iPhone 衝撃のビジネスモデル (光文社新書 302)

  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334034023

感想・レビュー・書評

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  • [ 内容 ]
    Web2.0が喧伝されて、かなりの時間が経つ。
    グーグルの影響力は変わらず増大しているし、アマゾンも市場への浸透を拡大している。しかし、オプティミズムに彩られた予測は数を減らしつつある。
    グーグルの収益構造は基本的に広告から離れられず、SNS(Social Networking Service)はどう収益を導くか模索中である。
    収益モデルが確立できずに技術だけが洗練されていくマーケットから、ジョブズはiPhoneによってキャッシュを得ようとしている。
    どういう方法で?携帯電話の居場所を電話機からオーグメントにシフトさせることによってである。

    [ 目次 ]
    第1章 iPhoneの衝撃(アップル概論 iTunesの成功がもたらしたもの ほか)
    第2章 Web2.0の幻(Web2.0の本質は技術ではない セマンティックWeb ほか)
    第3章 ユビキタスの挫折(サービスポイント増加の歴史 メトカーフの法則 ほか)
    第4章 クール!iPhoneのインタフェース(ユビキタスの二つの解釈 分散インタフェースモデル ほか)
    第5章 iPhoneが拓く新しいビジネスモデル(Web2.0的なサービス、技術はある。だが、Web2.0的な収益モデルはない 情報を創造するモチベーション ほか)

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • iPhone 衝撃のビジネスモデル

    竹蔵は昔からアップルが好きです。25年前にWizardryやUltima(ロールプレイングゲームの元祖)をAPPLE II上で夢中になってやりました。20年前にMac上でQuick Timeの小さなウィンドウの中で粗い動画がカクカク動くのを見てとても興奮しました。(別に動画の内容には関係有りません、念のため。笑) 
    今では生活に必須になっているiTuneのオンラインショップiTMSがアメリカで始まった時には、とても羨ましく思いましたし、iPodの初期バージョンを今でも持っています。
    iPhoneがアメリカで発売された時には、それなりの興味を持ってニュースを見ていましたが、iPhoneの発売に合わせてApple Computer Inc.からApple Inc.に社名変更をしたと聞いて、少し寂しく思うと共に、情報家電にかけるスティーブジョブスの決意を感じることができました。
    閑話休題。
    iPhoneは全面タッチパネル式の携帯電話+iPodで、タッチパネルやモーションセンサーを活かした新しいユーザーインターフェースを備えているとは聞いていました。ところが、この本は、iPhoneが拓くかも知れない新しいビジネスモデルの可能性に関して詳しく書いています。
    * インターネットは基本的に情報は無償。広告モデルでの収益を上げている企業や個人はいるが、決済やセキュリティの問題が多く情報から直接収益を上げるビジネスモデルはあまり育っていない。
    * 携帯電話は、キャリアが決済まで代行するし、セキュリティはインターネットに比べて高いので、ビジネスモデルを確立しやすいが、携帯電話の端末としてのユーザーインターフェースは既存の音声通話やメールに特化しているため、新しいアプリケーションの確立に向いたものにはなっていない。
    * 全ての情報家電がインテリジェントなものになって来ているが、各機器のユーザーインターフェースが独自のため、ユーザーはパスワード地獄の中で、機器の使い方の習得に疲れ果ててしまっている。
    そんな中で、新しいアプリケーションのに対応可能で、なおかつ決済なども含めて新しいビジネスモデルにも対応することが可能なiPhoneは、今後の進化次第でパソコンに並ぶ情報機器になる可能性があるというのが本書の主な主張です。
    Web2.0に関しての要約などもあり、目から少しだけ鱗が落ちました。こっちの分野もまた興味を持ってお勉強しなくてはと竹蔵は思った次第です。iPhoneの題を付けたのであれば、iPhoneのユーザーインターフェースのCoolさはもう少し書いて欲しかったです。

    竹蔵

  • iPhoneで検索して読んだんですが、そう言う本ではなく裏切られた。web2.0, ユビキタス、インターフェース、ビジネスモデルの本。勉強になりました。

  • iPhoneについての本かと思って購入してみたが、インターネットサービスへのインタフェースとしての携帯電話の可能性、そこに関わるキーワード、ビジネスモデルについて書かれていた。

    内容的に特に目新しさはない上、iPhoneを神格化してしまっている感じを受ける。本来、スマートフォン(携帯電話)全般が持つ機能、可能性をiPhoneだけが持つかのような印象を与える書き方をしている。また、実現されるサービスと実現可能性があるサービスがごちゃ混ぜというのも気になるところ。

    タイトルだけ見て買ってしまって、ちょっと後悔。ふと気づけば、やはり書名に惹かれて購入したが期待外れだった「暗証番号はなぜ4桁なのか?」と同じ著者…。

  • 書名は不適当。

    WEB2.0、ユビキタス概論とした方がよかったのではないか?

