日本とドイツ 二つの全体主義 「戦前思想」を書く (光文社新書)

著者 :
  • 光文社
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レビュー : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (233ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334033613

作品紹介・あらすじ

国民性か?歴史の必然か?近代化の陥った罠を思想史から俯瞰する。

感想・レビュー・書評

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  • 似ているところと異なるところ概要を述べているようだが わからないことが多い
    天皇制が思想と政治の分かれ目か

  • 【要約】


    【ノート】
    ・「グーグル・アマゾン化する社会」の関連本宣伝で

  • 近代化とナショナリズム◆二つの社会主義◆市民的自由と文化的共同性◆全体主義と西欧近代の超克

    著者:仲正昌樹、1963呉市、社会思想史学者、東京大学教育学部→同大学院総合文化研究科地域文化研究専攻→マンハイム大学、金沢大学法学部教授

  • プロローグによると、日本とドイツの戦前の思想は「意味のある比較」をすることができる、ということらしい。個人的にはドイツのような変な国と比較されるのは嫌なのだが、意味があるのであれば仕方がない。

    内容は、国民国家としての両国の誕生から挫折するまでの歩みを両共同体の思想史を通じて読み解く、といったタイトル通りの内容。少し物足りなさは感じるくらいサッパリしていて読みやすいが奥は深い。そして闇も深い。

    興味深い箇所は多々あるのだけど、特に興味を引いたのは「日本的なもの」という曖昧な概念を「台風の目のように中心が空洞になっていて、周辺の空気の運動を吸収して次第に膨張していく」として、これがファシズムの元になりえるというところか。
    あと、自分は戦前の日本には左派イデオロギー(とコミンテルン)への恐怖感というのは相当にあったと考えることもあるのだけど、思想的にはそうしたイデオロギーを取り込みつつ日本的なものしていったというあたりも興味深かった。

  • 前年に出版された『日本とドイツ 二つの戦後思想』の続編だが、発売順ではなく、こちらの新書から読んだ。本書では、第二次世界大戦時に枢軸国側として参戦した日本とドイツが「国民国家」として成立する、1870年代から第二次大戦に突入する1930年代までの戦前の思想史を描いている。

    目次は以下の通り。
    第一章:近代化とナショナリズム
    第二章:二つの社会主義
    第三章:市民的自由と文化的共同性
    第四章:全体主義と西欧近代の超克

    本書では、非常に手際よく日本とドイツの戦前の思想史の比較がされており、ある程度、哲学と思想史を学んだ人にとっては頭の中の知識が再構成、整理されていく良い本だと思う。(個人的には哲学、思想史関連の知識がほとんどないので読み進めるのにちょっと手間取った。)日本の戦前の左翼思想について、松尾匡「新しい左翼入門」を昔に読んだ事があるので、ある程度知識があり、話題に馴染みのある第三章が一番読んでいておもしろかった。

    内容がちょっと詰め込み過ぎだと感じられた嫌いがあるが、これを起点に戦前の思想について書かれた本が連鎖して読むことができると感じられて、読んで良かった。第二章は松尾匡「新しい左翼入門」(講談社新書)に、第三章は、竹内洋「教養主義の没落」(中公新書)と続けて連鎖的に読めばさらに理解が深まるであろう。

    評点:8.5点/10点。

  • 『日本とドイツ 二つの戦後思想』(光文社新書)の続編。ナショナリズムや社会主義、全体主義などの項目について、1870年から第二次世界大戦までの日本とドイツの思想を照らし合わせています。

    比較を通して日本とドイツの共通点を差異をはっきりと示すことがめざされているのではなく、それぞれの観点から両国の思想状況の特色を概説的に説明するにとどまっており、明確な結論のようなものは見受けられないように思いました。もう少し、両国を対照する視点をはっきりと示してほしかったように思います。

  • この本には、わたしがこれから勉強したいことのエッセンスが凝縮されているような気がする。

    もっともっと知識を蓄えてから、もう一度戻ってこようと思う。

  • 『日本とドイツの二つの戦後思想』の続編?という位置づけにあたるようだ。前作の戦後思想に関するもののように、活発に議論されるテーマでなかったせいか、著者独自の見解というものが極力示されておらず、1870年代~1930年代までのドイツと日本の思想の変遷を順を追って比較し、論じるにとどまったものになっている。

    前作の続編に位置づけられるのに、時代は遡っているという極めて異様な本書であるが、読み進めていくうちにこの後編を読むことによって、前作の理解がより深まっていくように感じた。

    戦前から戦後と順を追っていくよりも、戦後の結果を踏まえた上でより理解が深まるものであると計算して、このシリーズを書いていたのであれば、読者に自らの主張を伝えるという点において、著者の仲正昌樹氏は非常にすぐれた学者なのではないかと感じさせられた。

    また、本書は前作の補助的な役割にとどまらず、単体としても十分一読の価値があると思う。

  • [ 内容 ]
    国民性か?
    歴史の必然か?
    近代化の陥った罠を思想史から俯瞰する。

    [ 目次 ]
    第1章 近代化とナショナリズム(「国民」という思想 「国民」の“人為”と“自然” ほか)
    第2章 二つの社会主義(「労働者」の誕生と社会主義 国民国家と社会主義 ほか)
    第3章 市民的自由と文化的共同性(二つの戦間期 ワイマール共和国の大衆民主主義 ほか)
    第4章 全体主義と西欧近代の超克(脱西欧化と新保守主義革命 脱西欧化とアジア主義 「生存圏」の思想 「近代の超克」論 ロマン主義と「近代の超克」)

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 「1870年代頃に西欧的な意味での近代国家を形成し」「国民国家としての統合→帝国主義的拡張」を目指して「西洋近代の超克を目指して全体主義制を構築し、戦争へと突入していった」共通点を持つドイツと日本。

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著者プロフィール

1963年生まれ。東京大学総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程修了(学術博士)。金沢大学法学類教授。専門は法哲学、政治思想史、ドイツ文学。著書に『集中講義!日本の現代思想』『集中講義!アメリカ現代思想』(NHKブックス)『悪と全体主義』(NHK出版新書)『ヘーゲルを超えるヘーゲル』『今こそアーレントを読みなおす』(講談社現代新書)『マルクス入門講義』(作品社)など多数。

「2020年 『現代哲学の最前線』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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