが、内容もしっかり楽しく学べたと思う。

  • ※事例が多い本

    企画書の目的は、こちらが望んだプロジェクトを実現させること

    テレビ番組『お厚いのが好き?』
    難しい本を読み解く番組
    →企画書「君はキルケゴールも読んだことがないのか?」

    企画書を書く前にまず確認するのは、その企画は何をおいても自分が実現したいことかどうかを自身に問うことではないか。

    和田徹さん キリン
    企画書を何枚も書き日付もつける。
    それを時系列に並べて、自分の頭の中を整理する


    ★素敵な商品・技術を持っていても、それが周りに伝わっていない人が多い。それを企業単位で創っていく。

    企画書を書く際には、未来のお客様が満足そうに使用している姿を思い浮かべる


    企画を書く時には、物語・ストーリーが大事

    インパクトのある言葉は、拡大コピーして取っておく

    ★カフェの雑誌・新聞がいらなくなったらもらえないか?

  • ”・「結局、企画書ってのは、自分がどうしてもやりたいことを書くこと。それがいちばんです。」(p.18)小山薫堂氏。近所の弁当屋さんへの提案。
    ・トヨタウェイ2001のキーワード5つ「チャレンジ」「カイゼン」「現地現物」「チームワーク」「リスペクト」(p.31)
    ・「2050年、もう一度日本でワールドカップを開催し、そこで優勝する」(p.107)JFAキャプテン 川渕三郎氏”

  • イヤそうなんですよ。

    企画書は無駄を削ぎ落とし、鋭く研ぎ澄ますのが基本です、相手の心にグサリと突き刺さるように…。

    (実際は、短いから刺さるわけではないと思いますが)

    でもさ、この本、元ネタ的(雑誌連載時)には「企画書の1ページ」といったらしい。前後に加筆して「1行」に「研ぎ澄ました」らしいけど、テーマがちょっとはばけている。

    新書が売れているというけど(とくに「サオダケ屋」「バカのカベ」以来)、タイトルありきの本ってなんかなー。

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著者プロフィール

野地秩嘉(のじ・つねよし)
ノンフィクション作家
1957年東京都生まれ。早稲田大学商学部卒業後、出版社勤務を経て現職。人物ルポルタージュ、ビジネス、食、芸能、海外文化など幅広い分野で執筆。著書は『サービスの達人たち』『イベリコ豚を買いに』『トヨタ物語』『スバル―ヒコーキ野郎が作ったクルマ』『高倉健インタヴューズ』『日本一のまかないレシピ』『キャンティ物語』『一流たちの修業時代』『ヨーロッパ美食旅行』『ヤンキー社長』『新TOKYOオリンピック・パラリンピック物語』『京味物語』など多数。『TOKYOオリンピック物語』でミズノスポーツライター賞優秀賞受賞。

「2022年 『伊藤忠 財閥系を超えた最強商人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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