ベネディクト・アンダーソン グローバリゼーションを語る (光文社新書 301)
- 光文社 (2007年5月17日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (227ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334034016
作品紹介・あらすじ
二四年前、ナショナリズム研究の最重要書のひとつである『想像の共同体』を著したベネディクト・アンダーソン。彼が二〇〇五年、早稲田大学で行った二つの講義を収録するとともに、そのメッセージを丁寧に解説する。世界の見方が変わる、アンダーソンとナショナリズム理論への最適な入門書。
感想・レビュー・書評
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『想像の共同体』がとても難解な本なので、この本を読んでようやく入り口に立てる、という感じ、
2005年の早稲田大学で行われた講義録と、梅森直之氏による解説、講義のあとに行われた質疑のなかから14の質問回答で構成されている。
新書だがなかなか濃い内容で素晴らしいと思った。
現在すでに2022年だが、まさしく今読むべき本なのかもしれない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「国民とはイメージとして心に描かれた想像の政治共同体(imagined political community)である」という言葉で有名な『想像の共同体』の著者、ベネディクト・アンダーソンの早稲田大学での講演録です。本書の半分がアンダーソンの講義録で、残りは梅森教授の解説だったのです。講演本体もさることながら、特に一番最後の会場との質疑応答「アンダーソンを巡る14の対話」が興味深かったです。例えば、「アジア」という概念は、元々、古代ギリシャ人から出てきた概念で、「エーゲ海の向こう側の地域」という意味だったので、今でも自分を「アジア人」だと認識しているアジアの人はいないといった話などが。
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私は日本生まれの日本育ちで、日本語話者だが、なんでかしらん、自分を日本人だと言うのがイヤだ。
ネットだと「だったらどっか他所の国にでも行ったら?」とツッコミが入りそうだが、できるものならそうしたい。でもきっと「何処か別の所」など存在しないのだろうなという予感もある。きっと何処に行ってもそこは自分の居るべき場所ではないのだ。
そういう落ち着かない感覚をあらためて見直して考えるのに、この本はすごく良かった。
19世紀末に世界を放浪した革命家のエピソードには胸が躍るが、今の世の中には何処にでも行けそうなのに何処にも行けない人、何処に行っても仕方のない人が沢山いるように思う。
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ベネディクトアンダーソン グローバリゼーションを語る
自著「 想像の共同体 」やナショナリズムについての 講義録。ナショナリズムの思想的背景や歴史がまとまった良書。編著者のまとめも わかりやすい
テーマとキーワードが同じなのに、ベネディクトアンダーソンの論考と姜尚中 氏の論考では 全く反対の印象を受ける。ベネディクトアンダーソンは 読み手に希望を与え、姜尚中氏は 日本に反省を促している。
名言「ナショナリズムこそが帝国主義的支配を断ち、抑圧された民族に自由をもたらす原動力であった」
日本人が日本語を話すのではなく、日本語を使うことで日本人になるというテーゼには未来を感じる
質疑応答の中のベネディクトアンダーソンの言葉に苦笑「謝らなくてもよいほど立派な政府なんて 世界に一つも存在しない」
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日ごろよく耳にするグローバリゼーションという言葉だが、ここではやや違った意味にとらえられている。『想像の共同体』自体を読んでいないので、いまひとつ話題にされていることがピンとこなかった。
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面白く読めた。
けれど、主題部のあまりの短さに驚愕した。 -
【要約】
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【ノート】
・「想像の共同体」を読んで興味を持ったら、という感じ。この本はamazonの関連本で知った。
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出口治明著『ビジネスに効く最強の「読書」』で紹介
2005年、早稲田大学における二つの講義を収録。ナショナリズム理論入門。