若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来 (光文社新書)

著者 :
  • 光文社
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レビュー : 542
  • Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334033705

作品紹介・あらすじ

「3年で3割辞める」新卒離職率、「心の病」を抱える30代社員の急増、ニート、フリーター問題…。ベストセラー『内側から見た富士通「成果主義」の崩壊』の著者が、若者の視点で、いまの若者をとりまく問題の核心に迫る。

感想・レビュー・書評

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  • 今の若者がいかに駄目かと問う本ではなく、若者に優しくない「昭和的価値観」による労働制度の根底を問う本で、若者の考え方に影響を与えてくれる。一億総中流の時代は終わった現在の競争社会で、いかに生き残るか。僕は別に仕事に愚痴をもらすほど不満は持っていないが、先を見据えて警戒心を持っておくことは必要だと感じた。年配の人々の利権よりも、今後の日本を考えるならば、若い世代に託すべきだ。

  • Thu, 21 Oct 2010

    城繁幸氏のベストセラー本.

    現代日本の病巣の中核をえぐった,一冊とでも言おうか.
    本書は,現在の若者の負担の重さ,年功序列の構造的問題を赤裸々に指摘する.

    現代日本の論点は 労使の格差でも,金持ちと貧乏の格差でもない.それは,年寄りと若者の格差だ.

    こんなことを言うと,
    「いやいや老人にも独居老人とか,いろいろあって大変じゃないか?
    だいたい老人は弱者だ」
    という反論をされる方もおられるだろうが,
    マクロな構造の話である.
    大体,世の中を二つの名詞の対立で議論すること自体,ラフな話なんだ.
    その議論をする以上,要はマクロで構造の話なんだと諒解いただきたい.

    往々にして問題は,固定観念にある.
    メディアが移す,個別キーワードで僕らの発想はドライブされる事が多いが,

    社会保障と言ったときにそのターゲットはどこに向かうか?
    その多くは,年配層に向かう.
    労働者保護と言ったときにそのターゲットはどこに向かうか?
    すでに正規雇用を受けている人に向かう.
    産業活性化,企業の景気対策と言ったときにそのターゲットはどこに向かうのか?
    それは,すでに株式上場しているような既存勢力にむかう.

    そこに隠れた構造は,何か?
    既に発言力をもった,エスタブリッシュメントの保護であり,
    年功序列的システムの保護である.

    しかし,組織がピラミッド型であるという,前提と,
    全員が出世する年功序列の仕組みは,絶対に両立しない.
    これを成立させる要件は,指数関数的に組織が増大するというバブル的状態だけだ.
    つまり,
    年功序列制度は,安定的な制度ではない.
    非常にバブリーな制度なのだ.
    そのバブリーを支えた需要は,
    戦後日本のたぐいまれなる戦後復興という大事業だ.

    現在,そのフェーズから,安定な状態にフェーズシフトするなかで,
    その折れ線部分の前後に位置する世代の考え方,常識,無理解のギャップが
    生まれている.

    それは,自然なことだ.

    経済成長のフェーズがシフトすれば,組織の形態はそれにadoptするべきで,
    それによって,時代を読める人間はなんとか先手を打ってかわすが,
    それが出来ない人は辛酸をなめることになる.

    現在,国民が納税したお金は,相当量,社会の革新のためではなく
    現状の構造維持のために使われている気がする,

    折れる幹の補強に未だ低木の若い芽が折られて用いられている気がする.
    これから,この問題は,より激しく議論されていくだろう.

    ちなみに「若者はなぜ3年でやめるのか?」ってタイトルはちょっと
    ミスリードにおもえるなぁ.

