若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来 (光文社新書)

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  • 光文社
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レビュー : 542
  • Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334033705

作品紹介・あらすじ

「3年で3割辞める」新卒離職率、「心の病」を抱える30代社員の急増、ニート、フリーター問題…。ベストセラー『内側から見た富士通「成果主義」の崩壊』の著者が、若者の視点で、いまの若者をとりまく問題の核心に迫る。

感想・レビュー・書評

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  • ”BOSSからお借り。「現代若者気質論」を期待して読んだが、本書は「年功序列崩壊論」がメイン。

    そんな中でも「なるほど!」と思えたのが以下の記述。

    ・優秀なグループには同時に欠点もある。彼らは就職までのプロセスにおいて、あまりにも「仕事に対する意識」が高くなりすぎているのだ。(p.37)
     →だから入社後に、アサインされた業務にギャップを感じて、フラストレーションを抱える。納得!

    ・実際のところ、自分たち(引用注:人事部)が入り口で厳しく要求する能力など、半分くらいの若者、いや、ひょっとすると大半の若者には、生涯発揮する機会すらないのではないか。

    ・年功序列制度の本質は“ねずみ講”
     80年代いっぱいは、経済全体が成長を続けていたからパイの取り分でもめなかっただけの話で、いったん成長が陰ると、一気に矛盾が噴き出してきたのだ。(中略)
     「若いうちは我慢して働け」と言う上司は、いわば若者をそそのかして人生を出資させているようなものだ。(p.156)

    ・もし、いまの若者がこのまま年功序列組織のレールに乗ったまま先に進めば、将来彼を待つものとはなんだろう。(中略)
     残念ながら、そこまでたどり着けるのはごく一部の人間だけだろう。むしろ、多くの若者は、そのはるか手前で人生を終えることになる。(中略)
     ここで重要なのは、技術系にせよその他事務系にせよ、こういった現実に直面するのが(20代であれば)おそらくいまから15年以上先、40代になったあたりだということだ。「あれ、自分はひょっとして一生平社員で終わるのか?これ以上、給料はあがらないのか?」と気づいた頃には、もう遅い可能性が高い。(p.215-217)

    ★それ(引用注:昭和的価値観)さえ捨てることができれば、実はわれわれには、先人たちにはない、ある貴重な宝物があることに気づく。
     それはひと言でいえば、「自分で道を決める自由」である。レールの先にはどうやら明るい未来は少なそうだが、代わりにどこでも好きな方向に歩いていけばいいのだ。(p.221)


    ※著者 城 繁幸氏は1973年生まれ。『内側から見た富士通「成果主義」の崩壊』の著者でもある。「Joe's Labo」代表”

  • すごい!
    この本はすごい!とてもためになった。

    〜以下、◇○本より抜粋、●・コメント〜

    ◇p.49:人事制度の違い
    ○「職務給(しょくむきゅう)」:
    担当する職務内容によって給料が決まる
    ○「職能給(しょくのうきゅう)」:
    勤続年数を軸に給与が決まる
    ●自分は、どちらかなぁ。
    半分半分かもなぁ、


    ◇p.53:IT系日本企業の中途採用にくる30代後半以上のコンサルタント
    「優秀なんだけど、即戦力じゃないから」
    断る
    ●あぁ、たしかに実務の話が通じないマネージャはいらないな。。
    (これは、でも反対に考えたときにキビシイ現実)

    ◇p.93:派遣社員ほど使える存在はない
    ●1999年の労働者派遣労働法の改正
    2002年の改正で生産業でも受け入れが認められて
    はじまった大ブーム。

    ◇p.101:派遣労働者が増えたワケ
    ○経営者 「若い人間は必要だ」
    ○労働組合「でも、リストラや賃下げは認められない」
    労使共に50歳以上に限定
    ツケをを受けるのは、若者。
    ●ひどい!
    これが、若者の正社員数激減の原因だな!

    ◇p.135:年功序列制度が柱である以上、人材の価値は年齢で
    決まってしまう。そのため、派遣社員、フリーター
    では、職歴として評価されない
    ●極端に言うとそうかも。

    ◇p.157:「大丈夫、今はきついけど、将来は楽になるから」
    と騙してコキ使い、人生の折り返し地点を過ぎたあたりで
    「あぁ、自分は騙されたのか」と思い知らせるようなシステム
    は一度ぶち壊してしまったほうがマシであろう
    ●ここに筆者の主張が強く出てると思った。
    日本の年功序列の人事制度がもたらす制度の不備
    でも、だからといって「完全能力制」がいいのか?