  • タイトルでiPhoneに限定してしまってるのは勿体無い。Web2.0とユビキタスとガラケーの閉塞感を新しい端末が如何にして破壊するか、という時代のお話。今読むと過去、現在進行形、未達成の部分が重なり合ってて面白い。一度は振り返って置きたい一冊。

  • 情報機器が持つ潜在的な計算能力のすべてを使いこなすのは、それを飯の種にしている専門家かギーク(技術耽溺者)で十分である。

    モバイル2.0は、個人志向を強めるネットワークの中で、より個人的に最適化したネットワーク接続環境とコンテンツの提供を実現する。
    しかし、こうした社会変革や技術革新のモチベーションが、広告を中心とした古い収益モデルに還元されるのであれば、モバイル2.0は本当に個人や新興組織をエンパワーする仕組みにはなりえない。

    「人は、“夢想(ファンタサイズ)したい”と”コミュニケートしたい”という2つの欲求を持っています。重要なのは、ファンタジーとの接触が持てるか否かなのです。」(アラン・ケイ)
    ある製品を成功させようと考えた時、コミュニケーションとファンタジーの増幅装置(アンプ)として機能するものを作るべきだ。

    集合知の功罪−相応しい場面とそうでない場面は、厳然として存在

    ┌ベストエフォート(最善を尽くすが保証はしない…インターネットの根幹思想)
    ├フォールトトレランス(欠陥が生じてもそれをカバーする設計思想)
    └フォールトアボイダンス(欠陥を許さない設計思想)

    求められるシーンは異なる
    リナックス −集合知○
    辞典 −集合知×

    情報や知識の対価をゼロにしてはいけない。
    情報がその付随的価値によってしか対価が得られないシステムでは、情報にバイアスがかかるか、真にクリエイティブな情報を創る人がいなくなる可能性がある。

    日本企業に永遠のβ版は作れるか。

    技術は置き換え可能だが、モチベーションは置き換えできない
    神は技術という細部には宿らない

    ウィンドウズに先駆けてウィンドウズシステムを開発した日本企業
    なぜ先んじて市場に問わなかったか。結局リスクを取らなかったからである。その覚悟もモチベーションもなかったのである。
    それでは世界を引き寄せるような製品は作れない。

    マイクロソフトの製品など何十年も前から永遠のβ版。だがマイクロソフトはβ版を出し続ける。

    モチベーション以上に日本に圧倒的に不足しているのは、技術開発の方向性を示すグランドデザイナーである。
    ジョブズは、経営者としては傲慢で地に足がついておらず行き当たりばったりだし、技術者としての力量は未知数だが、優秀なグランドデザイナーだ。
    技術がどう発展したら楽しくなる(ついでに懐も潤う)のかを的確に突き止め、わかりやすいビジョンとして技術者や利用者に語れるタレントをもっている。
    Think Different

    ケアのもっとも重要な基礎は、その反応にあるのではない。それはむしろ病についてその患者が語る談話にある。
    医者は、疾患を診断するためにその談話に耳を傾けるという(「患者の言うことに耳を傾けよ、患者は診断を語っているのだ」)

    病の内容に注目する代わりに、病の意味の構造を探るべきだろう。

    「心気性」=疾患のない疾患 アイロニックな病い
    ”病気になってどんな気持ちか、と尋ねてくださってうれしいです”

  • 衝撃のビジネスモデルと書いておきながらその内容にあまり触れなかったように感じる。

  •  「電話を再発明する」との有名なジョブズの言葉は知っていたが、本書を読んでもアイフォンの「衝撃的なビジネスモデル」は感じられない。
     一時代前からみれば、確かに「衝撃」なのだろうが、それを現在でも誰の目にも見えるように展開しなければ新書を出す意味がないと思える。
     本書は、残念な本であると思う。

  • WEB2.0ってのが、コンピュータ音痴の自分には分かりづらい。
    概念的なもののことなのか?
    SNSが発達したことで、今まで企業側から一方通行だった宣伝などが、消費者間でも可能になったってこと?

    2007年にここに記されているiPhoneの未来は、現在2013年の世には正に予想通りもしくはそれ以上に流通している。

    どうなっていくんだか。
    いつの日かiPhoneが時代錯誤になる日がくるのかね。

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著者プロフィール

中央大学国際情報学部教授

「2021年 『デジタル/コミュニケーション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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