  • この新書を買う前は最近の若者の勤労意欲が低下していることなどを書いているものと思っていました。ところが、読み始めたら全く違っていて、若者が3年で辞めるのは若者の責任ではなく、将来に希望が持てない今の日本の会社にこそ問題があることが強調してあり、非常に興味を持ちました。

    年功序列制度の時代には、若いうちは低賃金と長時間労働に我慢して、でも、40代50代になると高い給料とそれなりの地位が与えられるというシステムだったが、それは多くの企業で崩壊しており、今の若い者は報われることのない労働を強いられている、という指摘が繰り返しなされています。

    日本の若年層にフリーター・ニート問題があることはよく知られていますが、その責任が個人個人の資質ではなく、社会の仕組み(とくに中高年を温存する企業)に原因があるとした玄田有史著『仕事の中の曖昧な不安』(中公文庫)と同じく、若者を見つめる目の温かさに惹かれます。

    著者は最後に

    「明るい未来とは本来、人から与えられるものではなく、自分の手で築くものであるはずだ。その自覚を促すことこそ、本書の意図したところである。」

    と結んでおり、私の若い学生さん達にも是非、読んでもらいたいと思った次第です。

  • タイトルが面白そうだったので読んでみた。今までバブル世代は楽して就職できていいと思っていたが、2章を読んでその印象が変わった。年功序列の長所と短所が色んな角度から知ることができて読んでいて参考になった。会社が若者を切り捨てるような対応をし続けるとどうなるのかがわかった。就職する前に読みたい本。

  • まだよめる

  • 日本の勤労体系

    「年功序列」

    について書かれた本。

    タイトルの付け方がうまい。誰でも、一度は手に取ってみたくなるのではないだろうか。内容も実に明確。ただ、少し男性的であるのが気になる。女性の観点からも書くともっと良いのかもしれない。ただ、もっと複雑になると思うが。

    2006年初版だが、内容に納得できてしまうのは、

    いまだ日本が「石橋を叩いて渡る」精神が抜け切れてないという事なのかもしれない。

    「叩いて壊す」ぐらいの覚悟が必要なのかもしれない。

  • 久々の大ヒット!
    タイトルどおりの内容を、
    鋭くロジカルに考察しています。


    【オススメしたい人】

    ・就活生
    ・内定者
    ・新卒社会人
    ・転職志望の中堅社会人
    ・最近部下がすぐやめる管理職、経営者


    それ以外の人が読むのはオススメしません。
    ヘコむから。向上心のない人には毒になる本です。

    ロジカルで、文才もあり、多数のインタビューで積み上げたであろう
    論拠から展開される内容は大変説得力がある。

    しかもこの作者、若干33歳!
    アンビリーバボー!!

  • 私は大学院2年目で,大学の同期のほとんどは社会人2年目として働いているが,わずか1年余りの間に知っている範囲だけで既に6人が転職・休職・退職を経験している。そのような事情もあって,本書を読んでみた。
    本書で書かれている内容は,若者の変化だけでなく,労働市場の変化,雇用側の欲しがる人材のタイプの変化が,現在の労働市場を特徴づける要因となっている,ということである。私自身も将来働く身であるため,このような日本の労働市場や,それを取り巻く環境について知ることができてよかったし,これからの時代もきっと労働市場の変化はめまぐるしく変わるものであると思うから,常にその変化に敏感でいたいと思った。

  •  半日で読み切ってしまった。かなり面白いけど、それだけじゃない。怖いんだよね。若手社員の希望を奪う年功序列の恐ろしさに鳥肌が立ったよ。『こんな仕事人生はいやだ』と心底思った。
     年功序列を肯定した本を読んだばかりだったから、僕の中で人事制度の良し悪しがグルグル渦巻いている。まだ働いたことないし、人事についての実感もないから仕方ないのかも知れない。でも、こうやって考えられるようになっただけでも、この本を読んで良かったと思う。

  • かなり興味を引くタイトルで昔から気になっていた。著者は人事の畑を歩いてきたいわば雇用問題のプロ。若者VS企業の中高年という二項対立的な図式の中でかなり若者よりの視点からこの問題をラディカルに論じているため、嫌悪感を持つ人も多いはずだが、個人的には年功序列型の企業体質の問題点を鋭くえぐり出しているように思う。ただ、3年以内で辞める人と10年で辞める人の価値観を一緒くたに論じるのも、両者に見えているものの違いを考えれば不適当のように思えるし、本質的な部分で言えば、著者は現代のフリーターや派遣などで働く若者を一方的に被害者扱いするけれど、彼らの中には自ら好んでそのポジションに安住している人たちも多いため原因をこの問題のみに帰属させることもできないと個人的には思う。これは結局時代の流れという曖昧な言葉でしか表現できないものかとか、いろいろと考えさせられる一読の価値ある書でした。

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