- Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334033583
感想・レビュー・書評
-
すごくおもしろい!
著者の楽しんでる感じも、熱意も、軽妙さも、いろいろ感じられる。
しかも、日常的におもしろがれるようなネタが多いし、学問的にも知らなかったネタがたくさんあった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
遺体科学の本。
ヒトの身体を中心に、進化という名の設計変更の例が数多く紹介されている。
とても面白い。
特にヒトの進化の失敗について書かれている章は衝撃だった。
「失敗作」という言葉に対して反論出来ない。
そうかもしれないな…と思ってしまう。
でも、この本からはそんな失敗さえも愛おしむ著者の気持ちが伝わってくる。
とても分かり易く書かれているし、文章の端々に著者のお茶目な顔が覗くのも読みやすい理由の一つ。
「すごいなぁ」とか「めちゃくちゃだなぁ」とかツッコミながらも、もっといろんな話が聞きたくなっている。 -
生物の進化は思いどおりにはいかないが、設計変更のなか適合していく、その不思議。ヒトが類まれな脳容量を持つことで失う未来、それを覆す変化が必要。
-
面白く読んだ。
文章のノリがちょっと好みが分かれそうな感じ。私は別に嫌いじゃないけど、だるいなって思う時はあった。
本のテーマとはズレてしまうのだけど、何故ひどいつわりがあるのか不思議だった。生物の最優先事項は子孫を残すことだ。こんなに進化した生物が、何故生み育てるために体調を崩すのか?
元々、赤ちゃんは卵黄嚢で成長していたものを、ある程度大きくなるまで体内に留めておくことを決めたのが哺乳類だ。
「異なる遺伝子的基盤を持つ細胞が混ざり合い、片時も休まずに物質のやりとりをするのだから」体調を崩すのは当たり前なのかもしれない。
これからの進化の過程で、つわりがなくなれば良いな…と思った。人間は環境を変える生き物だから、つわりを軽くする薬を発明することで進化するのかもしれない。
生理についても不思議だったけど、触れていた。
人間は、数より質で育てることを選んだ。妊娠〜授乳中は生理は来ない。妊娠出来る年齢になったら妊娠して、30代で死んでいく。昔は生理が不利になるほど頻繁に起きるものじゃなかった。
だから生理がなくなるように進化してこなかった、ということらしい。なるほどなあ。 -
途中まで。
著者のクセが強すぎる(昆虫博士の丸山宗利氏に近いノリ?)。
ドヤ顔のおっさんのご高説を読まされるのは相当に苦痛。少なくとも冒頭は、それに耐えてでも…というほど興味深い内容でもなかった。
2019/11/8〜 -
人体や他の動植物の構造など、結構うまく出来ているという切り口の解説は多いように思うが、逆の、結構進化は行き当たりばったりで、良く適応出来た分、弊害もあって、実は失敗なんじゃないかという視点は新鮮で面白かったです。
-
「進化とは、新しい動物を白紙から創作することではなく、数々の設計変更が自然淘汰を受けて生き残っていく、継ぎ接ぎだらけのプロセスなのだ。」
生物の進化は面白い!
元々あったものを、別の役割・機能のために使い回す。設計変更を加えながら。必要のためなら生物はそんな離れ技をもやってのける。
本書は、様々な事例を紹介しながら、その面白さを伝えてくれる。 -
解剖学の視点から、進化の歴史に迫る。たとえば人類の耳の骨は、爬虫類の顎の骨であり、魚類のえらである。この変異を作者は「失敗の進化史」と位置づけて、このパターンをたくさん提示する。なかなか面白いが、魚や爬虫類、鳥類の解剖写真が載っているので、食事前には読まないほうがよい。
-
クレイジージャーニーを観て。遺体科学という中で明らかになった骨格の進化。必ずしもデザインされたものではなく、前適応としてたまたま役に立つという。進化とは面白いものだなと思った。自分の体、動物の体を改めて見つめなおして意味付けを考えると、その不恰好な進化の歴史が感じられるようになった。