    ◇p.166:日本の高校生が将来なりたい職業は何だろう
    1999年青年研究所調査
    第一位:公務員
    第二位:教師
    →半数が公務員
    ●日本の将来って、、、、

    ◇p.178:体育会系が好まれるワケ
    強力な昭和的価値観が醸成されており
    その「主体性のなさ」が従順な羊として
    体育会系が好まれる
    ●なるほど〜、たしかに年功序列(先輩後輩)を重んじ
    組織としては使いやすいのかも。
    でも「トビヌケタ」人材を確保しないと存続も危うい
    という採用意志と相反していて、、、う〜ん。
    しかしなぁ。。
    組織として動くときに、この従順さはないと
    統率はとれないな。。

    ◇p.185:「昭和的価値観の正体」
    小学校から始まるレールのなかで、試験によってのみ
    選抜されるうち、人はレールの上を走ることだけを刷り込まれ
    いつしか自分の足で歩くことを忘れは果てる
    最後は果物のように選別され、ランクごとに企業という列車に
    乗り込み、あとは定年まで走り続ける
    ●これがもう通用しない!

    ◇p.205:「楽しんで働く、ということ」
    目標はひとつ、全員が楽しみ、そして全員が食っていくことです
    ●会社ではできないのか?独立しているからできるのか?
    サラリーマンでこの道を歩む方法は?

    ◇p.210:「転職によって成功する人は一割程度」
    というが、明確に、「自分は〜をやりたい」という動機のある
    人間なら、転職は個人と応募企業の双方にとってハッピーな
    結果に終わる可能性が高い
    ●自分の適性? 自分の夢? 何が自分にとってハッピーか?

    ◇p.215「10年後の自分がどうなっているか」
    年収で言えば、30代後半から40代前半で昇給は完全にストップする
    従来、日本企業では、50代後半が基本給にピークだったが
    それより15年近く前でストップすることになる
    ●、、、この現実。自分の幸せをどこに見出すのか。。。??

    ◇p.218:与えられた仕事をこなすだけでは、けっして
    望むものは手に入らない。あくまで自己のキャリア形成の
    ために業務が存在すべき
    ●自分がどんなキャリアプランをもっているか!!

  • 年功序列というシステムについての批判をしつこいぐらい叩きまくった本。

    目次
    <blockquote>はじめに 「閉塞感の正体」を見きわめる
    第1章 若者はなぜ3年で辞めるのか?
    第2章 やる気を失った30代社員たち
    第3章 若者にツケを回す国
    第4章 年功序列の光と影
    第5章 日本人はなぜ年功序列を好むのか?
    第6章 「働く理由」を取り戻す</blockquote>
    タイトルからしてキャッチーなんだけれど、じゃあそのタイトルの謎を。

    <blockquote>こうして見ていくと、その価値観にとって何より重要なのは、本人の能力やそれによる収入ではなく、「あるシステムに乗っかかっているかどうか」であることがよくわかる。</blockquote>
    著者は、この正体こそが<b>”年功序列”</b>なのだという。
    そしてこのシステムの影を、以下のように例えている。

    <blockquote>「それでもいまの若者は忍耐力が足りない」という人間は、こう考えてみるといい。自身がせっかくいい大学を出て、有名企業に正社員として入社して、いざ配属先が「マックの店内でポテトを揚げる仕事を向こう三〇年間」だとしたら、どういう気分になるか。</blockquote>
    しかし一方で、<b>”年功序列”</b>は、”長期雇用”と対になり、社員が長く居る事で、会社の中に技術がたまった。

    <blockquote>彼と、彼が作り上げ、維持してきた年功序列制度は、実に優れたものだった。誰もが安定して長い期間働くことで技術力が蓄積され、日本製品は世界の市場を席巻した。
    横並びで詰め込み型の教育システムは、均質で従順な労働者を大量に供給し、彼らは超長時間労働に文句も言わず、年功序列型企業の原動力となって馬車車のように働いた。</blockquote>
    まあ、実に日本的なアプローチだったんですねぇ。実のところは。
    しかし、この本ではこのあたりまでしか書いていない。要は「告発本」なのだ。
    だから、ここまでしつこいぐらいに<b>”年功序列”</b>を叩いてるのだ。こうやってw

    答えが書いてないので、現代の問題をまず知りたい人向け。
    間違えても、これに煽られて「独立」なんて勇み足はしないようにしたい。
    (このあたりは<a href="http://mediamarker.net/u/kotaro/?asin=4479792252 " target="_blank">汗をかかずにトップを奪え!『ドラゴン桜』流ビジネス突破塾</a>等を参考の事)

  • <図書館の所在、貸出状況はこちらから確認できます>
    https://libipu.iwate-pu.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=235654

  • 政府の雇用政策に隠された真実、企業の都合、笑う経営陣、そして苦しむ若者。
    社会の様々なアクターがなぜ今こんな状況に置かれているのかが見えてくる。

    著者の城さんは、年功序列制度が諸悪の根源とまで言うように、とにかく年功序列を徹底的に批判している。
    今の日本が抱える、少子化、派遣社員・フリーター・ニートの増加、格差社会、2007年問題等々の問題は年功序列制度がそもそもの原因であると述べている。
    年功序列が本当に全ての原因かどうかはわからないけど、納得できることが本当に多い。

    「最近の若者は我慢が足りない」と言われ、若者だけが批判されがちだけど、若者に道を譲らず既得権にしがみ付いている老人たちは、あらゆる手段を使って若者を搾取していると言える。
    人ありきの企業が人件費を節約するから、あちこちで不祥事が起きているんだと思う。

    若い人がもっともっとこの本を読んで、今の社会に対して声を上げるべきだと思う。
    正社員も、派遣社員も、フリーターも、そして学生も。
    私たちが働くのは経営者や株主のためではなく、自分のため、家族のため、社会のため。

  • 日本の年功序列制度は、中国の資本主義社会の縮図。

    若い社員(=農村部)が高齢者(都市部)を支える構造が完成されて今でもそれを引きずっている。内側から崩壊する中国の歴史と同じ道をたどろうとしてる。

    初めて日本の年功序列制度の問題を知ったのかもしれない。

    さらに日本は少ない若手で多くの高給取りを支えなければいけない呪いにかかっている。

    長年働いたベテランたちはサラリーをもらえると当然思っているだろうけど、若手はそれに気づいて大手に向かっているのか…

  • 日本的経営が崩れて久しいが、その骨子とも言うべき年功序列こそが掲題の問題に繋がると著者は指摘する。

    「今耐えれば後で見返りがある」からと思えばこそ成り立ってきた日本の企業の経営陣が既得権益と目先のことだけに目を奪われた結果、若い世代を搾取し未来が暗くなるということなのだ。

    今の時代が閉塞感に溢れていることを指摘し、そこに暗澹となるもの開ける可能性があるとして胸高鳴らせるもの様々だろうけど、というところで本書は終わっている。閉塞感があるという指摘だけでだからどうするとかはない。

    漠然とした不安を理屈だてたものにしたという意味では面白い本だが、この本読むまで気が付かなかったようでは気が付いた後も何かしらの行動を取れるとは思えない。

    ということは社会に出る前に読むべき本といえる。だとするとこの題名はないだろう。

  • タイトルからはちょっと想像しにくいが、若者に向けての本である。

    現在の若者は根性がないとか忍耐がない、という評価を得ている。そして若者自身は閉塞感としかいいようのない心理状況に陥っている。これはなぜだろうか。

    日本の高度経済成長を支えてきた、終身雇用と年功序列制度、そしてそれによって培われてきた昭和的価値観。
    それらは一見働いている人にとって優しい制度に見えながらも、そのレールから外れた人間に対してかなり厳しい態度を取ることで日本の楽園を維持し続けてきた。

    現状の日本においてすでにそれらシステムは完全に疲労し意味をなさなくなってきている。しかし、既得権益つまりこの場合中高年の雇用や賃金を維持するために若者の雇用というものが容赦なく切り捨てられ、あるいは派遣などの形に置き換えられている。
    年功序列はねずみ講だと言い切る著者の語り口には怒りの色すらうかがえる。

    著者は第6章において若者に自らが働く意義を自ら自信に問うことを求めている。昭和的価値観の社会から一歩身を引いて、「自分の人生にとって何が大切か」ということを問うことは、これからの社会で生きていく上でかなり重要なポイントであるかと私も思う。それは今の学校ではなかなか教えてもらいにくいものだ。大人達も明確に示してはくれない。

    その問いを誠実に行わないと、30代後半、40代になってから自分の人生の先行きに落胆し、そこで初めて閉塞感の正体に気づくことになる可能性はかなり大きいように思える。

  • 会社を硬い組織とみると著者の主張はその通りなのだが、彼らも生き残りがかかっているので柔軟にやるやつもいるだろう。柔軟でない人は滅びるのであろう。

  • ★2008年3月30日読了  『若者はなぜ3年で辞めるのか?』城繁幸著 評価B

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